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2007年08月15日

SUMMER SONIC '07 二日目

二日目こそ頑張って早起きしてMADINA LAKEから観るぞー、と気合を入れて布団に入ったら気合を入れすぎたのか眠れなくて、結局11時ぐらいにもぞもぞ起きて会場に着いたのは13時過ぎでした。

THE POLYPHONIC SPREE
オープニング3曲だけ。20人を超えるメンバーによる有無を言わせぬ物量作戦でアゲアゲな祝祭ムードを無理やり作り上げるその暴力性は健在で、思わず前の方にまで行ってしまった。けど3曲聴いたとこで早くも飽きが来て退散。なんか後半でNIRVANAのLithiumやったらしいけど一体どんな感じになってたんだろう。聴きたかった。

ENTER SHIKARI
アルバムだとやってることはおもろいんだけどなんだかなあ、と言う雰囲気だったけどライブは評判がいいので観てみました。

DVDで観たときの印象よりも演奏はしっかりしてて(ギターが聞こえないけど)一瞬おお、カッコいいかも、と思ったんだけどCDで聴く以上にメタルコアとしてもレイヴミュージックとしても機能しきれない、中途半端な楽曲にどうにもこうにもグッタリ。ビデオクリップになってる2曲も盛り上がってくれそうで盛り上がってくれない中途半端さがどうにももどかしい。でも「フェス=暴れちゃえ!」みたいな、まっとうな若者たちは盛り上がっております。

HINDER
NICKELBACK好きな人は気に入るかも、みたいな文章をどっかで観たのでのぞいてみたんですけど、確かにメインストリームのヘヴィロックっぽさがありながらも意外にグラムというかバッドボーイズロックンロールっぽくもあったりなバンドでした。ヴォーカルの声質のせいかなんとなくFASTER PUSSYCATを思い出してしまった。

でもなんか苦手。演奏はさすがにまとまってたけど途中で飽きちゃった。なんかそういうのばっかだな。フェスって「飽きたら他行ける」っていうユルい状況だけに集中力がもたないんだよな。

MANIC STREET PREACHERS
ここでようやく、というか唯一本気で観たいと思っていたバンド。さすがに4時半になりゃ暑さも平気かと思ったんだけどやっぱマリンの暑さは過酷。つーかマリンに行くまでにもうライブ観るのあきらめてメッセにもどりたくなる。でもなんとか頑張って到着して、前に。

いや貫禄だわ。1曲目からYou Love UsかますしStay BeautifulまでやってくれちゃうしLittle Baby Nothing聴けたしもう最高。Ocean Sprayも嬉しかったな。もちろんEverything Must GoやDesign For A Life、Motorcycle Emptinessと言った定番曲のもたらす感動も大きい。ジェームズの歌とギターが素晴らしいのは言うまでもないんだけど、昔は一本調子に聞こえたショーンのドラムがシャープさとキレを感じるようになった。こんな気持ちいいドラムだったっけ。ニッキーは観にスカートで非常にキモかったです。

Nobody Loves You聴いてみたいとかSuicide Is PainlessとかThe Everlastingとかまだまだ贅沢は言えるけれども60分のライブならこれで十分。もう大満足。むしろこれで帰りたい。他どうでもいい。そんぐらい燃えた。

KASABIAN
メッセに帰る気力もなく、あとLive Earthでのライブがすげーカッコよかったもんだからマリンに残ってみてみた。まだアルバム2枚しか出してないのにやけに大物ムードたっぷり。Live Earthんときの印象と変わらない存在感。でもな、なんか曲がかったるいのな。全編Club Footなノリを期待しちゃいけないのはわかってんだけどさ、ファンと言えるほど彼らに思い入れがない俺としてはラスト3曲だけで良かった。

で、ここでもう退散。MANICSの素晴らしさだけで元取った気になっちゃったので電車が込まないうちにすいすい帰ってきちゃいました。

投稿者 trouble : 04:22 | コメント (2)

2007年08月13日

SUMMER SONIC '07 初日

オッサンの思い出話をしてもいいですか。

若い頃ってさ、ライブそのものが凄いイベントでさ、それこそ大好きなバンドしかライブに行かないし、行くとなったらそれこそ「予習」までして備えちゃってさ、行ったら行ったでもう演奏のいい悪いとか関係なく、その場をすべて肯定的に捉えて、楽しんでって感じだったじゃん?

しかもさ、前座がつくなんてなったら「2つもバンドが観れるなんて超ラッキー!嬉しい!そのバンドのことも知りたい!」ぐらいに感じてたわけじゃん。それがいつの間にか「うえー、前座かよ。めんどくせー」とかのうのうと言うようになった上にフェス乱立の昨今では「40分以上集中力もたねーよ、ライブはコンパクトにまとめろよ」とか思うようにまでなったりして。好きじゃないバンドは2,3曲観ただけで「ハイハイワロスワロス」的な感想で適当にバンドを知った気になってみたりしてさ。いつからそんなに音楽に対して、アーティストやライブに対してシニカリズムと義務感で接するようになってしまったんでしょう。大人になるってそういうこと!?違うよね!!僕は大人になってからでも一つ一つのアーティスト、そしてそのライブとは真剣に対峙したいし、楽しみたいんだ!!

で、8月11日。サマソニ?あー、チケット取ったけど行くのチョーめんどくせー。あちーし。別に好きなバンド出ねーし。幕張遠いよーマジかったりー。

そんな僕のサマソニ日記。

幕張到着は13時過ぎ。これでも良く頑張った方だと思います。昔はすげー早く行ってたんだよなあ。SKRAPEとかSEO TAIJIとか観るために。あのときの情熱を、僕はどこに置いてきてしまったんだろう。そんなもん無いほうがいいような気もしないでもないですが。で、海浜幕張駅を降りて、マリンスタジアムへ。なんだこの天気。アホか。あちいよ。死ねよ。すれ違う浮かれポンチども、全員マダニにチンコを刺されてしまえ。硬くておっきくなるよ。うわあ俺が刺されたい。そんな悪態を吐きながらリストバンドを交換。遅いと空いてていいね。

■EDITORS
ラスト15分ぐらい観たと思うんだけど、マリンの暑さというか熱さ(ビニールシートの)のせいでまったく思い出せません。人死ぬんじゃねーかこれ、っつー熱さ。多分生卵割って落としたらビニールシートで目玉焼き作れる。

■B'Z
ヘンに斜に構えて「思わず観ちゃいました、B'Z(笑)。これが楽しいんですよ(笑)」とか(笑)をつけないと落ち着かない照れ屋さんが多そうですが、結構みんな素で楽しみにしてたっぽい。

いやでも単純にノリがいいヒット曲っていくらお高尚なお文系おロックよりはるかに威力があるわけで。だからこういう場でのB'Zって飛び道具的な殺傷力があると思うんです。

とすげー楽しみにしてたんだけど、ライブ観て気づいたこと。

「知らない曲も多い」

でもそうだよなー。いくら派手に活動してようと自分に興味のない領域で活動してたらヒットしててもわかんねーもんな・・・昔の曲全然やんねーな・・・Bad CommunicationとかLove Phantomとか聴きたかったなあ・・・と言うどうしようもないほどに自分のオッサン度を痛感。

演奏も歌もさすがでした。ドラムはおなじみのシェーン・ガラース。この人日本住んでるの?イングヴェイの95年武道館で観たときは衝撃的に酷いプレイでインパクトを与えてくれましたけど、いつの間にか職人的存在よね(95年のイングヴェイ欧州ツアーんときとかは素晴らしいドラムだったりするので日本だけダメだったってことか)。

■GOO GOO DOLLS
パンク時代がどーのとかそういう思い入れはまったくなくて、哀愁のアメリカンロック、ってことだけで好きなGOO GOO DOLLS。僕ちんミーハーだからDizzy Up The Girlが好き。

B'Zが終わって順調に人が少なくなったので前の方にすすすいと行く。前に行ったほうが後ろでダラダラ見てるより幾分涼しいな。

ヴォーカルの人はメロを追うことに淡白なのか単語を吐き出すだけでメロをきちんと歌ってくれなくてちょっと凹んだ。

んでもってNameんときにトラブル発生。ヴォーカルマイク以外が完全にオフになり、アコースティックの弾き語りとかそういうレベルじゃなくてフツーにアカペラになってしまってやんの。これも凹んだ。凹みやすい繊細な32歳。

でもライブ全体としてはサポートメンバーもいて音の厚味は十分だし演奏もしっかりしてたし聞きたい曲も聞けたしで満足。楽しかった。Long Way Downのギターの「ダッダッダー」の昭和っぽさに胸キュンでした。Irisはやらないかと思ってたけど本編ラストに。サビで思いっきり歌ってたらアタマがクラクラした。こんなところに暑さの影響が。

今日聞いて実感したけど、彼らの曲ってホントどれも煮え切らないっつーかサビでスコーンと抜けてくれなくて、そのもどかしさが微妙な味わいを出してていいのよね。これでスコーンと抜けてしまうとBON JOVIになってしまいそうな気がするし。

■木村カエラ
みんな大好き木村カエラ。キャラと声が大好きって人が多いんだろうけど、その魅力がミュージシャンにアピールしてるもんだから色んなインディーとメジャーのハザマぐらいにいるおいしい人たちを引き寄せて、その結果オタクっぽいリスナーにもアピールする作品が出来ちゃって・・・って感じなんでしょーね。

toeのドラマーを中心にしたバックバンドは(とか書いちゃうとこがまた痛い)さすがの演奏だったしカエラもミニスカで頑張っててかわいかったんですけど、好きな曲を全然やってくれなくて寂しかったです。Snowdomeとワニと小鳥とScratchとDolphinを聴きたかったです。

■GWEN STEFANI
開演前に38歳だってMCの人に暴露されてしまったグウェンたん。38かあ。すげえなあ。

ダンサーをとビッグバンドを引き連れてのショウを観て痛感したことは、「ポップがいい」ということ。マイミクのカズノリータが「ロックなんてクソっすよ、ポップっすよ」と酔っ払ってクダ巻いてましたけど、それを痛感。

ロックってどうしても批評性が伴ってしまうというか、肉体に訴えかけてくるものだろうとウジウジしたアタマで聴くようなもんだろうとそれが伴うからこそロック足りえてるとこってあると思うんだけど、このグウェンのショウみたいに「エンターテイメントに特化したポップミュージックでございます。それ以上でもそれ以下でもないですが、なにか?」っつーアピールに対してはそういうロック的価値観を基準に音楽と接しやすい俺みたいな偏った人間はとことん弱い。「ああ、これでいいんだよねー、たのしー」と力なく飲み込まれるだけというか、ともかくそういうポップミュージックの力ってのは凄まじいよな。

もちろんポップに批評性は存在しえないとかそういうつもりじゃなくてさ。いやこれはポップがどうのというよりはエンターテイメントに特化した表現のパワーについて、ってことか。

「俺ってロックが好きだぜ」とかアタマで考えて肩肘張っちゃってる人には結構この感覚わかってもらえるんじゃねーかと思うんですけど。ときどきそういうロック的批評性と関係ないところから提供されるエンターテイメントに接するとこういうことを考えちゃったりするんです。まあいくら才能と予算とアイディアに裏打ちされまくったエンターテイメントショウであっても太刀打ちできないロックの魅力ってのも俺には確実に感じることができるんだけど、ロックロック言ってるとときどきそういうのってマヒしちゃうじゃん。そういうときってこういうの楽しいのよね。 え、んじゃそれって単に普段接しない形態のエンターテイメントだから楽しめる閾値も低いってそんだけのことなのかしら。やべーそうかも。まあどっちにしても楽しけりゃいいか。

なんとなくそんなことを考えながら観ていました。 暑さでアタマをやられたんだな、きっと。

東洋人女性ダンサーは皆ビミョーな違和感をかもし出してて良かったです。オキナワ出身だからって「日本語で何か言って」っていうフリに「ハイサーイ!」はねーだろ。他の日本語も妙に片言だし。

■AVRIL LAVIGNE
こちらもダンサー従えてのパフォーマンス。ギター持ってステージ中央で無愛想に歌ってたあのイメージはどこへやら。ミニスカで振り付けもフォーメーションもバッチリ、身のこなしもグウェンとこで書いたようなエンターテイメント性を基準に考えられたヌカリないものばかりで、そのイメージの豹変ぶりにビックリ。「ポップクィーンとして生きることにしましたが、なにか?」という開き直りがすがすがしい。歌まで随分うまくなっちゃってるし。衣装替えのつなぎもバンドが頑張るし。

でも、グウェンの後にこれ観るとちょっとかぶってるとこもあってか飽きちゃいました。飽きたっつーのはアヴリルにじゃねーな、ここでライブ観ることに、だな。

■TRAVIS
急いでマリンに移動してTRAVIS。SUGAR RAYとBLACK EYED PEASも観たかった。

前回サマソニに出たときってちょうど当時の新譜発表前で、その新譜からの曲だよ、って繰り出される曲がどれもつまらなくて呆然とした、っつー思い出しかないんですけど今回のアルバムは結構いいので楽しみにしてました。

ロッキーのテーマに乗ってPAんとこからメンバーが入場し、それだけで大盛り上がり。そんな勇ましい登場なのに全部ユルくて優しい曲ばっかってとこが笑える。もう名曲代表曲連発しっぱなし、カタルシスの嵐のライブで歌いまくりでした。しばらくTRAVISとかどうでも良くなってたんだけどちょっとTRAVIS熱再発。

でもアンコールになると「電車が込む前に帰らなきゃ」っつー焦りばかりが募ってしまったりするのがサマソニのいいところ。

三鷹に帰ってココイチでカレー食べて帰りました。

投稿者 trouble : 16:22 | コメント (0)