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2008年11月26日

まだイングヴェイ。

え。まだやるのっつーぐらいのしつこさですけど、今回のアルバム俺本当に気に入ってるみたい。ずっと聴いてても全然飽きない。っつっても6曲目(Prest Of The Unholy)が終わったら1曲目に戻しちゃうんだけど。

PERPETUAL FLAMEの輸入盤を買いました。CDRで持ってるんでいらないかなあと思ってたんですがTheFour Horsemenの収録された「完全版」を正規盤で持っていたいという所有欲から。やっぱThe Four Horsemen入ってないのと入ってるのとでは印象全然違うな。ていうか段々このThe Foursemenを気に入ってきたような気がする・・・と思ってインナーを見てみたら。

あれ?インナーの歌詞がきちんと曲順に並んでる・・・。オリジナルのインナーは歌詞が曲順とは関係なく掲載され、DEAN MARKLEYっつー弦のメーカーがなぜか「ドラム担当」としてクレジットされてたり(パトリックも一応載ってる)、デレク・シュリニアンの名前のスペルミスがあったり、挙句の果てにはTied Of Desireという収録されてない曲の歌詞が掲載されていたりと前代未聞の意味不明なミス連発だったんですが、今日届いた輸入盤はそれが全部修正されてる。

日本盤が発売されてから輸入盤が店頭から姿を消し、一説には「1曲少ない日本盤を売るためにユニバーサルが輸入に規制をかけてる」と言われてたんですが、どうやらそういうことじゃなくて一旦出荷をストップして修正してたみたい。

そうなると、ミス満載でTied Of Desireの歌詞が収録されてしまっていた初期出荷ヴァージョンもきちんと買っておけば良かったと後悔・・・。

で、こないだ平野のおっちゃんに「おまえもイングヴェイであんな長々と書くなんて立派なオッサンだよ!」と言われたのでさらに細かく書いてやる。

1. Death Dealer
これはすげー好き。これは過去の曲と比較してもかなり好きな部類。スピーディーなバッキングにどっしりと勇壮なメロディーが乗るのがたまらん。ツッコミどころとしては、1番のAメロのburning in my soul、ソロ後のAメロのJesus christ not againのとこ。なんでこんな気持ち悪いリズムで詞を乗せるんだ。

2. Damnation Game
アタマんとこのベースのうなりはカッコいいけどコーラスがいや。イングヴェイってこういう和声使うの好きだけど、俺すげー嫌い。ツーバスでダカダカダカダカってなるところがあるんだけど、曲が始まって一回目のダカダカダカダはなぜか音が小さい。

この曲はソロがいい。メロディアスなパートんとこのチョーキングでちびっちゃいそうです。こういうパートがあるならば、いつも通りの転調→弾きまくりパターンも許せる。

ただ、曲自体は悪くないんだけどサビが猛烈につまらん。

「ヨーロッパ人はいつもウソをつく」っつー歌詞は一体何を言いたいんだろう。

3. Live To Fight(Another Day)
イングヴェイは()付きのタイトルがお好きですね。この曲はDeath Dealerと並んで好きな曲。ガガッガガッっつーリフのバックのシタール(?)でのアルペジオがいい雰囲気出してる。ギターソロはあんま展開がないソロなのであんま面白くない。

ただ、ゆーこまるも指摘してた通りイントロの鐘の音の「コン」がマヌケすぎる。「ゴーン」でいこうよ。なんでこんなになっちゃったんだろう。

Live by the sword, Die by the swordの言い回しでスタートするのはATTACK!!収録のVALHALLAかなんかの使い回しです。

4. Red Devil
リッパー言うところの「古臭い曲」。ホント古臭い。キャッチーだけどあんま好きじゃないなあ。ダサすぎる。Live To Fightと並べて聴くとまだいいけど単体で聴くとなんかモタモタしてるし。

5.Four Horsemen
日本盤ではカットされた曲。よく言えばSee You In Hell路線。最初は歌メロにもう一つグッとこないなあと思ってたんだけど段々ハマってきた。ソロはワンパターンのあの展開になりそうなとこでバックの「ババッババッ」があって救われてる。イングヴェイもさすがにこのワンパターンの展開をなんとかしようと思うようになったんだろうか。

6. Priest Of The Unholy
好きな人以外にはLive To Fightと区別付かなくなりそうなI Am A Viking的ヘヴィ路線。日本盤だとLive To Fightのあと1曲挟んでまた似た感じのこの曲だけど、それってどうなんだろう。

曲自体はこれも結構好き。キーボードのリフが印象的。

Live To Fightよりソロパートがいいし、何よりギターソロ後、歌が終わって始まるソロが迫力ある。これはソロそのものよりもコード進行の緊張感によるものかもしれないけど。

でも、リッパーはなんか苦戦してるように感じるな。

7. Be Careful What You Wish For
5曲目と似た感じだけど、こっちはつまらんです。なんかリフの感じがFacing The Animalに入ってた疾走曲(捨て曲)とにた感じ。歌もつまらんしFour Horsemenを外すならこっちを外していただきたかった。

なんか曲の始まりに「ブゥーン」ってベースを入れたりしてるけど、Damnation GameとRed Devilも似たような感じに始まるよね。

8. Caprici Di Diablo
あんま好きくない。

9. Lament
8曲目が遅くなっただけ。組曲なんだろうけどなんで2曲に分けたんだろう。

10. Magic City
ブルーズだけど微妙にブルーズとも違う雰囲気っつーイングヴェイの得意技。ギター、曲ともに素晴らしいと思うんだが悲惨なのがイングヴェイの歌。ふんがー、ムハァののフランケンスキャットや語尾の「ンファあ」な抜け方、音のとり方が妙に素っ頓狂だったり。下手じゃねーと思うけど気持ち悪い歌だ。 今のヨラン・エドマンがムーディーに歌ったら素晴らしい曲になっただろうに。

こういう曲ではもちろん高音域でのチョーキングやフレージングは好きだけど、低音域での引っかかりのあるプレイ(なんて表現すんのかわからん)が好きであります。

転調した後の夕暮れ時なムーディー加減がステキです。

11. The Eleventh Hour
インストを2曲に分割したのはおそらくこの曲を11曲目におきたかったからではないでしょーか。ストリングスをリフのバックに使うのはなかなかいいんだけど、インストが2曲続いてムーディーなブルーズ、さらにこのスローチューンが来るとダレダレダレまくり。ソロパートでテンポアップするも時すでに遅し。

12.Heavy Heart
さらにスローチューン。しかもインスト。もう耐えられません!

今後も聞いていくだろうなーっつーのはDeath Dealer、Live To Fight、Priest Of The Unholy、時々Four HorsemenとMagic Cityの5曲かな。アルバムトータルとしては、EDGUYとは逆で、センスはあるがスキルがないもどかしさが満点であります(ところどころその両方の欠如を感じる曲もそろえております)。ただ、ドゥギー時代のATTACK!!や前作よりもアルバムとしての存在感はあるように思う。そこらへんはやっぱリッパーの功績もあるだろうし、イングヴェイが原子力潜水艦だ、と言いたくなる気持ちもわかる。

なんか今回のアルバムについての感想を色々読んで自分がマイノリティだなと感じたのは

1. 全然音が悪いと思わなかった。むしろベースを始めとしてなかなか迫力ある音じゃないか、と思っていた。
2. リッパーのヴォーカルの音が小さいとは思わなかった。
3. ギターソロが相変わらずつまらないとはまったく思わなかった。
4. ドラム結構好き。

というあたり。ていうかすでにアルバム聞く時に「いいか悪いか」を感じる感覚が消失している感じがします。どんなの来ても傑作って言っちゃいそう。

投稿者 trouble : 20:31 | コメント (146)

2008年11月24日

Chinese Democracy / GUNS N' ROSES

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Chinese Democracy / GUNS N' ROSES

ドクターペッパーがあんなこと言ったから出たのかも。

アクセルしかいないってのはもう皆知ってるし、例えば落ちぶれたとは言えメタリカに対しての「でもどっかで期待してる」ってのともまたちょっと違うスタンスでみんな待ってたんじゃねーかと思う。GUNSっつーよりアクセルのソロアルバムでしょ?みたいな。まあそれでもどんな内容でリリースされたとしても「永遠にリリースされない方が良かったアルバム」と評されるのは間違いないんだけど、とりあえずなんとなく聴き始めてみたら、あれ?いいじゃん。

そりゃAPPETITE FOR DESTRUCTIONのような「ロックでメタルでパンク」なアルバムなはずもなく、衝動性を感じる音楽ではない。アクセル・ローズという稀代のヴォーカリストの歌を映えさせるために徹底的に作りこまれたゴージャスなアルバムなのでその時点でアウトという人も多いと思うけれど、ソングライター、ヴォーカリストとしてのアクセル・ローズを見た場合にきちんと17年分の成長を感じさせるし、17年間かけたことがなんとなく納得できてしまうぐらいに曲が練りこまれてる。「曲がいい」ってのともまた違うんだよな。ライブで聴く限りは特に可もなく不可もなく、な感じの曲ばっかだったはずなのに、徹底的に練りこむことで全曲聴き応えがあるものに仕立てあげてしまった感じ。 カッコいいギターリフで引っ張る曲はないし、原型はどれもつまんねー曲だったんだろうな。

ただ、俺にとっては別にそれはネガティブなことではなく、純粋にすげーなあって感じることができた。装飾は凄いのに、過多にはなっていないというか。MAROON 5 meets KING FOR A DAYの頃のFAITH NO MOREみたいな雰囲気の曲もあれば90年代中期のなんだか古臭いインダストリアル風味の曲もあり、もちろん壮大なピアノバラードもある。色んな方向にとっちらかってるのにアクセル・ローズというソングライターの色が見事なまでにそれらをまとめあげてしまっているというか。で、バケットヘッドのシュレッドでさえも見事にそこに組み込まれて浮くことがない。うーむ。

10代の頃に受けたような衝撃なんてここには存在しないし、GUNSの名の下に出るアルバムに期待するものとはまた違うけれど、アクセルの才能を期待して聞く分には十分納得できるアルバムだと思う。

投稿者 trouble : 21:03 | コメント (161)

2008年11月19日

Tinnitus Sanctus / EDGUY

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Tinnitus Sanctus / EDGUY

Rocket Ride~Avantasia路線をそのまま継承した感じで相変わらず良く出来てはいるんだけど、痒いところに手が届かないもどかしさ満点。リフで引っ張る80年代メタルってのをやりたいのはわかるし、1,2曲目はそのリフもなかなかかっちょいいのに曲の中でそのリフのグルーヴを発展できないところがトビアスの限界か。ベースがブゥーンってうなってくれたらカッコいいのに。

この手のアンセムっぽいミドルテンポの曲に関してはスキルはあるけどセンスが足りないって感じちゃうんだよなあ。

とか悪態をつきつつも、後半はちょい持ち直す。TRIXTERのOne In A Millionをちろっと思い出す(のは多分俺だけ)9-2-9とSpeedhovenは、アリだと思います。特に後者は長ったらしいけどなかなかいい。素直にこういう路線にしぼった方が得意なことを活かせると思うんだけどな。

DragonflyのCallin' you, Callin' youっつーとこ聴くとStars聞きたくなるし、そっからBONFIREのSword And Stoneを聞きたくなります。こういうのやりたいんだろうね。

っつーことでダメじゃないけど惜しい、そういう印象のアルバムでした。HELLFIRE CLUBは良かったけどその後はAVANTASIAも含めてそういう中途半端なアルバムばっか。

投稿者 trouble : 20:22 | コメント (194)

2008年11月16日

もっこりぱっく

NICKELBACKの新譜がいいす。なんか今までになく軽薄なナンパ路線の前半が盛り上がる。なにこのノリノリ感。こんな(いい意味で)バカっぽいバンドだったっけ。

っつーかすっげーいいんだけど確かに元々のファンには「マット・ランジの色出すぎ」って嫌がられてもしょうがないかもなあ。

2002年のショウケースっぽい小さなショウ(リキッドルームだったっけ)は本当に素晴らしいライブだったんだけど、それ以来まったく来日の気配すらない。詳しい人に聞いたら日本盤があまり売れないことと、ギャラが高すぎることが原因らしい。そりゃそうか。んーでもフェスとかでいいから来てくれないかなあ。

投稿者 trouble : 20:18 | コメント (183)

2008年11月15日

ANDY YORKE

RADIOHEADのトムの弟、ANDY YORKEが12月に来日してライブをやるらしい。

この人が昔やってたUNBELIEVABLE TRUTHと言うバンドはイギリス北部を想起させるような寒さと美しさが印象的で大好きなバンドでした。RADIOHEADより好きだったかもしれん。

土曜日の19時ってことで開演に間に合うか微妙だけど、行きたい!

投稿者 trouble : 20:11 | コメント (159)

2008年11月12日

ULI JON ROTH at 中野サンプラザ

二日連続ウリ・ジョン・ロートのライブに行ってきました。

11日は直前にチケ買ったのに9列目。真後ろには病み上がりヴォーカルと厚底眉ナシ女(有吉的表現)のカップルが。

で、中通路を挟んだ1階後方は、暴れる客の安全性を考慮してか非常に広いスペースがあけてありました。要はガラガラってことです。1Fの半分も埋まってなかった感じ?

そんな中テンション低めでスタートしたライブは、演奏は素晴らしかったけどもとにかく眠くて。内容以前に2時間しか寝てないもんで襲ってくる睡魔と格闘することで精一杯でよく覚えてない。とらいえずソロタイムは寝てました。

俺はウリが在籍してた頃のスコピーってほとんど知らないんだけど(We'll The Burn SkyとSails Of Charonはイングヴェイがやってたのを聴いた。あとIn Tranceは知ってた)、なんか能天気な曲いっぱいやってたな。マーティはプレイはともかく空回ってたので途中でウリに「おめーうぜーよ」と耳打ちされて大人しくなってました。

二日目はそこそこの体調で観たので楽しめた。Fire Windは嬉しかったけど、Starlightが曲目には入ってたのをおっクンニから聴いてたのでそれがなかったのが残念。

マーク・ボールズはどんどんありがたみが無くなっていくけど歌はさすがだし、SAHARAの人も良かったなあ。んでもってその二人のさらに上を余裕でハモる謎のギタリスト。あいつは何者なんだろう。それにしても3人ともみんな声が似てる。でもなぜか一番声が男っぽいのはリズ。アルバムだとリズとマークどっちが歌ってるかわかんねーんだよな。メロディーはウリ節満点だし低音パートだとウリが歌っててもわかんないかもしれん。そういえば、ウリの歌が結構上手かった。節回しと声が変だから好きにはなれんけど。

演奏のテンションは初日と全然違ったな。二日目の方が断然良かった。こったんも言ってたけど新作からの曲が意外と良かった。Land Of DawnにStairway To Heavenが挿入されてるのはネタなんだろうか。あとDark Ladyとか言っておきながら明るい曲ってのはどうなんだ。

リズム隊のソロがカットされたからか昨日より随分早くやること終わってしまって時間が余ったからブルーズとジミヘンでごまかしましたみたいな終わり方でなんか変だった。

二日目のマーティは最初英語でしゃべってたんだけど、ウリから「日本語で話せ」と言われて日本語に切り替えてました。

客の入りは1階は7割ぐらい埋まってた?「昨日来てくれた人もいるよね、ほんの少しだけだろうけど」とか言ってました。

投稿者 trouble : 23:04 | コメント (181)

2008年11月10日

Perpetual Flame / YNGWIE MALMSTEEN その2

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Perpetual Flame / YNGWIE MALMSTEEN

■ようやく新作PERPETUAL FLAMEについて、の作文
イングヴェイの秘密主義によって焦らしに焦らされた結果リリースされた新作。ジャケットからして期待通り。これを買うのが恥ずかしいとか言うやつは、まず鏡を見ろ。そしてそのツラで表を歩いている自分こそを恥じるべきだ。いやーほんと実際恥ずかしいジャケ。だからこそイングヴェイであり、だからこそいい(さらに繰り返されるイングヴェイファンの屈折自己肯定)。

何はともあれリッパーが加入したことがもっとも大きなトピック。ATTACK!!を除けばALCHEMY以降ヘヴィ志向を強めていたイングヴェイだが、マーク・ボールズ、ドゥギー・ホワイトともにその路線に合っていたとは言えない。イングヴェイもインタビューで「極端さ」をアピールし、新作はヘヴィでアグレッシヴであることを強調していたし(まあこれは毎回そうだが)、ようやくイングヴェイの志向に合ったヴォーカリストが加入してのヘヴィ志向ということで、かなり期待していた。

そしてもう1点今回大きく注目していたのがミキサーとしてROY Z.を起用したこと。ROB ROCKのアルバム等で現代的なヘヴィネスも取り入れた音作りをしていたので、それをイングヴェイのアルバムでもうまく取り入れてくれたらすげーカッコよくなるんじゃない!?と一人興奮しておりました。

が。当初7月発売予定とインフォメーションされたのに、いつまで経っても発売日が確定しない。ロイ・Zによってミックスされたカッコいい音質のアルバムを、イングヴェイが聞いて「なんだこりゃダメだ!」とまた自分でやり直してるせいで発売が遅れている、なんつーネタが冗談に感じないのがイングヴェイなので、不安は募るばかりでした。

まあ実際は身内で固めたマネージメントが日本を軽視してるからか情報が入ってこなかったってだけで、イングヴェイからしてみたら最初から10月発売の予定だったらしい。

まあ事情はともかく焦らしに焦らされて期待と不安が今までになく膨らんでいた今回のアルバムであったわけですが、もちろんやっぱりイングヴェイ全開で、今までと大きく変わったところはなし。ただ、リッパー加入は俺はアリだと思う。やっぱイントロでさ、「イャーーーー!!」ってシャウト入ると燃えるじゃないすか。それがあるだけで、ドゥギーよりリッパーでよかった、と思う。オープニングを飾るDeath Dealerはシャウトのインパクトがあってテンションが上がる曲だ。最近のアルバムからはなかなかライブの定番として生き残る曲が少ないが、この曲は今後もセットリストに残って欲しいって思えるカッコいい曲だ。サビの後niリッパーが低音で唸る”Death dealer is on the hunt!"がカッコいい。そういやWAR TO END ALL WARSのジャケってDeath Dealerっつータイトルだったよね。

リッパーの歌のスタイルってイングヴェイのメロを歌うのにはフィットしないかな、というのも実際感じるところで、すでに出回っているリッパー加入後のライブ音源を聴く限り過去の曲とリッパーの相性はあまり良くない。そういう意味ではかなり不安も大きかったんだけどこの曲の唸るパートのように、今のイングヴェイの志向とリッパーの(歌唱ではなく)攻撃的な声質は合ってると思う。シャウトがさらなる攻撃性を音楽に加えるのはもちろん、彼の中・低音域は非常に邪悪な雰囲気があるので、Live To Fight (Another Day)のようなドロップDチューニングのヘヴィな楽曲はリッパーだからこその魅力が出ていると思う。まあ全部が全部リッパー最高ってわけじゃなくてところどころ「やっぱあんま合ってないな」ってとこもあったりするんだけど、まあ俺はこれはこれでアリ。

ROY Z.効果はあまりないようだけど今回は低音、特にベースの音が硬質でカッコいい。これは今までのイングヴェイの作品にはあまりない質感で嬉しいところです。

ギタープレイについてはコンチェルトを境にまた一段階アップしたなと思ってたんだけど、今回もさすが。ただのピロピロではないと思う。Damnation Gameのソロ前半のように「圧倒しよう」というだけでなく「聴かせよう」というタッチが感じられたりするし、Priest Of The Unholyのエンディングはまさに圧巻。例によって「フンガー、ムハァ」、とフランケン&毒息全開のイングヴェイヴォーカルが聴ける(そして嬉しくない)Magic Cityでの泣き全開のプレイと並んでいつまでも聞いていたい素晴らしいギタープレイです。Magic Cityは後半の転調が新鮮。

Caprici Di Diablo~Lamentで使われてる6弦スウィープに関しては技術的には凄いのかもしれんが聴感的には特に印象に残らず。Disciples Of Hellの決めフレーズみたいだなって思ったぐらい。でも今回は全体的にソロパートのコード進行が多少練られていたり、バックの演奏にちょっとしたオカズが入ってたりもしてソロパートについては好印象。

っつーことで俺が書くと好き好き全開になってしまうんだけど、スローテンポな曲が続く後半の流れはちょっとキツい。あと、Death Dealer以外のスピードチューン2曲がどちらも悪くはないけどすごいいいってほどでもないっつー感じなので、そのあたりがこのアルバムの印象をちょっと物足りなくさせてるかもしれん。今回のアルバムはアタマ4曲のファスト→ノリのいい曲→ヘヴィ→ポップって並びがMAGNUM OPUSに似てなかなかいい並びだなんだけど、それこそ後半にFire In The Sky級のインパクトある曲がないので前半のテンションと後半のテンションにかなり差が出ちゃってる。ポップなRed Devilもフェラーリかっとばすぜ!な曲の割りになんかモッタリしてて間抜けな感じがするし、もう少し魅力的な歌メロにならんかったのかなーとか思ってしまう。

まあでもそのRed Devilがいいアクセントになってるのも確かだし、前半は聞き応えがある。後半もMagic Cityみたいな聴きどころもあるし今回はギタープレイの冴えっぷりもあって、キャリアの中でもそこそこ存在感があるアルバムになってると思います。

投稿者 trouble : 00:38 | コメント (318)

Perpetual Flame / YNGWIE MALMSTEEN その1

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Perpetual Flame / YNGWIE MALMSTEEN

書いてたら長文になりすぎたので分割しました。まず前半。

■今のイングヴェイを好きな自分をムリヤリ肯定する作文
90年代中盤以降の正統派とかメロディック・パワーメタル、そして所謂メロハーというのは、言ってしまえばデータベース化された要素を組み合わせての同人誌みたいなもんである。メロハーはJOURNEYの同人誌だし、欧州のメロディックパワーメタルの多くはHELLOWEENとSTRATOVARIUSの同人誌である。

「美旋律」「哀愁」「疾走感」「ドラマ性」そのどれもがいまや新しく生み出されるというよりは先人たちが築き上げたデータベースの中から検索され、組み合わせの妙を楽しむというのがメロハー、もしくはメロスピである。

で、こういう流れはメロハーなら80年代中期以降、メロスピならHELLOWEENのTIME OF THE OATHあたりから顕著になってきたような気がする。もちろんメロハーやメロスピだけの問題じゃなくて、最近だと「やりたいことをやった」のではなく、明らかに過去の自分たちの音楽を分析してデータベース化し、そこから必要な要素を組み立てて作った感アリアリのMETALLICAの新作もわかりやすい例だと思う。このへんの是非を問うつもりはないし、そもそも俺もそういう東浩紀言うところのシミュラークル的な作品を普段から愛聴しているのは言うまでも無い。

で、イングヴェイだ。

彼がひたすら同じような音楽をひたすらやっている思っている人は多いだろうし、実際フレーズの使いまわしはかなり多い。そういう意味では「データベースを活用しての自己パロディーばっか」だと思う人も多いのではないだろうか。しかし、俺が思うに毎回同じようなことをやっているようでありながら実はシミュラークルになりえていないのがイングヴェイの凄い(そして悲しく切ない)ところだと思う。

イングヴェイの築き上げたネオクラシカルメタルというジャンルの音楽はどちらかというと要素に分解しやすい、言い換えればデータベース化されやすい音楽性だ。だからこそファンの期待するものはかなり具体的になるし、ある意味そのデータベースに対して意識的になれば、簡単に(というと語弊はあるかもしれないが)ファンの求める要素を組み合わせての高機能なシミュラークルになり得るはずなのである。NATIONとかMAJESTICとか。

しかしながら、その大元イングヴェイの音楽性というのは、実はその「こてこてネオクラシカル」とはややズレている。彼本人の音楽志向は「もっとヘヴィに!」であり、ファンが期待する「クラシカルで美旋律志向」ではない。北欧キラキラ路線の傑作ECLIPSEの時でさえFaultlineを人に聞かせて「どうだ!ヘヴィメタルしてるだろ!」と威張っちゃうぐらいなのである。彼のそういう下品にロックでありたいヘヴィ志向はいまだにECLIPSE以前の音楽性を求める多くのファンの志向とは大きくズレている。欧米では再評価されていると言われているが、彼の存在のLEGENDARYっぷりが評価されてるのであって、彼の最近の作品が評価されているわけではない。

まあ問題なのは志向の問題だけじゃない。ヘヴィ志向はそれはそれでいいんだけど、この人それを具現化するだけのスキルがないのである。だからWAR TO END ALL WARSのようにやりたいことはいいのに音質で失敗してみたり、ATTACK!!みたいな中途半端な作品を作ったりしちゃうのだ。UNLEASHE THE FURYはそういう意味ではここで書いたように痛快な作品ではあったが、ヴォーカリストのチョイスを間違えた感は否めない。

彼の使いまわしは「陥っている」だけであって「データベースの活用」とはやや違う。彼はいつも同じようなことをやっている印象があるにも関わらず、彼はファンの求めるものとか市場にウけるもの、自分の音楽のおいしいところ、ってのをデータベースから引っ張り出してきて作品を作ってるわけではない。飽くまでそのとき湧き上がってきた衝動を音楽にしているだけなのだ。前に使ったかどうかとか考えてないから似たフレーズが出てきてるだけなのだ。それを才能の枯渇と言ってしまえばそれまでなのだが、その計算の無さ、衝動性に委ねた創作スタイルがあるこそ「シミュラークルとして機能しきれない微妙に外れた作品」を出し続けることになるし、痒いところになかなか手が届かないもどかしさを感じるアーティストである。

青臭いことを承知で書かせてもらうが、俺がスリルを感じることが出来る音楽というのはデータベースを活用してる部分とその衝動によって作られた部分の比が後者に傾いている音楽である。言い換えれば「機能性を追及するシミュラークル」も大好きだが、強い思い入れを持てるのは「大きな物語幻想を感じさせてくれる作品」なのである。音楽から感じ取れる強い衝動性は俺にとって大きな物語へのアクセスするために必要不可欠なものだ。そしてイングヴェイの存在、作品には質は伴っていなくとも今でも強くそれがあるし、だから今でも冷めることなく彼の音楽を好きでいられるんだと思う。

ってのはね。本当にイングヴェイがそうかってことが問題ではなくて、単に俺が「イングヴェイを好きな自分を肯定したい」ってことだけなんすよね。この文章は多分来週読み返したらグッっと恥ずかしい文章なんだろうな!来週の俺、頑張れ。

まあ「だから新作のPERPETUAL FLAMEもそういうのが感じられる素晴らしい作品だし、大好きだよ」ということなんですけど、それだけで終わるのも悔しいのでアルバム聞きながらまた続き書きます。(続く)

投稿者 trouble : 00:18 | コメント (248)