2005年08月17日

ブックバトン

ブックバトンだってさ。人に教えるほど立派なもの読んでないや。わかりやすいのは好きだけど、ストーリーが面白いだけ、みたいのはあんま好きじゃない。

(1)持っている本の冊数
わかんねー。東京出てくるときは一冊も持ってこなくてそっから買った本とか雑誌はトイレの本棚に詰め込んであります。家のトイレは広いです。書斎になるぐらい。家の床面積の4分の1はトイレです。長時間の電車通勤するようになってから買う本がすげー増えた。っつってもそんなないけど。

(2)今読みかけの本 or 読もうと思っている本
★文藝春秋に載ってる今年の芥川賞受賞作品「土の中の子ども」
あんまおもろくない。本編より講評のほうがまだおもろいかもしんない。

(3)最後に買った本(既読、未読問わず)
★ぶんげーすんずー

(4)特別な思い入れのある本、心に残っている本5冊まで
★もっと、なにかが・・・ / 絵と文:トリーナ・パウルス 訳:片山厚・宮沢邦子
小学校3年生か4年生ぐらいのときに読んだ絵本です。絵本つっても140ページ以上あったんだけど。今は原本(?)が絶版になっていて、タイトル違いで訳者も装丁も変わったヴァージョンが出ています。この新ヴァージョンがすげーダメなの。昔のやつは字は手書きで、活字で読むのと全然ニュアンスが違う。訳自体も、というか訳された文章も元のヴァージョンのほうがはるかにいいと思う。なんで訳者を変えて活字にしちゃったんだろ。ということで東京に出てきたばっかりのときに、ムキになって手書きヴァージョンのを探し回って買いました。

内容は、シマくんとキーちゃんというイモ虫2匹の主人公(それぞれシマシマと黄色っつー超クリスチャンメタルタイプ)で、人の幸せが必ずしも自分にとっての幸せではないとか、競争社会の中で見失いがちな幸せがあるんじゃないか、みたいなことがシマくんの成長過程の中で描かれているといった感じ。ストーリー自体はすごくわかりやすいものだけれど、説教臭くなったりしないし過程での描写とかがすごくいいというか、好きでした。今でもときどき読み返します。ぐっとくる。

古本屋でめっけたら是非読んで欲しいです。amazonでもあったんだけど、たけー!

★世界の終わりとハードボイルドワンダーランド / 村上春樹
「好きです」というにはどうにも抵抗がある村上春樹。いや全部読んでるから好きなんだろうけどさー、どうも主人公の人間性だとかライフスタイルからあふれでる春樹のナルシズムみたいのが時折ムカついたりする。「相手に何かを押し付けるようなことはよくない。君がそうしたいならそうすればいい。」みたいなスタイルなんだけど、「でも、僕はこういうのがカッコイイと思ってますよ、こういうスタイルがいいんですよ」っていう主張はすげー強いんだよな。そこがイヤ。

ただ、比喩の雰囲気だとかどこか諦観の雰囲気だとか、文章はすごい好きです。他に好きなのはダンスダンスダンスかなあ。ノルウェーも好きだけど。永沢さんを目指すぜ。

★沈黙 / 遠藤周作
「深い河」でも「私が棄てた女」でもいいんだけど。とにかく周作は好きです。好きですというか、尊敬、って感じ。高校んときに付き合ってた子から薦められて読んでハマった(恥ずかしいきっかけ)。信仰をテーマにしながらも押し付けがましくないし、その信仰ということ自体への疑問と苦しみみたいのがすごく重く伝わってくる。

どの作品もきれい事で終わらせずにこちら側にもいろんなことを感じさせてくれるて、考えさせてくれる。重いからあんま気軽に読めないけど。

★ブラック・ジャック
ヒューマニズムとアナーキーさが混在してるところが好きです。手塚治虫はシリアスな展開の中にこの一瞬のアナーキズムというかナンセンスなネタを差し挟む間の取り方が天才的だと思う。

★コインロッカー・ベイビーズ / 村上龍
村上龍のはこれだけ好き。過剰に生々しいところは好き嫌い分かれそうだけど、俺は好き。この本は大学にいたころ読んで、おおーロックだなあ、と思った。こないだ久しぶりに読んだらハシのバンドのとこでなんとなくマリリン・マンソンを思い出した。

(5)バトンを回す5人
タッキー

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2004年11月13日

プルートゥ

pluto.jpg

あんま浦沢直樹には興味がなかったんだけど、鉄腕アトムの地上最大のロボット編のリメイク、ということでずっと気になってたんですよね。アトムってイメージ的には「明るく優しい人間の友だち!」って感じだけど、コミックで読んでみると話の内容そのものはかなりダークで悲しいストーリーが多い。この地上最大のロボット編も単に悪玉ロボット善玉ロボットの両者の対決じゃなくて悪玉であるプルートゥはめっちゃ人間臭く悲しい運命を背負わされていて、善玉ロボットであるエプシロンが悲惨な最期を遂げたりと初めて読んだ幼稚園児のころには自分の中で処理しきれない感情に襲われたのを覚えています(「光・・・光・・・ひかり・・・」のコマがめっちゃくちゃショッキングだった)。ただ、今読み返してみると意外とあっさりと話が進んでいくというか確かに根底にあるテーマはダークなんだけどそれに気づかせない軽妙なテンポなんだよね。30歳になった今これを読んでもあまり心には残らなかったかもしれない。

で、この浦沢PLUTOなんですが、カヴァーというよりもインスピレーションって感じでテーマは同じながらもその表現方法を大きく変えてきていて読み応えありまくり。ゲジヒトを主人公にするという着眼点だけでなく、俺が子どもの頃に読んだとき感じた「ロボット達の悲哀」みたいのを過剰なまでに表に出してきていて読んでてすごく心が揺れる。展開がどうなっているかわかるだけにその過程を読んでいる間余計に痛みを強く感じるんだよな。特にノース2号のエピソードは最後彼がどうなるかはもうわかっているだけに、その間の展開が切なくて。

オリジナルどおりであればエピソードとして掘り下げられるべきロボットは7体、ゲジヒトを除けば6体のロボットのエピソードが描かれていくことになるのかな。第一巻ではモンブラン、ノース2号、ブランドのエピソードが描かれているけれど、それぞれ同じ形式で彼らがどのような生活背景を持っていたのかを描くんじゃなくてゲジヒトと絡みながらミステリーのストーリーの中で彼らがどのような存在だったかを感情移入できるように描いたり、ノース2号の話のように独立したストーリーとして読ませたりと一本調子で話が進んでいくわけではないところもすごい。

って俺あんまマンガ読まないから他の作品と比較してどうのとは言えないんだけど、オリジナル思い入れを持っていてもさらにその思い入れを上回るインパクトを与えてくれる作品だと思う。続きを早く読みたくて仕方ないです。あ、ガンダム THE ORIGINもね。


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