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2005年04月04日

GENERAL PATTON VS. THE X-ECUTIONERS

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General Patton vs. the X-Ecutioners

我等がマイク・パットンとターンテーブル集団X-ECUTIONERSのコラボレート作品。ラーゼルをはじめ、ブラック・ミュージックとのコラボレーションにも果敢に挑んでいくパットンの創作意欲はすげえ。

ということで聞く前から絶賛体制になってたりするんだけど、正直なこと書いていいですか。俺こういうターンテーブルを主役とする音楽をあまり聞いてないのでぶっちゃけ「どこがすごいか」ってのがよくわかんなかったりするんですよね。パットンてターンテーブルじゃないけどサンプリングは多用するじゃん?で、スクラッチだとか音の切り替え(と言うのかしら)を駆使してるところはまあターンテーブルでプレイしてるんだってわかるんだけども、「これはパットンのサンプル?それともターンテーブルのプレイ?」とわかんないとこの方が多いんすよね。

まあそういう「やってることのすごさがわかるかわからないか」と作品を聞いて「好きと思うか嫌いと思うか」というのはまた別の話ですからね。いや技術を否定するわけじゃなくて、ドラムソロで「これをやってたからすごい」と言われてもそれを聞いて楽しいかどうかはまた別のとこだよね、ってこと。

コラボレーションを「パットン将軍対処刑人」の戦争に見立て、アートワークまで凝りに凝ったこのアルバムは、パットン作品の中では非常に聞きやすい作品です。X-ECUTIONERSの作り出すキャッチーなバックトラックにパットンならではのキャッチーなヴォカリゼーションとわかりやすい歌が乗る。音楽性は一言で言ってしまうとヒップホップ色の強い作風。こういう音楽でのパットンを聞くと、彼の歌唱・ヴォカリゼーションは変態的に叫ぶとか人声とは思えない音をひねり出すとかそういうこと以前に非常にリズミックでパーカッシヴな魅力にあふれていてそこからキャッチーさみたいのが出てるんだなあということに気づかされる。

もちろんわかりやすいと言っても彼の作品ですから全編わかりやすいわけでもなく、パットンらしいアヴァンギャル度の高い展開と「この得体の知れない音はきっとパットンが出してる音なんだろうな・・・」というサンプル(声?)を組み合わせたトラックだとかもあり、そこらへんに関しては"HIP HOP FANTOMAS"といった雰囲気でもあったりするんだけど、そこらへんも含めてすべてリズミックであり、難解な雰囲気は皆無。

そしてこれが重要だと思うんですが、「不穏な雰囲気」とか「イカれた感じ」がパットン作品にしてはかなり薄め。飽くまで「彼の作品にしては」という注釈がつきますが、あまり変態な感じがないです。なんか最近の彼へのオーヴァーグラウンドでの評価の高まりやTHE WIRE誌の写真1.2.3.4.5.6.7あたりを見ると、やけにオシャレに取り上げられているようでなんとなく違和感を感じたりするし、この作品の(しつこいようだけどあくまでも彼にしては、な)健康的な雰囲気についてもやや物足りなさも感じたりするんだけど、珍しく気軽に気持ちよく聞ける作品だったりもしてこれはこれで好き。

投稿者 trouble : 2005年04月04日 14:17

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コメント

既にご存知かとは思いますが、パットンちゃんこと、マイク・パットン氏、今年の夏にデンマークであるロスキレ・フェスティヴァルでは4回ステージに登場するんですね。凄い……。1つのフェスティヴァルの期間中に個別のライヴで4回ステージを踏むってのはどういうんでしょうか。ここに記事がありまして、相変わらずマイク喰ってます。

http://www.dagbladet.no/kultur/2005/04/07/428221.html

ある意味、彼の活動の幅の広さを物語っている気がしますです。

投稿者 Hattie : 2005年04月09日 14:37

情報ありがとうございます!
わお、すごいっすねー。天国のようなフェスだ・・・。
4回だからTOMAHAWKもやるのかな?と思ったら
KAADA/PATTON、MALDORORにwith RAHZELかあ。

MALDORORってちょっと俺には難易度高めな感じで
買ってすぐ聴いたけどそれ以来聴いてないんだよな・・・と
久しぶりに聞こうと思ったら、CDが見つからん。
アートワークが最高だったのに。

PATTONが全面参加してるアルバムで持ってるけど
きちんと聞いてないのって結構あるんだよな。
HEMOPHILIAC、LOVAGE、EYVIND KANGのアルバム。
ちゃんと聞き込まねば。

投稿者 さだお : 2005年04月09日 21:43

>PATTONが全面参加してるアルバムで持ってるけど
きちんと聞いてないのって結構あるんだよな。

セッション活動の多い人を追いかけていると
こういう事態にまま遭遇しがちなんですよね。
私も買ったけど本人が参加している曲しか聴
いていないアルバムってあるなあ。特に、普
段自分の聴いていないタイプの音楽作品に参
加してくれちゃったりすると、この傾向が発
動されるようなんですが、どうですか?

流石にヴァイナルおまけのシングルのみ参加
なんてのは購入を見合わせたけど。

ロスキレ、コペンハーゲンから電車でちゃちゃ
っと行けちゃうそうっすよ。行ってみる? 去
年は雨で田圃状態になって大変だったそうです。
(参加者が写真見せてくれたけど、もー、ほ
んと田植え間近だった)

投稿者 Hattie : 2005年04月10日 13:48

FANTOAMS、FAITH NO MORE、MR. BUNGLEっつー
取り合わせだったら本気で考えるんですが、
この4つだとさすがにそこまで博打できないっす・笑

RoskildeっつーとなんかPRETTY MAIDSを思い出します。

投稿者 さだお : 2005年04月10日 20:33

あれ。途中で切れてた。

<流石にヴァイナルおまけのシングルのみ参加
<なんてのは購入を見合わせたけど。

俺もMELT BANANAとか、そういうのは
さすがに買ってないです。一瞬叫んで終わってそうで・笑

<普段自分の聴いていないタイプの音楽作品に参
<加してくれちゃったりすると、この傾向が発
<動されるようなんですが、どうですか?

発動しちゃいます。参加作品どころかパットンのソロなんて
とても愛聴できるもんじゃないっすからねー・笑

でもそれがきっかけでその手の音楽を
聞いてみるようになっちゃったりもしますよね。
BON JOVIとイングヴェイファンな俺がここまで
色んなの聴けるようになったのってパットンのおかげってのが
少なからずあると思うんだよなあ。

投稿者 さだお : 2005年04月10日 22:54

FANTOMAS,FAITH NO MORE,MR.BUNGLEって、それじゃパットンちゃん祭り状態じゃないですか。でも、この3バンドが連続してたらやる方も見る方も色々な意味で大変そうです。

>一瞬叫んで終わってそうで・笑

ありえるだけに。(笑) たった1曲のギター・ソロのためだけにCD買ったりしてますが、私の場合。(苦笑)

>でもそれがきっかけでその手の音楽を
聞いてみるようになっちゃったりもしますよね

そうそう! それは大いにあると思います。色々な音楽への入り口になってくれるのは、やっぱり自分の好きなミュージシャンなんですよ。自分の好きな音楽をやっているから、どこかしら好みにも通じるものがあるかもしれないし。そういう意味では色々な音楽に触れるきっかけをくれるゲスト出演だの別プロジェクトだのにも感謝しなくちゃ、と思いますです。

自分の音楽の引き出しが増えると楽しめる音楽も増えるし。その結果が床が抜けそうな数のCDだったりもする訳ですが。(新・三国志のサントラからアレックス・チルトンまでってか)

投稿者 Hattie : 2005年04月11日 03:39

売れてるからって「天狗」になってる感もないから

投稿者 ブランド腕時計 : 2012年12月10日 16:06

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