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2005年07月31日

7月31日 Fuji Rock Feastical '05 最終日

おはよおおお!晴れてる!わーい!

昨日の大雨が嘘のようにいい天気です。予報では今日も雨だったので覚悟してたんですが、これは嬉しい。あんまダラダラしてたらもったいない、ということで急いで準備して、出発。と言ってももう12時前なんですけど。ああ、THE KNACKが観れない!

晴れたとは言ってもまだまだ会場はグチョヌル状態だろう、ということで今日も最初から靴カバーを装着して出発したんだけど、予想通りまだまだ足元はグチャグチャ。でもそんなものを物ともせずビチャビチャと進みます。でも今日が最後なんだよなあ、と思うとなんか会場に向かう嬉しさよりも切なさのほうが前に出てきてしまってついため息が増えてしまったりもして。あー、ほんと今日で終わりなんだなー。悔いのないように楽しみたいです、と誰にも聴かれてないのに抱負を胸に抱いたりして。

まずは朝ごはん、ってことでオアシスに向かう。まだ食べてないのなんだっけー、と思って買ったのはジンキスカンと肉ゴハン?。これはイマイチだったかなあ。普通の肉野菜炒めみたいな感じだった。まずくはないけど。いやそれにしても暑い。ちょと日が出ただけで一気に身体が焼かれてるみたいな感じになる。雨もイヤだけど、晴れたら晴れたでそれも辛い、と贅沢なことを思いながらソフトクリームを食べました。暑い中食べるのは最高。

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メシを食べ終わったところでRED MARQUEEでOCEANLANE。最近エモ系のバンドを観にいくとオープニングアクトで出ていることが多い彼ら。エモいメロディーながらどこかクールな雰囲気が漂っていてなかなか。ただ、ときどき歌が「ちょっと不安定すぎじゃね?」ってなったりするところもあったりして。

そんなわけで途中で抜け。今日はWHITE STAGEに骨を埋めるつもりなので、ベースはGREENじゃなくてところ天国に作ることに。やっぱり泥がすごい。ハネた泥を浴びつつもところ天国に着いてまずは昨日食べて最高だったモカロックを食べよう!と思ったんだけど、アイスココアが無くなってしまったということで残念無念。しかも天国バーガーも売り切れ。もう一回食べたかったなあ。いやでも昨日食べておいてよかった。

相変わらず陽射しが強くてジリジリ暑さを味わいつつ、川遊び。さすがに天気の悪かった昨日と比べるとかなり人が多いんだけど、がんばっておくまで行ってのんびりゾーンを確保。

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WHITEではGO! TEAMが演奏してて、最初は「なんだこのヘタクソな歌は」とか思ってたんだけどちゃぷちゃぷやりながら聴いてたら途中からすげー気持ちよくなってきた。何気にこの川べりって音楽聴くのに最高の場所かもしんない。

で、川辺で1時間ぐらいボケーっと過ごしてたらSOUL FLOWER UNIONがスタート。沖縄音楽をベースにした骨太なロックサウンドは、自然の中っつーシチュエーションだとかなり気持ちよさげなのでサクサクっとWHITEに向かう。途中阪神大震災についての曲を挟んだりしつつ気持ちよい音楽をエッサホイサと踊って堪能。もう少し観ていたかったけど、15:00からの押尾コータローを観にオレンジに移動することに。ファッキンライト!!

オレンジに向かうボードウォークには簡易ステージみたいのがあってバンドが演奏。こんなとこでもやってんのな。でもおかげで演奏してるバンドと観客の間を思いっきり横切らなきゃなんなくて微妙に気まずい。

オレンジに近づいてくると、聞こえてくるのはアコースティックギターで奏でられるウルトラマンの主題歌。なんだべー、と思ってたら次に聞こえてきたのはててってっててってっというスーパー・マリオのテーマ。誰かがギターで遊んでるかのような雰囲気。続けて「地下の迷路」っつってデデデデデデ、って演奏してたのがウケてました。

どうやらまだ準備はできてないんだけどとりあえず場つなぎで出てきてちろっと演奏してたらしい。しばらくするときちんとしたステージ衣装を来て押尾コータロー再登場。テレビで何度か観たことはあったんだけど、メロディーラインを弾きつつギターのボディを叩いたりチョッパーで弦を叩いたりのパーカッシヴなサウンドも同時に出してしまう彼の演奏は生で観てもかなりのインパクト。坂本龍一の戦場のメリー・クリスマスとかは原曲の持つ幻想的な雰囲気をギターから多彩な音色を生み出してしっかりと再現。思わず聞き入ってしまった。MCも自然体のおもろいオッサンて感じで会場をすごくいいムードにしてました。また、中盤での「1人バンド紹介」もおもろかった。「On Bass!押尾コータロー!!」と言ってそのアコースティックギターでひたすらベース的なプレイを披露し、続いて「ちょっとナルシスティックなギタリスト、On Electric Guitar、押尾コータロー!!」ってことでチョーキングだのロック的な早弾きをディストーションを軽くかけてアクション満載で演奏。「On Drums、押尾コータロー!!」ではもちろんパーカッシヴなプレイを聞かせ、会場は大盛り上がり。

本編が終了しても歓声は止まず、アンコール。フジロックのムードを気に入ったっていうMCやギターを準備している間に即興の歌(僕は~、ギタリストなんで~、ギターがないと~、困るんです~、みたいなの)も披露して最後はアップテンポな新曲で終了。BEN FOLDSとかのライブで感じるような「いやほんと音楽って楽しくていいよなあ!」みたいなプリミティブな喜びを感じることができる素晴らしいライブでした。こういう「音楽」そのものへの喜びみたいのってさ、ジャンルに固執している間は絶対味わえないんだよな。うぉーイヤーな感じの選民意識!

本当は押尾コータローは30分ぐらいだけ観てWHITEのATHLETEを観るつもりだったんだけどあまりの楽しさに最後まで観てしまった上にAVALONでTHE BEAUTIFUL LOSERSに引っかかってしまった。

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みんな地面にゴミ袋とか敷いてマッタリ観てたんだけど、サウンドはなかなか。ヴァイオリニストはあまり存在意義を感じないんだけど、アコースティカルな雰囲気でマッタリといいメロディーを紡いでいく雰囲気。

そんなわけでATHLETEは途中からしか観れなくて、しかも2,3曲でステージ前から離脱。あとはところ天国でノンビリ聴いてました。押尾の後でちょっと気分がアッパーになっていたのでちょっとハマれなかった。でも、繊細なUKロックなんだろうと勝手に思い込んでいたんだけど、実際は予想以上に骨太でダイナミズムが感じられるメリハリのある音楽で、今になってもう少しきちんと観ておけばよかったかなと思ってみたりして。

次はきちんと観るぞーと意気込んでDOVES。前回出たときのライブはRED MARQUEEで観たんだけどすげーよかったんだよな。その後の単独ライブはまあまあって感じだったけど。

で、ライブが始まったんだけど、なんかイマイチ?機材トラブルがあったのはまあしょうがないとして、なんか彼らの持ち味(と俺が勝手に思っている)であるキラキラとした雰囲気があんま感じられないし、意外と野外の雰囲気に合わない。野外だと凄いスケール感に聞こえるんじゃないかと思ったんだけど、なんか今日はすごく鈍重に感じちゃったな。

そんなわけでボケーっと突っ立って観てたんですが、WHITEでは写真撮影する不届きモノを注意するために、屈強なセキュリティが紛れ込んでおります。

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一応会場のムードをしらけさせないよう彼なりに気を遣ってるのか、小さく手拍子をしたりリズムをとったりしているのですが、その目つきは獲物を狙う肉食動物のそれ。携帯やデジカメで撮影しているやつを見つけると真上から「ダメー!」と怒られます。でも、そのチョコチョコ動いている姿が愛らしく、彼が撮影者を探しているその姿を撮影する、という光景がチラホラ見受けられててほのぼのしてました。

DOVESが終わると一旦ところ天国に戻ってメシ。

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なんかチキンを香草で炒めたのやトマト、スクランブルエッグ、パン(?)が乗ってるプレート。チキンはおいしかったけど、特にそんな特筆すべきこともない感じ。

人気あるし遅れてって入場規制かかってたら凹むから!ということで急いでWHITEに戻ってBOOM BOOM SATELLITES。かーなーりー楽しみにしてたんだけど始まってみたら期待以上!アルバムで聞くよりもさらにギターが前に出てるし身体を突き動かすリズムのカッコよさもすごい。こりゃたまんねー!ってことで踊りまくる。Dive For Youのイントロが聞こえたときの盛り上がりとかすごかった。

途中から雨が降り出した上に時間が経つにつれてどんどん強くなったんだけど、踊りまくれたおかげで気にならなかったなあ。こりゃ単独も行かなきゃ!と思ったらちょうど7月に日本ツアー終わったとこだった。残念。

このブソブソのときは踊りまくってたから全然平気だったんだけど、この雨の調子と夜の気温を考えると絶対寒くなると思ってパーカーをカッパの下に着る。今どうかじゃなくて、1時間後どうなってるかを考えとかないとキツいんだよね。

そんなわけで続いても今回のフジロックの俺の目玉、THE MARS VOLTA!激しい雨を浴びながらいまかいまかと待っていたんだけどなかなか始まらねーのな。結局予定時刻から15分押しぐらいで開始したんだけど、それを待っていたかのようなタイミングで雨が止んだ。「雨が降ると髪の毛爆発しちゃうからイヤなの」とアフロ二人組みがゴネていたから開演を遅らせたのかもしれない。そのぐらいのタイミングだった。

いつものように西部劇のサントラのような壮大な音楽でオープニング。それに続いてメンバーが出てくるんだけど、めっちゃ人数増えてんの。元々5人なのにオマーの弟がパーカッション(彼は初来日からいたか)、元SPARTA(だっけ?)のサウンド・マニピュレーター、さらにはサックス・フルートのメンバーまで加わってステージ上は8人の大所帯。そしてバックドロップには鳥の頭の不気味な人間の絵が2体。

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そんな8人がひとしきり好き勝手に音を出した後、スタート!というわけでもなく、そこからひたすらインプロが続くというのが彼ららしい。基本的に彼らのインプロの主導権を握っているのはドラムのジョン。彼が叩き出す半端じゃない威力のビートで築かれた大地の空にオマーがギターで宇宙を描き、セドリックが風を吹かせ、サックスやキーボードが狂気を描き出す、そんな雰囲気。新加入のサックスが彼らの世界に与えた彩りはなかなか素敵で、今までの彼らにはなかった雰囲気をしっかり感じられてすげーよかったよ。

インプロが苦手な人にとっては彼らのインプロもやはりキツいかもしれないが、俺にとって彼らのインプロは波長が合うというか、演奏者たちが音楽に没入している中での感情や集中力、気持ちの動きにすごく入りやすい。だから延々と続いていてもそのインプロの中での起伏がすごく気持ちよく感じられるし、一緒に楽しむことができる。結局この始まりのジャム・パートだけでも20分近くあったんだけど、まったく飽きることがなかったし、それどころかテンションはどんどん上がる。やべー、やっぱこいつらすげー!

そして一瞬のスキを突いたかのようなタイミングで始まったDrunkship Of Lanternsのカタルシスの大きさと言ったら!これを聴いて興奮しないやつなんていないだろ!ぐらいのテンションでものすーんげーかっこいい。ブレイク部でのサックス、フルートの存在感も際立ってたし彼らがさらに一段上のステップに昇ったことを実感させられる演奏だった。曲中でインプロに入り、最後にセドのうめき声からシャウトに変わったところで曲に戻ったのがめちゃめちゃヤバかった。鳥肌立った。そういえばセド、マイクスタンド叩きつけてたな。あれも燃えた。

彼らにとって曲というのはインプロの合間に挟まれた目印のようなものなんだよな。その目印に向かってどこまでインプロでテンションを上げていくことができるか。それがうまくいけばいくほどその曲(パート)の破壊力が大きくなる。そういう意味では今日のインプロはすごい調子よかったんじゃないだろうか。インプロで味わえるトランス感、たまんなかった。

Drunkship Of Lanternsの後はCynus... Vismund Cygnusを20分ほど。これもすげかったです。ただ、前回の単独で新作からは1曲だけだったんで勝手に今回はもっと新作から聴けるかと思ったんでそこは残念だったかも。でもやっぱすごかった。ボキャブラリー少なくて申し訳ないですけど、すごかった。

そんなわけで興奮してたら腹減っちゃった。BBSとMVの連発でもう抜け殻って感じだったので無理してSIGUR ROS観なくていっかー、と思ってAVALONにメシを買いに。今年のフジロック最後の食事だし、慎重に選ばねば!と気合を入れて選んだのは結局マルハバのチキンカレーとシシカバブ。だって昨日食べたのおいしかったんだもん。

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シシカバブ2本にしちゃいました。んー、うまい・・。でもこれが最後の食事かと思うと切ないです。涙でカレーがしょっぱいです。なんか食べてる間に意外とSIGUR ROS開演に間に合うんじゃね?と思ってWHITEに戻るとまだ始まってない。わーい、と思って前に・・・行こうと思ったんだけどすごい人。裏でNEW ORDERあるし、意外と人少なかったりして、と思ったんだけど全然そんなことなかったですゴメンナサイ。後ろにいるとステージがまったく見えないので頑張ってかきわけかきわけ前に一生懸命進んでいると、途中でライブがスタート。ステージには薄い幕(膜って感じ)がかかっていて、演奏している彼らがうっすら見える。途中で幕が上がるとバンドの後ろには大きなスクリーンが。

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そのスクリーンに人形のアップだとか不思議な模様が映しだされ、彼らの静かで、美しく、すべてがスローモーションになるような音楽の根底にあるどこか不穏でねじれた雰囲気を強化する。夜、野外で見るSIGUR ROSはすごそうだ、と思っていたんだけど、さらに「霧」が加わり、ほんとピッタリ。星空の下よりもこういう雲の中のようなシチュエーションの方がさらにいい。

疲れのたまった3日目だと立ったまま寝ちゃうんじゃないかとか思ってたんだけど、全然そんなことはなく、幻想的な音楽に、ひたすら飲み込まれてました。そしてラストは()のTrack 8。悲しみにあふれたメロディーの反復の下で着々とカウントダウンが進んでいき、最後に世界は美しくも凄絶に破壊的な終末を迎える。

単独ライブでも打ちのめされたこの結末だけど、このシチュエーションの中ではさらに大きなインパクトがあった。一昨年のMOGWAIのように、静寂こそが最大のヘヴィネス、みたいな瞬間もあったし。素晴らしいライブでした。ヤバかったー。

その帰りにところ天国に荷物をとりに行ったんだけど、森をライトアップしたその空間もすごくスピリチュアルな雰囲気。毎年ここの夜の雰囲気には圧倒される。奥に行くと美しいっつーより恐怖すら感じたりもすっけど。ステージ前よりもここの方がSIGUR ROSの音楽がさらに強力に聞こえたかも。

そんなわけで、GREENのクロージングバンド、PRIMAL SCREAMを横目に観ながら帰路に着く。

今回は天候に恵まれなかったけど、準備が万端だったおかげで今までのフジで一番疲れが少なかった。音楽的にも個人的に目玉のなかった去年よりもはるかに感動することができた。音楽以外のところも十分に堪能できたし、ものすげー充実感。ただ、辛いのはその充実感が大きくなれば大きくなるほど現実に戻るのがキツくなるんだよな。でもそこで終わっちゃったと凹まないでさあ来年に向けて頑張るぞ、ってならないとアカンよね。と自分を無理やり前向きにして、床に就く。

ほんとものすっげー楽しかった。

最後に。越後湯沢駅の売店で売ってる特濃ソフトクリームがめちゃめちゃうまかったです。

投稿者 trouble : 2005年07月31日 23:23

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コメント

ホワイトステージ客席(?)を徘徊するセキュリティの画像、
素晴らしいですね。声出して笑ってしまいました。

軍パンを履いたセキュリティ、噂じゃ米軍のバイトだとか。。

投稿者 しばを : 2005年08月10日 03:00

どうもですー。
しばをさんもいらっしゃったんですね。
あふらりんぽでもgooだと54件ひっかかります!

で、セキュリティさんなんすけど、
徘徊してたのってこの人しか見なかったような。
係だったんだろうか。俺はこんなことをやるために
軍に入ったんじゃない!とは絶対思っていなそうな
真剣っぷりでした。
とりあえず日本だと歯向かえる人いないですよね。

投稿者 さだお : 2005年08月10日 20:05

Everything's Ruined: 7?31? Fuji Rock Feastical '05 ??? 私が探していたものです。情報をありがとうございました。

投稿者 vancouver website design : 2012年02月26日 04:27

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