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2005年12月14日

YNGWIE MALMSTEEN at 東京厚生年金会館

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ドゥギー・ホワイトが嫌いなのはどうしようもないにしても、欧州ツアーの様子や音源なんかを聞くにつれて気分はかなり盛り上がってきてました。巷の評判はともかくUNLEASH THE FURYは好きなアルバムだし(11曲にしぼると名盤)。

今回は2列目イングヴェイの真正面という超ナイスポジションをゲット。この位置だとおそらくマーシャルの壁から吐き出されるギターサウンドにバンドの音はかき消されるだろうけれど、それがあたくしの望みです。ギターの音がデカイことはそれだけで素晴らしいことなのです。

イングヴェイのマイクスタンドにはインディアンのお守り?アクセサリー?みたいな羽のついたわっかがブラさがってる。なんとなくバンドのセッティングはステージに向かって左側に寄っており、イングヴェイのマイクスタンドは通常の位置より真ん中寄り。イングヴェイのマイクスタンドから右側がすごく空いているように見える。

ってことで開演時間を10分ほど過ぎたところで例によって静寂を打ち破るように速弾きのフレーズが切り込んでくる。客電が付いたままなので観客は「え?何?」って感じでしばらくは呆然としていたが、客電が落ち、ジミヘンのフレーズに導かれてRising Forceの「ドーン」というキーボードが聞こえてくると大歓声が起こる。予想通りマーシャルからのギターの音がデカいんだけど、予想してたよりは控え目。ヴォーカルは遠くで聞こえるって感じだけど。でもやっぱバッキングでウジャーウジャーと好き勝手にかき鳴らすギターがしっかり聞こえてすげーかっこいい。黒シャツ、黒の革パンツで文字通り飛び回るイングヴェイは確かに前回よりかなり痩せたように見える。

Rising Forceからは間髪入れずにNever Die。やっぱりドゥギーはサビになるとかなり苦しそうだけど、意外と聞き苦しくない。ただ、アクションも服装もかーなーりーダサい。頑張ってはいるんだろうけど。ギターソロ後はもうイングヴェイはリフを弾く気はまったくなく、ギターを投げたり掲げたりしながらグイーングイーンやってるだけでした。そうそう。まともに弾かなくていいからそうやって汚い音出しまくっててくれるのが好きなんです(盲目)。そしてさらにもう一発スピードチューンLocked & Loaded。重さのあるリフがかっこいいので新譜の中でも特に好きな曲だ。ただ、イングヴェイが言うと思ってた「ファイヤア!!」がなかったのが残念。ギターソロは雑ではあるけれどきちんとキレはある。この曲も怒涛のように終わり、アタマ3曲はあっという間に終わってしまった。バンドの演奏はタイトで、パトリックのドラムはオカズにはあまり魅力を感じないが安定感は抜群。

ここでようやくドゥギーがMC。「今夜はRISING FORCEとしての100回目のライブだ!」とか言ってるけど正直どこから数え始めたのかわからんのであんまりピンとこない。イングヴェイ自身はまったく意識してなさそう。んでもってここからが1回目の「いつもと一緒タイム」。毎度おなじみのヴァイオリン奏法やってから、パガニーニ。そしてアダージョ。そしてFar Beyond The Sun。まあ正直ハイハイって感じなんだけど、なんだかんだでライブで観ると興奮はする。ただ、イントロで一瞬ブレイクするところのドラムパートがすっげーダッサくなっててガッカリした。タンカタンカタン、って感じでおもちゃのタイコみたいなフレーズなんだもん。んでもってようやくここでキーボーディストのプレイをまともに聞くことが出来たんだけど、ニット帽かぶった小太りのオッサンっつールックスの割りにそこそこ面白いプレイをしていた・・・ような気がする。結局名前もわかんなかったんだけど。

エンディングではアメリカ国歌をプレイ。ブラジルで9/11のテロ後にプレイしたときにはブーイングの嵐を受け、その中で何度も弾き倒したっつー話があったけど、イングヴェイは政治的なことなんかきっと考えずに、ただ「ジミヘンだぜー」って感じで弾いただけなんだろうな。世界情勢が微妙なときでもそういうデリカシーのないことをやっちゃうイングヴェイが好きでした(盲目2)。86年のツアーのようにそこからFireになだれ込むなんてことはもちろん無く、ドゥギーが出てきて「今夜のレッスン1だ」とか言って今度はアコースティックギターでのソロタイム。例によってPrelude To Aprilだのバディネリをペケペケポキポキと弾き倒して、Dreaming。前回のツアーでのDreamingはなんかドゥギーが微妙にオリジナルのメロとは違うメロを歌っててそれがすごく気持ち悪かったんですが、今回は丁寧に歌っててなかなかいい。バンドが入ってきてからはドゥギーの歌はイングヴェイのアドリブにかきけされてました。こういう裏で弾くイングヴェイのフレーズがいいのよねー(盲目3)。

キーボードの音もフェイドアウトして一瞬の静寂が訪れた・・・という瞬間を狙ってイングヴェイがDemon Driverのリフで切り込んでくる。この流れはかなり燃えた。肘90度で前のめり、て感じ。ドゥギーの声域にも合っているし、場内もかなり盛り上がった(と思う)。続いて演奏されたWinds Of Warはイントロのドゥギーの手拍子がバンドのリズムと合ってなくて気持ち悪く、客もどういうリズムで手拍子していいのかわからなくなってて切なかった。しかしながらスピードチューンの多い今日のライブで初のヘヴィチューンということもあってかその重さが凄くかっこよかった。アルバム以上にドラマチック。

続くBaroque & RollもMCナシで間髪入れずにスタート。イングヴェイのライブにしてはすごくいいテンポ。イングヴェイもこの曲のプレイはなかなか。インストだけどアップテンポだからあまりダレなかったと思う。んでもってExileも続けてプレイされる。なんか曲のつなぎ方はヤケクソって感じ。

今回のツアーの目玉はこのExileだったと思う。なんつってもスピードがCDの倍はあるんじゃないかっつー超高速ヴァージョン。これはヤバかった。ギターソロの入りの部分、高音チョーキングがフェイドインしてくるところは「2005年かっこいい瞬間大賞1位候補」なんだけど、一応きちんとそこも再現してくれてたのが嬉しかった。

んでもって結局次のRevolutionも怒涛の流れでプレイ。この曲もCDで聞いたときは特にいいと思わなかったんだけどライブで聞いたら燃えた。曲全体としては「メロがいい曲だ」っていう印象ないんだけど、ところどころにグッくるメロが配されているというか。ATTACK!!とUNLEASH THE FURYにはそういうタイプの曲が多い。最初は物足りなさを感じてたんだけど、最近は逆に全編メロメロ志向に逃げずにそういう感じで「時々出てくる」ってとこが気持ちよくなってきた。気がする(盲目4)。

ってことでここまでの流れはイングヴェイのライブにしてはというか、普通に考えてもおかしいだろっつー感じの突っ走りっぷり。ヤバかった。元々イングヴェイのライブっていうのは「そういうもの」として諦めておかないといけないところが沢山あるライブだと思うんだけど、今回のここまでの流れはそういうのをあまり気にせずにその勢いに見も心も持っていかれたというか、正直珍しく興奮した。普通のライブだったらこういうのが当たり前なのかもしれないけど、こういう勢いをイングヴェイのライブで感じれたというのが嬉しい。

という俺の慎ましやかな喜びもここまで。ドゥギーの大仰だけどなんて言ってるのか全然わからないMCに導かれての「メインギターソロタイム」。Trilogyは今日は結構丁寧に弾いてた気が。昔B!の藤木が「2弦スウィープのところを3弦スウィープに変えて弾いてたことにガッカリした」と言っていたけれど、難易度はともかくとして俺は3弦スウィープになってるほうが好きだったりします。でも今日はしっかり2弦スウィープでした。お久しぶりのKrakatauを挟んでイングヴェイ一人遊びタイム(もうディレイ奏法は飽きた)。でも時間は結構短めだったような気がする。んでもって予想通りのCherokee Warrior。残念ながらイントロの「フンガー」「ユノウトキンバウ、ハハハ」の意味不明パートはなし。どうでもいいけどCDのこの曲のイントロ変だよね。なんでイングヴェイご機嫌なんだろ。誰としゃべっているんだろう。そういう意味不明っぷりがステキだ(盲目5)。

実はこの曲よりも俺はRed Houseのほうが好きなのであまり嬉しくはなかったんですが、かといって嫌いなわけでもなく。ただ単に「いつもと同じか」「このあとYou Don't Rememberやって本編終わりなんだろうな。アンコールでDon't Let It Endやってくれるかな。くんねーだろうな。どうせヒロシマぐらいだろうな」ということを考えつつ冷め冷めムードで見守ってました。

でもこの後コンチェルトの曲を挟んだ分いつもと同じ構成の長ったらしいソロタイムには変わりないものの、いつもより「1人遊びタイム」が少ないように感じたし意外とすっきり終わった気がする。さすがにぶっ続けでイングヴェイ弾き倒してきたのでソロタイムが終わるとドラムソロで休憩。でもこのドラムソロも意外と短いんだよな。2分ちょいぐらい。すぐにイングヴェイが戻ってくる。で、予想通りYou Don't Rememberが始まる。この曲もドゥギーちょっとキツいなあ。曲の途中にDemon's Eyeを挟む。全然好きじゃない曲だけどライブで聞いたら意外とそのグルーヴ感が気持ちよかった。この曲ではドゥギーがマイクスタンドを操ってデビカバみたいなこともやってたんだけど、これがもう様になってないこと萩原流行のカウボーイルックの如し。もうひどい有様ですよ。かっこいいってのとはかけ離れてた。まあ観てておもろいし愛嬌があるってことでいいか・・・ドゥギーカワユス、カワユスドゥギー・・・カツラが安っぽいよ・・・。

アンコールではまた「長いアコギソロ~Black Star」っつーウンザリな流れかな・・・と思ってたんだけど、今回はいきなりCrown Of Thorns。イングヴェイ的お手軽ネオクラ曲の悪いとこが詰まったような曲で、やっぱ全然好きじゃないんだよなあ。

んでもってアンコール2曲目はHiroshima Mon Amour。やっぱこれかあ。これ南海もやってるからすでにマンネリになってる気もするんだけど。Starcarr Laneやってほしい。で、この曲のドゥギーはオリジナルの歌メロをかなり忠実に歌って頑張っていたんだけど、ファルセットを多用しなくていけないこの曲ではそのファルセットのヘナチョコっぷりが逆に際立って聞いてて気持ち悪かった。

ラストはI'll See The Light, Tonightすでにやっつけ感すら漂う演奏だけど、それなりに場内は盛り上がっておりました。

ダレる時間が今までのイングヴェイのライブと比べて圧倒的に少なかったし、アンコールも俺好みではない選曲だっただけで勢いはあった。まあ後半は俺は完全に冷めてしまったんだけど、前半に感じた興奮は今までのイングヴェイのライブでは感じたことがなかった類のものだったし楽しみました。明日はCrown Of Thorns、Winds Of WarをCracking The Whip、Bogey Manをやってくれるんじゃないかと期待。

投稿者 trouble : 2005年12月14日 23:17

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