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2007年07月29日

FUJI ROCK FESTIVAL 2007 3日目

ようやくちょっと曇り空な朝。身体の疲労もたまってきたのかなかなか朝がキツいです。

SOIL&PIMP SESSIONS
ラスト1曲だけ観れました。そりゃー盛り上がるよなこういうの。

FERMIN MUGURUZA
バスク語で歌われるスカ?パンク?みたいな感じでこれもまたこういうとこで盛り上がるタイプ。FISHBONEがキャンセル(これも超凹んだ)した代わりにオレンジコートのトリも務めたらしいけどそっちは警備員もあんまいないしで大変な大騒ぎになったらしい。

ザ・キングトーンズ with Jimmy And The Vivids
普段はこんなの聴かないけど、フジだとなんかすごく素直に楽しめるの!みたいな人たちを観に今年初のFIELD OF HEAVENへ。着くとSave The Last Dance For Meがマッタリと歌われております。そしてすご-く優しいユルーいムードが。リーダーの内田さんはかなり身体の調子が悪いらしく、もうスターウォーズのエピソード4ぐらいのヨーダ程度にしか動かないんですけど話す言葉の一つ一つがなんつーか年配の人ならではのビミョーなおかしみがあふれてて歌よりもトークによって場内があったまっていく感じ。

歌はもうやっぱそれなりというか音程も怪しかったりするんだけど「こういうのも楽しめてこそフジ」的な場内の強制的なムードにみんな支配されているので盛り上がる。いや僕はそんな中には入ってないよ!キングトーンズのフリとかを真似して楽しんでたりしないよ!

toe
途中でMIKAに行こうと思ったけど素晴らしかったのでそのまま完観。ドラムを軸に時折激しく、時折ダビーな雰囲気も交えながらの演奏なんだけど、意外と野外に合うのな。すげー気持ちよかったです。te.も名前も音楽性も結構近いけど、こっちのほうが大人な雰囲気というか。

ただ、やっぱ日本のバンドってMCになると途端に痛くなっちゃうんだよな。なんだかもう日本のバンドってのはそういうもんだ、って構えを持ってねーとイカンのだろうな。

JONAH MATRANGA
FARとかONELINEDRAWINGのジョナーさんがひっそりとAVALONステージに。プログラムにも載ってねーしあやうく見逃すところでした。

アコギ一本で、時にはiPodに入れてきたカラオケをバックに切々とエモーいメロを歌いまくり。やっぱ反則技な声してるね、この人。AVALONステージってことでみんな座って聴いてるんだけど、いや沁みますわ。FARのMother Maryもやってました。単独も行っちゃおうかな。これ観れたのはもうけもんだ。

上原ひろみ HIROMI'S SONICBLOOM
ゴハン食べながらちろっと観ただけだったんだけどインタープレイがスリリングなプログレって感じでカッコよかったです。さすがに注目度が高く、人いっぱい。

で、グリーンに戻ってHAPPY MONDAYS観ようとしたんだけどホワイトのCLAMMBONがすげー人入ってんの。

clammbon.jpg

入場規制まで出てました。上を泳いで行きたい。

グッタリしたのでそのままところ天国で休んでBATTLESに。

BATTLES
以前にTHE MARS VOLTAの前座で観たときはドラムのシンバルが高いっつーことしか印象に残んなかったんだけどアルバムがなんだかんだでクセになる面白さだったのでヘコヘコ観に来ました。いや裏はスカパラだからガラガラかと思ったらすげー人多いのな。人口密度が高いわけじゃないから前の方まで来れたけど、こんなに注目されてるとは。

意図的になのかわからんけど徹底的に叙情味を排されていながらも妙にキャッチーですっとんきょうなとこもある彼らの音楽はライブで聴いたらすげー踊れたのが意外でした。ジョンのものすげー鋭くタイトなリズムの上に弦楽器やキーボードが短いフレーズを反復で重ねていくんだけどその緊張感が凄まじい。やっぱり叙情味はなくて、むしろ数学者による音楽の実験というかのような機械感覚があったりするんだけどどこかヘンな祭みたいなムードもあって、その緊張感と鋭さと高揚感が猛烈に身体に訴えかけてくる。なんだよかっちょいいじゃん!

あっという間の50分でした。やられたー。

そんな満足感が味わえたのでV∞REDOMSはパスしてメシを食って、ケミカルに備える。

THE CHEMICAL BROTHERS
初めて観たときはすげー楽しかったのにこないだフジに出たときはなんだかビミョーな感じで終わってしまったのでJUNO REACTORに行こうかと思ったんだけど帰り遅くあんるしLOST PROPHETSがちょっぴり楽しみだし・・・と結局ケミカルに。

うーん、今回もキツかったなあ。彼らには問答無用に客を躍らせるだけのマテリアルが山ほどあるはずなのにそれらを最低限しか使わないってとこがBEASTIESと同じもどかしさを感じた。盛り上げるためにクラシックを使うってのは確かに後ろ向きな姿勢なのかもだけどさー。時折うぉーって無理やり盛り上がってみるんだけどすぐまたテンション下がっちゃうんだよな。2SET目はほぼ棒立ちで観てました。テクノファンにとってはこういう方がウケがいいのかなあ?と思ってしまうベタロックファンな僕でした。

LOST PROPHETS
フジのクロージングにこのバンドってのはめちゃめちゃ違和感があるっつーかなんで?って感じ。でも去年のサマソニのライブを観る限りすごいいいライブアクトに成長しちゃってたし曲もいいのが沢山あるからケミカルの不完全燃焼をすっきりさせてくれるんじゃねーかと期待して待ってました。

結局25分押しぐらい、日が変わってからスタートしたライブは最初は音響面でかなり問題があったように感じたんだけど、やっぱ盛り上げ方もうまいなあ。曲の中にも自然と盛り上がっちゃうパートがあったり、あとは何よりメタルっぽさが強いのがいいというか、最近のフジはメタルっぽいヘヴィさがあるバンドがあまり出ないのでギターでザクザクリフ刻まれるとかするとそれだけで血が騒ぐ。Rooftopみたいな曲を歌いまくるのも楽しいし演奏もリズム隊がガッシリしてるから気持ちいい。

最初は少なかったお客さんも気がついたらそれなりに増えてたし盛り上がりもかなりのもんでした。ギターソロを弾くときの姿がかっこ悪いとかキーボードがいなかったとかあるけれど、最後にスッキリ楽しんで終われてよかった。

いやバンド単体の存在で「すげーいいよ!」ってのとはまた違ってさ、ビミョーなスノビズム漂うフジロックだからこそこういうのに「あー、やっぱこういうガキ向けなの、俺好きだなあ」と素直に実感できちゃったというか。

っつーわけで今年も楽しみまくってしまいました。印象に残ったライブはMUSE, !!!, OMAR RODRIGUEZ LOPEZ GROUP, JONAH MATRANGA, BATTLES。去年より充実度ずっと高かった。

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2007年07月28日

FUJI ROCK FESTIVAL 2007 2日目

チョー眠かったけどきちんと起きて11時半に会場着。昨日よりもやや雲は多いけどやっぱ天気いい。

JULIETTE & THE LICKS
15年前ならともかく、今のジュリエット・ルイスが露出度の高い服装でロックやるって言われてもなんだか痛めなムードが漂ってくるわけですが、意外と音楽がストレートにハードロッキンしてたんでちょっと気になったので観に来ました。ラスト15分ぐらいだけだったけど。

バンドの演奏もきちんとしてたしメンバー全員でドラムを叩いてトライバルな雰囲気を作ったりする演出も堂に入っていて本気モードがプンプン。さすが観られること、演じることを仕事にしているだけあってジュリエットのフロントマンとしての存在感も素晴らしい。

ただ、やっぱ「映画の中の破天荒なロックスターを演じてる」って感じがしたりもすんだよな。色眼鏡で見てるからかな。

MAE
ホワイトに移動して観ようと思ったところに雨が。雨合羽をグリーンの基地に置いてきてしまった!痛恨のミス!って別にそこまで大げさな雨でもなかったんだけど。MAEの演奏がスタートしてからやや雨脚が強くなり、「あー、このままもっと強くなるかもだからカッパ取りにグリーンに戻ろうかなあ」とか迷いつつ・・・っつーかちょっと濡れてもいいや!って思えるほどMAEで盛り上がれなかったのよね。

演奏は特筆すべきことはないけどそれなりにまとまってるんだけど、どうも盛り上がりというかダイナミズムに欠けた感じ。そんなわけで雨もやだし前半だけで退散。

で、ボードウォーク抜けてグリーンに着いたら雨止んでやんの。

!!!
ライブがすっげー楽しいと評判ながら、アルバムの音だけ聴くとイマイチ盛り上がりのツボがわからないバンドだったんだけど、百聞は一見にしかずでした。なんだかチャカポコとファンキーなリズムが身体に響いてくる音楽プラス、ヘンなキャラのフロントマンつー組み合わせはこういうフェスでは思いっきりハマるのかとにかく楽しい。盛り上がりもすげーし。ハイプされるバンドだけど、ライブだとスノビズムとかオシャレっぽさみたいのがあまり感じられないのもいいな。

KULA SHAKER
今更KULA SHAKERかーとか思ってたんだけど今でもすげー人気。インドの音楽がかかるなか王子様登場。演奏もオルガンやリズムが気持ちよく、すげーこういう場に映えるムード。Mystical Machine Gunやってくんなかったのは残念だけど70年代サイケなムードもあるハードロックに気持ちよく踊れた。

THE ATARIS
新作は路線変更がどうのとかじゃなくて単純につまんねーって感じだったけどやっぱ昔の青春パンク目当てで行っちゃいました。MAEんときも人少なかったけどこっちも結構ガラガラ。この手のバンドはあんまフジでは必要とされてないのかな。

atarisencino.jpg

THE ATARIS熱演中の様子。

4年前に単独で見たときもバンドの演奏はイマイチに感じたけど、今回もやっぱりちょっとなーって感じ。昔の曲で一瞬盛り上がるんだけどやっぱなんか冷めちゃった自分がおりました。ただ、場内はそれなりに盛り上がっててヴォーカル(ハゲ進行)の一生懸命さとひたむきさだけがとりえだぜ!って感じでステージから降りてきたりするのでそれなりに喝采浴びてました。ジーンズがずり下がってて半ケツ見えまくりだったのも盛り上がりに一役買ってました。

ライブを観ると全員すげーラフな格好だしちょっとゴスっぽいムードの服装と楽曲はもしかしたらレコ社からの要望とかだったんかなー、とか考えちゃいました。もしそうなら次は普通に作って欲しいかも。

でも俺の大好きなMy Replyはともかくとして、The Boys Of Summerやらないってどういうこと!?つまんねーなーと思いつつも頑張って観てたのに!カバー曲だからかしら。すげー楽しみにしてたのになあ。

OMAR RODRIGUEZ LOPEZ GROUP
G. LOVEはなんも考えずに楽しめそうだけどレッドマーキーで見るのめんどいなあ・・・と思ってしまってヘタしたら立ったまま寝るライブやりそうなOMARを観ることにしました。

あれ。セドリックだけじゃなくてオマー弟もジョンもいる。サックスもいるし結局THE MARS VOLTAのメンバーじゃん!キーボードだけアイキーじゃなくてマニー・マークがゲストで参加してたみたいだけど。マニー・マークのプレイもなかなかよかった。

で、やってることなんだけどこれまたTHE MARS VOLTAとほぼ同じ。THE MARS VOLTAのショウのインプロパートのみをやってますって感じ。一応テーマというか主題みたいなパートはあって、ジョンがそれをキープして他のメンバーはその上で色んな絡みを見せるというか。Rapid Fire ToolboothとかはTHE MARS VOLTAのライブでもやってたからな。

オマーは普段よりドレスアップしてたけど、ギターの音はTHE MARS VOLTAんときより小さかったりする。マニー・マークのキーボードとサックスのほうが音デカくてオマーのギターがあんま聞こえなかったのが残念。

でも、やはりこのバンドのアンサンブルはすげえ。THE MARS VOLTAのライブと同じく敷居が高いんだけど、いったん引き込まれたら抜け出せなくなるというか。圧倒されっぱなしだった。

40分きっかりでスパっと演奏終了。きちんとオマーが前に出てあいさつしてました。

IGGY & THE STOOGES
オマーの後にASHちろっと観ようかと思ってたんだけどオマーにすっかり満足しちゃったのでグリーンに戻って休むことに。なんかステージ上に人がいっぱいで大変なことに。しかも降りろって言われても降りなくなっちゃったみたいで収拾つかなくなったらしく、スタッフがアナウンスしたりして大変そうでした。あ、音楽のことはまったく覚えてないです。寝てた。

BEASTIE BOYS
今まで観たことなかったのでBOOM BOOM SATELLITESを捨ててこっちに。が、これがやや失敗。ラップの曲はカッコいいしパンクソングをバンドでやるのも楽しい。さすがだなあって思うとこがいっぱいあった。でも新作の曲はあまりにマッタリすぎるというか・・・。バンドは楽しいみたいだけど客は全然盛り上がってなくてアドロックも「俺らが楽しんでるのと同じぐらいみんなも楽しんでくれてるといいんだけど」となんとなく弱気なこと言ってました。

アンコールはIntergalacticとかSabotageとかですげー盛り上がった。もともと彼らのライブってこういう盛り上がりっぱなしのライブってわけじゃないんだろうけど、もう少しはっちゃけパートが沢山あると思ってたからずいぶん肩透かしだったなあ。

その後はSPACE COWBOYに行こうかと思ったけど人が多すぎたので退散して米沢牛ハンバーグとかニンニク丸揚げ食べて宿に帰って寝ました。

投稿者 trouble : 23:03 | コメント (0) | トラックバック

2007年07月27日

FUJI ROCK FESTIVAL 2007 初日

マジメにレポ書こうと思うと去年のようにめんどくさくなってそのままほったらかしちゃうので今年は簡単に。

初日、天気は良好。というか暑い。

サンボマスター
あえてクソ暑いときに暑苦しいのをやるとフェスでは盛り上がるもんで、しょっぱなから大盛り上がり。「あの子のリストカットやめさせるためなら、人だって殺してやるんだオルァ!」と叫んでました。環境依存型盛り上がりを見せててみんな楽しそうだったよ。

YELLOWCARD
なんかヴァイオリンの人が海外のメタヲタ風で実際アクションも妙なメタルっぽさに溢れていてグッときました。ただ、演奏はともかくとして音楽的につまんねーっつーか。ヴァイオリンなければ特にいいと思える曲もないしなあ。エーニースィーンの曲ぐらいしか楽しい曲がなかった。

THE ALBUM LEAF
すげー楽しみにしてたのにキャンセル。

STEVIE SALAS COLORCODE
音源だけ聴いてると「カッコよさそうでいてイマイチ」な印象が強いんですけど、こういうとこで観ると結構楽しいという環境依存型カラーコード。いやそこまですげー良くもなかったけど。なんかこの人どんどんジェイムズ・ブラウンみたいな見た目になってくね。

MUMM-RA
川で天国バーガー食べながら遊んでて、グリーンに戻ってきて昼寝してたら見逃した。

OCEAN COLOUR SCENE
ちらっとアタマ3曲ぐらい。なんかRiverboat Songとか昔の方がもっとガツンと来る演奏だったような。なんかマッタリしちゃったなあ、と思いながら観てました。

MUSE
どこを観ても大絶賛だし今のうちにケナしておかないと!と思ってる識者の方々が多そうですが、やっぱさすがのライブを見せてくれました。ウェンブリーやった後だからかサマソニんときよりもさらにスケール感がアップした感じ。

どうやら機材の到着が遅れたのが原因だったらしい。イギリスの大雨のせいで機材の到着が遅れ、機材が成田に到着したのが当日13時。苗場に到着が17時半。普通ならその状態で19時過ぎにライブ開始なんてありえないらしいけど、それが原因で開演が30分遅れたのね。あーぶーねー。

そのせいもあってかマシューのギターが本調子じゃなかったらしく、かなりイラついてスタッフに指示を出したりライブの流れがスムーズにいかなかったりもしてたけど、おいしいとこだけを凝縮した最強セットリスト(アンコールないのかと思って焦った)、そのマシューのキレ気味のパフォーマンスが良かったです。やっぱフジのグリーンでっつーシチュエーションも相まっての素晴らしさもアリ。特にInvincibleはヤバかった。

Time Is Runnning OutのイントロでイングベがライブでやってるブーレとかBlack Starのイントロまで弾いてるし、やっぱマシューたまはイングベ聴いてたのかしら、とかそういうとこに引っかかっちゃう俺がかわいい。

こないだの単独とは映像もまた少し変わったし、曲のアレンジというかマシューのバッキングギターで細かいとこに変化があったりしたのも楽しめました。何回観ても毎回素直にいいなーって思えるライブみせてくれるもんなあ。もう少し音がでかかったらなあ、ぐらいかな不満は。

スティーヴィー・サラスとクリス・ペプラーが普通にグリーン後方の斜面で観てました。

THE CURE
で、23年ぶりの来日ですって。俺は別にそんな強い思い入れがあるわけでもないのでマッタリ観戦モード。いくら23年ぶりだからっつっても音楽的にそこまで日本で知名度が高いわけでもなく、お客さんもやや少なめ。

そんな中ライブが始まってロバートが姿を現すとどよめきのような歓声が。曲自体はほとんど知らないし、音楽的にも思い入れはないしロバートのマツコ・デラックスと全盛期の塩沢トキと並んでもきちんとインパクトを与えられるであろうアピアランスが観たかっただけなんだけど、さすが海外でデカい会場でライブやってるベテランだけあって演奏はタイト。俺には感情移入しにくい世界観ではあるけれど、さすがだなあとはちょびっと思った。いいギター弾いてたなあ。

ただ、なげーのなんのって。結局2時間15分だよ。ファンにとっては至福の時間だっただろうけど、途中立ったまま寝てしまった。他のお客さんも11時半を過ぎるぐらいになると続々と帰り支度。

こんだけの大盤振る舞いはどうやらMUSEのステージが押したことが原因らしい。MUSEがトラブルのため、少し開演時間を遅らせる、っていうことをスマッシュ側からCUREに伝えにいったときにOKする条件が「んじゃ2時間プラスアンコールやらせて」ってことだったらしい。

結局深夜0時を15分ほど回ってからようやく終了。オアシスでメシ食って宿帰って2時ぐらいに寝ました。

投稿者 trouble : 23:27 | コメント (4) | トラックバック

2007年07月22日

SONATA ARCTICA at 渋谷AX

前回の来日公演が猛烈にタルいものだったのと、UNIAが随分と随分な出来だったので今回は行くのやめようかと思ってたんですが、結局行っちゃう寂しがりやさん(一人ですけどね)。

AXのPA卓左右は閉鎖されてて、それでもフロアには余裕がある。さすがに今回のアルバムでAX2daysはキツかったんかな。開演時間を待たず、16時59分に客電が落ち、ピアノのSEに導かれてアルバムと同じくBlack & Whiteでスタート。ステージセットは豪華。

続くPaid In Fullも新作から。バンドの演奏はシッカリしてるしトニーの歌は非常に安定していて(歌だけなら)貫禄すら感じられるんだけど、新作の曲は2曲続けるとやっぱダレるなーと思ってたらVictoria's Secretで場内が盛り返す。するとまた新譜の曲で場内クールダウン。結局この後も昔の曲と新譜の曲を交互にって雰囲気でなんとなく前回のセット構成と似ているような気はするんだけど、今回はこのセットの組み方が意外と効果的だった。

8th CommandmentとかBlack Sheep、それこそFull Moonもだけど、初期の曲って軽快な感じだよね。だからここらへんの曲を連発されるとこれはこれで飽きてしまうんだけど、今回その人気曲の合間に挟まれた新譜からの曲は軽快さより重みを感じることができる曲が多くていいアクセントになってライブ全体に起伏を感じさせる構成になってたと思う。前回も構成自体は似たような感じではあったけど、その軽快な曲の合間の曲が「ただ単にタルい曲」ばっかだったのでヒジョーに苦しかったんですね。今回もFor The Sake Of RevengeとかCalebも結構タルいっちゃータルいんですけど、Blinded No Moreとかよりも途中で飽きることなく聴けたなあ。単に時間が短かったから耐えられたんかな。

新加入のギターはテクはあるみたいでヤニよりも確かにうまいけど、やっぱしあまり情感とかそういう面には長けてない感じでした。EDGUY、KAMELOT、NIGHTWISHなど、最近の人気ある欧州のメタルバンドってみんなギターに魅力ないな。WITHIN TEMPTATIONなんてギターソロなかったりするもんな。元々HELLOWEENやGAMMA RAYもギターソロに魅力がないからメロスピ・メロパワには強力なギターって求められてないんかな。ANGRA、NOCTURNAL RITESはきちんと存在感あるか。

本編はサクっと終わったので疲労感はないし、アンコールの名曲3連発にかなり燃えてしまった。前回も思ったけどDon't Say A Wordってすげーいい曲だな。UNIAもこの曲を発展させた音楽性を目指したんだろうけどちょっとまだうまくいきいませんでしたって感じか。

まあ何はともあれ、期待値が思いっきり低かった分意外と楽しめてしまったライブでした。あ。新譜で気に入ってるIt Won't Fadeは俺が主旋律だと思ってたメロが主旋律じゃなかった。よくあるショック(例:All She Wrote / FIREHOUSE, Mandrake / EDGUY)。

終わって外に出るとまだ明るい。なんか得した気分になれる。

投稿者 trouble : 21:20 | コメント (1) | トラックバック

2007年07月18日

GUNS N' ROSES at 日本武道館

行ってきました。 幕張で大変楽しく見させていただいたので武道館でもムッカー研究に勤しもうと思っていたのに開演時間を6時半だと思っててMUCC見れず。会場着いたら6時40分ぐらいでした。

で、7時10分ぐらいにきちんと始まったんだけど、Bブロック音悪い!!客の少なさをごまかすためなのかPAがアリーナに大きくせり出したところにセッティングされ、しかもその幅がかなり大きいためにBブロックは完全に音のエアポケットになってしまってすっげー後ろの方で音が鳴ってる状態に。この時点で「音に厳しいオタクの僕」はテンションダウン。しかも幕張でたまちゃんをよろめかせたWelcome To The Jungleイントロでの音ダマが鳴らない。火柱は立ってたけど。あのバンッ!!で猛烈にテンションが上がったんだけどなあ。 どうも武道館では規制が厳しくて、幕張では使ってた花火なんかも使えなかったみたい。

Live & Let Dieんときも音ダマなんないとテンションあがらねえなあ・・・、いやそんぐらいでいちいち文句言っててもしょうがないんだけど、あれがカッコ良くて武道館でもう一回それが観れると楽しみにしてただけに残念でした。バンドの演奏も幕張と比べて雑・・・な気がしたけどこれは音響が酷すぎてバンドが何やってんのか全然わからなかったってだけか。

そんなわけで幕張と比べるとなんだかなーって感じでもあったんですが、今日はとにかく近い!Bブロックの後ろ半分はガラガラだったのですげー良く見えた。一番後ろにいてもフロントのメンバーの履いてる靴までちゃんと見えるんだもん。こんな近くでノンビリ観れるってステキだ。

あ、途中でバブルスっつーカナダのテレビのキャラクターが出てきたけど騒いでたのは外国人ばっかでした。あれやるならThink About Youとかやって欲しかったなあ。

Don't Cryも結局ロン・サールのギターをバックに、ってヴァージョンで変わらず。バンドで演奏したのを聴きたかった。November Rainは3つのギターソロをそれぞれのギタリストが分担して弾いてたんだけど、ラストのロン・サールのギター以外はそれなりに良かった(それなりに、ってとこが問題でもあるんだろうけど)。関係ないですが、ピアノを弾くときに小指と薬指が丸まってしまうあのフォームが好きです。無骨な体育会系の人がワイシャツを着てピアノを習ってます、みたいなあのフォーム。

そんなわけで幕張と比べるとイマイチに感じてしまったライブですが、近さのおかげでやっぱりガンガン楽しんでしまいました。終わってから1stを自分でリマスターした音源(と言うのは嘘で、イコライジングと音量調整でのごまかし)ばっか聴いてます。やっぱいいなあ。ギターの音も、ヴォーカルも、グルーヴもすべてが気持ちいい。曲のすべての音が「そこにないといけない」っつー必然を感じさせてくれる凄さなんだよな。

投稿者 trouble : 22:54 | コメント (4) | トラックバック

2007年07月15日

GUNS N' ROSES at 幕張メッセ

あ、WITHIN TEMPTATIONのライブレポ書いてねー。気が向いたら「とにかく抑揚のない、平べったい構成で途中で飽きて立ったまま寝たライブでした」というのを298347字にストレッチして書きます。

で、ガンズのライブ。天気予報では台風の風雨がピークんときに、しかも海に近い幕張でってことなので電車動かないんじゃね?とびびった僕は4時開演のライブなのに12時半に家を出た。

で、2時半に着いた。早すぎ。

とりあえず会場に入ってみたんですが、場内はガラガラ。AブロックとBブロックは一応分かれてるんだけど、Bブロックってなんかすげーせめーの。

結局開演時刻の16時になっても場内は一向に埋まらず、スカスカで非常に楽な環境でMUCCがスタート。

MUCC
ヴィジュアル系のバンドらしいけど、音は一昔前のヘヴィロックの影響が大きい感じ。まあヴォーカルはヴィジュアル系のあのイメージ。

「失ってはじめてわかったかけがえのないものがどーの」とか「おまえはどこに、どこに行くのか」みたいな歌詞が結構ゴンヌズバー!と僕のハートを貫きました。いや洋楽の歌詞だって似たようなもん多いだろうけど、やっぱね、日本語でね、ストレートに飛び込んでくるとアヌスがキュッとするよね。きっと他にもいっぱいそういうぐっとくる歌詞はあったんだろうけど、2曲聴いたとこでとりあえず座り込んでみました。ちょっと横になってみたりしました。気持ちよい。ちなみに2曲終わったとこで僕の周りの人はみんなどこかへ行ってしまいました。

しかし、そんな僕のマッタリムードに水を差す刺激的な展開が。「スタジオ帰って練習してからこい!」「帰れコラー!!」 そう、野次です。野次が飛んでるのです。なんとなーくみんながザワザワし始める。ムックは曲間に静寂ができないようにという配慮か畳み掛けるように曲をプレイしていくんだけど、やっぱり時々静寂ができて、そうなるとその野次の出番です。帰れコールも出てたし、「赤いシャツのドラムやろう!なんかしゃべれ!」とか「なんか面白いこと言いやがれ!」「(少しでも盛り上げたいので、みたいなMCを受けて)なら帰れ!」みたいな野次も飛んでてメンバーもあからさまにイヤだなあ、という困った顔をしています。ウヒョウ!ゾクゾクするぜ!なんかそういう野次を飛ばしているオッサンを捕獲しにきたのか凶悪な内山君みたいなセキュリティがわらわら集まってきました。

こういう野次は久しぶりっつーか、PRETTY MAIDSの前座のBUMP N' GRINDを思い出しました。そんときは鮎貝ケンは適当にあしらってたけど。

そんなわけでムックの皆さんはヒジョーにやりづらかっただろうし、終わったときもあからさまに「ようやく終わったー」っつー歓声でキツかっただろうなあ。でも結構長くて50分以上やってた。

で、ムックの皆さんがお帰りになられたのになぜかまだ客電は消えたまま。あれ?みたいな空気が漂い始めたころ、悲鳴の中をムック再登場。「BGM代わりに、もう少しお付き合いください・・・」と力なくつぶやいて、演奏再開。あれー。かわいそうすぎる。せつな過ぎる。結局合計70分ぐらいやってました。

ようやくムックが公開処刑を終え、場内にもほっとしたムードが戻ってきました。すると今度は主催者からのアナウンス。

「本日は、台風4号の接近により、各地の交通ダイヤが乱れておりまして、前もってお集まりいただいた皆さんには申し訳ないのですが・・・」

とここでアナウンスを切りやがんの。タメが入んの。もう場内ドキドキですよ。「メンバーが会場に来れないから中止?」「開演を5時間遅らせます、とか?」とビビりまくる。そしたら、間を置いて

「開演は、3,40分後となります」

だってさ。「なーんだー」という安堵のため息の連帯感、すごかったです。「3,40分で始まるんだったら全然いいよねー」みたいな笑顔が広がります。みんな優しい顔をして持ち場を離れ、ドリンクでも飲みに行く。場内の人口密度がぐっと下がったのでみんな腰を下ろす。ていうか寝る。超のどか。これからガンズのライブが始まるなんて想像もつかない弛緩した空気が会場を満たします。タマちゃんと俺も完全に寝そべって、「次の週末、何の映画観に行こうか?」「そうねえ、”ジャンクフィルム 釣崎清隆残酷短編集”なんてどう?」みたいなことをチーズをつまみにワイングラスを傾けて話すオシャレ夫婦の夜みたいなムードでくっちゃべって過ごしてました(実際は二人とも携帯いじりに夢中)。

そのアナウンスに油断してましたが、結局そのアナウンスのあとも全然始まらねえ。3,40分はとうに過ぎ、2時間待ちになろうかというそのとき、客電が落ちました。

GUNS N' ROSES
Welcome To The Jungleでスタートしたんだけど、イントロのとこで火柱とバンッ!!っつー音ダマが炸裂して、それだけで超盛り上がってしまった。アクセルの声も最初からよく出てるし。

オリジナルメンバーじゃないことを云々する声も多いですけど、少なくともイジーが脱退してギルビーが入ってからってさ、どういう理由なのかわからんけどギルビーのギターってソロんとき以外はヴォリュームが抑えられていて実質スラッシュのギター一本でのバッキングになっててとにかく音の薄さがイヤだった。スラッシュのソロが聞けるといってもここが俺にとっては致命的に物足りなかった。1stを聴くと左右の2本のギターがそれぞれ違うバッキングを弾いててその絡みがすっげーかっこよかっただけに。あと、俺はマット・ソーラムのノリってなんかモッタリしててどうも苦手だったんだけど、ブレインの後任として加入したドラマーはきちんと心地良いグルーヴを感じさせてくれたので、バンド全体の音に関しては、少なくともUse Your Illusionツアーのときよりはずっと良かったんじゃないかなあ。スラッシュの不在よりも音の厚味がきちんと感じられることが俺には大きかったです。

ソロもロビン・フフィンクとリチャード・フィータスはオリジナルのイメージをなるべく崩さないようプレイしてて、「今更スラッシュがいないことを嘆いてもしょうがない」って思える人であれば十分楽しめるもんだったと思う。

ただ、そのギターが3人いて、ソロタイムもそれぞれにきちんとあるってのはアクセルの休憩タイムが必要だってのがわかっててもやっぱちょっとね。曲を聴いてるだけだとなかなか見えてこない3人の存在意義も、ソロタイムを見るとプレイスタイルの違いがわかってなるほどと思うんだけど、でもやっぱそれは「存在意義がわかった」じゃなくて「役割分担がわかった」って感じだな。技術的に一番上なのはロン・サールなんだろうけど、プレイスタイルと音楽への貢献度も踏まえるとこいつが一番いなくていい気もした。ロビン・フィンクとリチャード・フィータスだけでいいんじゃねーかっつーか。

キーボードソロはもっといらないっていうか、とりあえずディジー・リードは演奏技術もやってることも含めて人前でソロタイムやるようなレベルではない気が。

Better、The Blues、IRS、Madagascarという4曲の新曲のうち、いいなと思えたのはBetterだけでした。上でスラッシュ不在よりも音の厚味があるのが嬉しい、って書いたけど、昔の曲よりこれらの新曲でスラッシュ不在の痛さを感じたんだよな。クライマックスでのカッコいいギターソロがないからなんとなーく間奏が終わってしまって盛り上がりに欠けてしまうというか。

とは言うものの、やはり「GUNSの曲ってカッコええ!」っつーのを理屈以前の感覚で感じさせてくれるライブですっげー楽しかった。バンドメンバーが多かったりすることによる「装飾の派手さ」が逆に「(現実にどうだったかはさておき)伝説化してしまったオリジナルの凄み」を強調してしまうことからネガティブな見方をしようと思えば徹底的にネガティブに見えてしまうライブでもあったけど、逆に割り切り一つでおもっくそ楽しめるっつーライブでもあった気がします。

「割り切らないと楽しめないってやっぱダメじゃん」とも言えるんだけど、俺の場合はオリジナルに思い入れはあっても今のGUNSにそれを求めていなくて最初から高機能カラオケバンド、と思っていた分、「なんだ意外と楽しいじゃん」と楽しめてしまいました。

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