« Take To The Skies / ENTER SHIKARI | メイン | ゆれる »

2007年04月11日

LORDI at 渋谷O-EAST

行ってきたよ。付き合いで。こういうのを好きな人がイヤな気分になるような感想が書けるライブだといいなあ!という意気込みで。

いや邪悪じゃねえとか悪ノリが足りねえとかってそりゃそうなんだけどさ、そもそもこのバンドて音楽も含めてディズニーの1アトラクション的な「ファミリーでもご安心して楽しめます」っつー予定調和ファンタジー安全世界での高品質商品なわけで、そこに過激さとか悪意を求めるのはサザエさんにはレイプシーンがないからダメとかさだまさしはデス声がないからダメとかそういうもんだと思うんですよ。デス声なくてもダークだけどな、さだまさし。

ギターソロはすべて指一本で弾けそうなフレーズばかりなのにそれをたどたどしく弾くということでスリルが満点だったり、高校生が練習してるみたいなドラムによって思春期的な甘酸っぱさを演出したり。そのあたりとってもイモゥショナルなハードコアでした!

という演奏面での揚げ足取り的なとこは正直あまり気にならなかったというか、ソロでは気になるんだけどバンド全体のサウンドとなると非常に生真面目なまとまりがあった。演出が欧州でのショウに比べてショボいとかあったけど、十分にエンターテイメント性の高い、立派なパフォーマンスだったと思います。

そういう意味では今日のライブってのはバンドが提供していることと観客が求めていることが一致しててヒジョーに盛り上がったライブでした。かいじょうにはろるでぃのめんばーになれちゃうようなぶるーたるなるっくすのおばさんがいっぱいいました!あれはこすぷれだったのかな?それともおともだち?ちょーりあるだった!

でもまあ結局、俺個人としては「だからこういうの嫌いなんだよね」っつー確認にしかならなかったりして。そういうのわかってて行ったんだから予定調和は俺の方なんですけどね。あまりに楽しくて立ったまま寝ちゃった。いやあいくらよく出来てるつってもそこで表現されてるものが何かっつー話だからさ。莫大な予算と最先端テクノロジーを使ってその世界観の中で最高のものを作った!って言われてもそれがアンパンマンだったら見せられてもキツいんです。ほんとろっくだね!かげきだね!見せられたんじゃなくて自分で観に行ったんだろ俺は!そこがいい!かわいい!なーんてバカにしつつもフェスで沢山バンド観る中で途中これが出たら楽しめちゃったりしそう。

LORDIは完結した世界観の中で「こんなもんでしょ」なレベルの音楽なりパフォーマンスを再生産してるに過ぎないってとこにもケチつけたくなっちゃうけど、別にそれはそれでいいんだよね。「ママとボクが一緒に楽しめる」とか皮肉っぽいフレーズをアタマにつけたってそれはそれで立派な商品になりうるエンターテイメントなんだから。でも、いい大人がああいうの見て喜んで「見た目の割には曲がいい!」とかっつって真剣にその音楽的内容を賞賛してるの見るとさ、笑えるっつーかお前らそんなに普段の生活に疲弊してんのかと。ここまで低年齢向けのエンターテイメントじゃないと楽しめないぐらい退行してしまうような過酷な生活送っているのかと言いたくなってしまいます。

いや-でもやっぱみんな大変なんだよ。俺みたいに苦労を知らず、ダラダラ二酸化炭素を吐き出すだけの生活を送っている人間が「お前らそんなに疲れてんの?」とか言うなんて思い上がるにもほどがある!ひびがんばっている、いっしょうけんめいなひとたちが、ろるでぃのらいぶにはあつまるんだ!だからこどもにみせてもだいじょうぶな、ぴゅあならいぶになるんだ!それはすばらしいことなんだ!

とか書いてて気づいた。安心安心書いてたけど、こういう俺みたいなちょっとシタリ顔したい年頃の自称ロックファンの「俺は本当のロックわかってるぜ優越感」を発動させるのがLORDIの狙いなんだ。悪意に満ちたバンドには悪意は生まれない。むしろ、悪意皆無なバンドのほうがこういう幼稚な悪意を生み出すきっかけになる。やつらはそれを狙ってるんだ。やべー猛烈に危険なバンドじゃん。ブルータルで過激じゃん。

なんてくだらない文章なんでしょう。すいませんでした。

投稿者 trouble : 2007年04月11日 23:13

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://fantomas.kill.jp/cgi/mt/mt-tb.cgi/488

コメント

コメントしてください




保存しますか?