2008年11月26日

まだイングヴェイ。

え。まだやるのっつーぐらいのしつこさですけど、今回のアルバム俺本当に気に入ってるみたい。ずっと聴いてても全然飽きない。っつっても6曲目(Prest Of The Unholy)が終わったら1曲目に戻しちゃうんだけど。

PERPETUAL FLAMEの輸入盤を買いました。CDRで持ってるんでいらないかなあと思ってたんですがTheFour Horsemenの収録された「完全版」を正規盤で持っていたいという所有欲から。やっぱThe Four Horsemen入ってないのと入ってるのとでは印象全然違うな。ていうか段々このThe Foursemenを気に入ってきたような気がする・・・と思ってインナーを見てみたら。

あれ?インナーの歌詞がきちんと曲順に並んでる・・・。オリジナルのインナーは歌詞が曲順とは関係なく掲載され、DEAN MARKLEYっつー弦のメーカーがなぜか「ドラム担当」としてクレジットされてたり(パトリックも一応載ってる)、デレク・シュリニアンの名前のスペルミスがあったり、挙句の果てにはTied Of Desireという収録されてない曲の歌詞が掲載されていたりと前代未聞の意味不明なミス連発だったんですが、今日届いた輸入盤はそれが全部修正されてる。

日本盤が発売されてから輸入盤が店頭から姿を消し、一説には「1曲少ない日本盤を売るためにユニバーサルが輸入に規制をかけてる」と言われてたんですが、どうやらそういうことじゃなくて一旦出荷をストップして修正してたみたい。

そうなると、ミス満載でTied Of Desireの歌詞が収録されてしまっていた初期出荷ヴァージョンもきちんと買っておけば良かったと後悔・・・。

で、こないだ平野のおっちゃんに「おまえもイングヴェイであんな長々と書くなんて立派なオッサンだよ!」と言われたのでさらに細かく書いてやる。

1. Death Dealer
これはすげー好き。これは過去の曲と比較してもかなり好きな部類。スピーディーなバッキングにどっしりと勇壮なメロディーが乗るのがたまらん。ツッコミどころとしては、1番のAメロのburning in my soul、ソロ後のAメロのJesus christ not againのとこ。なんでこんな気持ち悪いリズムで詞を乗せるんだ。

2. Damnation Game
アタマんとこのベースのうなりはカッコいいけどコーラスがいや。イングヴェイってこういう和声使うの好きだけど、俺すげー嫌い。ツーバスでダカダカダカダカってなるところがあるんだけど、曲が始まって一回目のダカダカダカダはなぜか音が小さい。

この曲はソロがいい。メロディアスなパートんとこのチョーキングでちびっちゃいそうです。こういうパートがあるならば、いつも通りの転調→弾きまくりパターンも許せる。

ただ、曲自体は悪くないんだけどサビが猛烈につまらん。

「ヨーロッパ人はいつもウソをつく」っつー歌詞は一体何を言いたいんだろう。

3. Live To Fight(Another Day)
イングヴェイは()付きのタイトルがお好きですね。この曲はDeath Dealerと並んで好きな曲。ガガッガガッっつーリフのバックのシタール(?)でのアルペジオがいい雰囲気出してる。ギターソロはあんま展開がないソロなのであんま面白くない。

ただ、ゆーこまるも指摘してた通りイントロの鐘の音の「コン」がマヌケすぎる。「ゴーン」でいこうよ。なんでこんなになっちゃったんだろう。

Live by the sword, Die by the swordの言い回しでスタートするのはATTACK!!収録のVALHALLAかなんかの使い回しです。

4. Red Devil
リッパー言うところの「古臭い曲」。ホント古臭い。キャッチーだけどあんま好きじゃないなあ。ダサすぎる。Live To Fightと並べて聴くとまだいいけど単体で聴くとなんかモタモタしてるし。

5.Four Horsemen
日本盤ではカットされた曲。よく言えばSee You In Hell路線。最初は歌メロにもう一つグッとこないなあと思ってたんだけど段々ハマってきた。ソロはワンパターンのあの展開になりそうなとこでバックの「ババッババッ」があって救われてる。イングヴェイもさすがにこのワンパターンの展開をなんとかしようと思うようになったんだろうか。

6. Priest Of The Unholy
好きな人以外にはLive To Fightと区別付かなくなりそうなI Am A Viking的ヘヴィ路線。日本盤だとLive To Fightのあと1曲挟んでまた似た感じのこの曲だけど、それってどうなんだろう。

曲自体はこれも結構好き。キーボードのリフが印象的。

Live To Fightよりソロパートがいいし、何よりギターソロ後、歌が終わって始まるソロが迫力ある。これはソロそのものよりもコード進行の緊張感によるものかもしれないけど。

でも、リッパーはなんか苦戦してるように感じるな。

7. Be Careful What You Wish For
5曲目と似た感じだけど、こっちはつまらんです。なんかリフの感じがFacing The Animalに入ってた疾走曲(捨て曲)とにた感じ。歌もつまらんしFour Horsemenを外すならこっちを外していただきたかった。

なんか曲の始まりに「ブゥーン」ってベースを入れたりしてるけど、Damnation GameとRed Devilも似たような感じに始まるよね。

8. Caprici Di Diablo
あんま好きくない。

9. Lament
8曲目が遅くなっただけ。組曲なんだろうけどなんで2曲に分けたんだろう。

10. Magic City
ブルーズだけど微妙にブルーズとも違う雰囲気っつーイングヴェイの得意技。ギター、曲ともに素晴らしいと思うんだが悲惨なのがイングヴェイの歌。ふんがー、ムハァののフランケンスキャットや語尾の「ンファあ」な抜け方、音のとり方が妙に素っ頓狂だったり。下手じゃねーと思うけど気持ち悪い歌だ。 今のヨラン・エドマンがムーディーに歌ったら素晴らしい曲になっただろうに。

こういう曲ではもちろん高音域でのチョーキングやフレージングは好きだけど、低音域での引っかかりのあるプレイ(なんて表現すんのかわからん)が好きであります。

転調した後の夕暮れ時なムーディー加減がステキです。

11. The Eleventh Hour
インストを2曲に分割したのはおそらくこの曲を11曲目におきたかったからではないでしょーか。ストリングスをリフのバックに使うのはなかなかいいんだけど、インストが2曲続いてムーディーなブルーズ、さらにこのスローチューンが来るとダレダレダレまくり。ソロパートでテンポアップするも時すでに遅し。

12.Heavy Heart
さらにスローチューン。しかもインスト。もう耐えられません!

今後も聞いていくだろうなーっつーのはDeath Dealer、Live To Fight、Priest Of The Unholy、時々Four HorsemenとMagic Cityの5曲かな。アルバムトータルとしては、EDGUYとは逆で、センスはあるがスキルがないもどかしさが満点であります(ところどころその両方の欠如を感じる曲もそろえております)。ただ、ドゥギー時代のATTACK!!や前作よりもアルバムとしての存在感はあるように思う。そこらへんはやっぱリッパーの功績もあるだろうし、イングヴェイが原子力潜水艦だ、と言いたくなる気持ちもわかる。

なんか今回のアルバムについての感想を色々読んで自分がマイノリティだなと感じたのは

1. 全然音が悪いと思わなかった。むしろベースを始めとしてなかなか迫力ある音じゃないか、と思っていた。
2. リッパーのヴォーカルの音が小さいとは思わなかった。
3. ギターソロが相変わらずつまらないとはまったく思わなかった。
4. ドラム結構好き。

というあたり。ていうかすでにアルバム聞く時に「いいか悪いか」を感じる感覚が消失している感じがします。どんなの来ても傑作って言っちゃいそう。

投稿者 trouble : 20:31 | コメント (147)

2008年11月10日

Perpetual Flame / YNGWIE MALMSTEEN その2

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Perpetual Flame / YNGWIE MALMSTEEN

■ようやく新作PERPETUAL FLAMEについて、の作文
イングヴェイの秘密主義によって焦らしに焦らされた結果リリースされた新作。ジャケットからして期待通り。これを買うのが恥ずかしいとか言うやつは、まず鏡を見ろ。そしてそのツラで表を歩いている自分こそを恥じるべきだ。いやーほんと実際恥ずかしいジャケ。だからこそイングヴェイであり、だからこそいい(さらに繰り返されるイングヴェイファンの屈折自己肯定)。

何はともあれリッパーが加入したことがもっとも大きなトピック。ATTACK!!を除けばALCHEMY以降ヘヴィ志向を強めていたイングヴェイだが、マーク・ボールズ、ドゥギー・ホワイトともにその路線に合っていたとは言えない。イングヴェイもインタビューで「極端さ」をアピールし、新作はヘヴィでアグレッシヴであることを強調していたし(まあこれは毎回そうだが)、ようやくイングヴェイの志向に合ったヴォーカリストが加入してのヘヴィ志向ということで、かなり期待していた。

そしてもう1点今回大きく注目していたのがミキサーとしてROY Z.を起用したこと。ROB ROCKのアルバム等で現代的なヘヴィネスも取り入れた音作りをしていたので、それをイングヴェイのアルバムでもうまく取り入れてくれたらすげーカッコよくなるんじゃない!?と一人興奮しておりました。

が。当初7月発売予定とインフォメーションされたのに、いつまで経っても発売日が確定しない。ロイ・Zによってミックスされたカッコいい音質のアルバムを、イングヴェイが聞いて「なんだこりゃダメだ!」とまた自分でやり直してるせいで発売が遅れている、なんつーネタが冗談に感じないのがイングヴェイなので、不安は募るばかりでした。

まあ実際は身内で固めたマネージメントが日本を軽視してるからか情報が入ってこなかったってだけで、イングヴェイからしてみたら最初から10月発売の予定だったらしい。

まあ事情はともかく焦らしに焦らされて期待と不安が今までになく膨らんでいた今回のアルバムであったわけですが、もちろんやっぱりイングヴェイ全開で、今までと大きく変わったところはなし。ただ、リッパー加入は俺はアリだと思う。やっぱイントロでさ、「イャーーーー!!」ってシャウト入ると燃えるじゃないすか。それがあるだけで、ドゥギーよりリッパーでよかった、と思う。オープニングを飾るDeath Dealerはシャウトのインパクトがあってテンションが上がる曲だ。最近のアルバムからはなかなかライブの定番として生き残る曲が少ないが、この曲は今後もセットリストに残って欲しいって思えるカッコいい曲だ。サビの後niリッパーが低音で唸る”Death dealer is on the hunt!"がカッコいい。そういやWAR TO END ALL WARSのジャケってDeath Dealerっつータイトルだったよね。

リッパーの歌のスタイルってイングヴェイのメロを歌うのにはフィットしないかな、というのも実際感じるところで、すでに出回っているリッパー加入後のライブ音源を聴く限り過去の曲とリッパーの相性はあまり良くない。そういう意味ではかなり不安も大きかったんだけどこの曲の唸るパートのように、今のイングヴェイの志向とリッパーの(歌唱ではなく)攻撃的な声質は合ってると思う。シャウトがさらなる攻撃性を音楽に加えるのはもちろん、彼の中・低音域は非常に邪悪な雰囲気があるので、Live To Fight (Another Day)のようなドロップDチューニングのヘヴィな楽曲はリッパーだからこその魅力が出ていると思う。まあ全部が全部リッパー最高ってわけじゃなくてところどころ「やっぱあんま合ってないな」ってとこもあったりするんだけど、まあ俺はこれはこれでアリ。

ROY Z.効果はあまりないようだけど今回は低音、特にベースの音が硬質でカッコいい。これは今までのイングヴェイの作品にはあまりない質感で嬉しいところです。

ギタープレイについてはコンチェルトを境にまた一段階アップしたなと思ってたんだけど、今回もさすが。ただのピロピロではないと思う。Damnation Gameのソロ前半のように「圧倒しよう」というだけでなく「聴かせよう」というタッチが感じられたりするし、Priest Of The Unholyのエンディングはまさに圧巻。例によって「フンガー、ムハァ」、とフランケン&毒息全開のイングヴェイヴォーカルが聴ける(そして嬉しくない)Magic Cityでの泣き全開のプレイと並んでいつまでも聞いていたい素晴らしいギタープレイです。Magic Cityは後半の転調が新鮮。

Caprici Di Diablo~Lamentで使われてる6弦スウィープに関しては技術的には凄いのかもしれんが聴感的には特に印象に残らず。Disciples Of Hellの決めフレーズみたいだなって思ったぐらい。でも今回は全体的にソロパートのコード進行が多少練られていたり、バックの演奏にちょっとしたオカズが入ってたりもしてソロパートについては好印象。

っつーことで俺が書くと好き好き全開になってしまうんだけど、スローテンポな曲が続く後半の流れはちょっとキツい。あと、Death Dealer以外のスピードチューン2曲がどちらも悪くはないけどすごいいいってほどでもないっつー感じなので、そのあたりがこのアルバムの印象をちょっと物足りなくさせてるかもしれん。今回のアルバムはアタマ4曲のファスト→ノリのいい曲→ヘヴィ→ポップって並びがMAGNUM OPUSに似てなかなかいい並びだなんだけど、それこそ後半にFire In The Sky級のインパクトある曲がないので前半のテンションと後半のテンションにかなり差が出ちゃってる。ポップなRed Devilもフェラーリかっとばすぜ!な曲の割りになんかモッタリしてて間抜けな感じがするし、もう少し魅力的な歌メロにならんかったのかなーとか思ってしまう。

まあでもそのRed Devilがいいアクセントになってるのも確かだし、前半は聞き応えがある。後半もMagic Cityみたいな聴きどころもあるし今回はギタープレイの冴えっぷりもあって、キャリアの中でもそこそこ存在感があるアルバムになってると思います。

投稿者 trouble : 00:38 | コメント (318)

Perpetual Flame / YNGWIE MALMSTEEN その1

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Perpetual Flame / YNGWIE MALMSTEEN

書いてたら長文になりすぎたので分割しました。まず前半。

■今のイングヴェイを好きな自分をムリヤリ肯定する作文
90年代中盤以降の正統派とかメロディック・パワーメタル、そして所謂メロハーというのは、言ってしまえばデータベース化された要素を組み合わせての同人誌みたいなもんである。メロハーはJOURNEYの同人誌だし、欧州のメロディックパワーメタルの多くはHELLOWEENとSTRATOVARIUSの同人誌である。

「美旋律」「哀愁」「疾走感」「ドラマ性」そのどれもがいまや新しく生み出されるというよりは先人たちが築き上げたデータベースの中から検索され、組み合わせの妙を楽しむというのがメロハー、もしくはメロスピである。

で、こういう流れはメロハーなら80年代中期以降、メロスピならHELLOWEENのTIME OF THE OATHあたりから顕著になってきたような気がする。もちろんメロハーやメロスピだけの問題じゃなくて、最近だと「やりたいことをやった」のではなく、明らかに過去の自分たちの音楽を分析してデータベース化し、そこから必要な要素を組み立てて作った感アリアリのMETALLICAの新作もわかりやすい例だと思う。このへんの是非を問うつもりはないし、そもそも俺もそういう東浩紀言うところのシミュラークル的な作品を普段から愛聴しているのは言うまでも無い。

で、イングヴェイだ。

彼がひたすら同じような音楽をひたすらやっている思っている人は多いだろうし、実際フレーズの使いまわしはかなり多い。そういう意味では「データベースを活用しての自己パロディーばっか」だと思う人も多いのではないだろうか。しかし、俺が思うに毎回同じようなことをやっているようでありながら実はシミュラークルになりえていないのがイングヴェイの凄い(そして悲しく切ない)ところだと思う。

イングヴェイの築き上げたネオクラシカルメタルというジャンルの音楽はどちらかというと要素に分解しやすい、言い換えればデータベース化されやすい音楽性だ。だからこそファンの期待するものはかなり具体的になるし、ある意味そのデータベースに対して意識的になれば、簡単に(というと語弊はあるかもしれないが)ファンの求める要素を組み合わせての高機能なシミュラークルになり得るはずなのである。NATIONとかMAJESTICとか。

しかしながら、その大元イングヴェイの音楽性というのは、実はその「こてこてネオクラシカル」とはややズレている。彼本人の音楽志向は「もっとヘヴィに!」であり、ファンが期待する「クラシカルで美旋律志向」ではない。北欧キラキラ路線の傑作ECLIPSEの時でさえFaultlineを人に聞かせて「どうだ!ヘヴィメタルしてるだろ!」と威張っちゃうぐらいなのである。彼のそういう下品にロックでありたいヘヴィ志向はいまだにECLIPSE以前の音楽性を求める多くのファンの志向とは大きくズレている。欧米では再評価されていると言われているが、彼の存在のLEGENDARYっぷりが評価されてるのであって、彼の最近の作品が評価されているわけではない。

まあ問題なのは志向の問題だけじゃない。ヘヴィ志向はそれはそれでいいんだけど、この人それを具現化するだけのスキルがないのである。だからWAR TO END ALL WARSのようにやりたいことはいいのに音質で失敗してみたり、ATTACK!!みたいな中途半端な作品を作ったりしちゃうのだ。UNLEASHE THE FURYはそういう意味ではここで書いたように痛快な作品ではあったが、ヴォーカリストのチョイスを間違えた感は否めない。

彼の使いまわしは「陥っている」だけであって「データベースの活用」とはやや違う。彼はいつも同じようなことをやっている印象があるにも関わらず、彼はファンの求めるものとか市場にウけるもの、自分の音楽のおいしいところ、ってのをデータベースから引っ張り出してきて作品を作ってるわけではない。飽くまでそのとき湧き上がってきた衝動を音楽にしているだけなのだ。前に使ったかどうかとか考えてないから似たフレーズが出てきてるだけなのだ。それを才能の枯渇と言ってしまえばそれまでなのだが、その計算の無さ、衝動性に委ねた創作スタイルがあるこそ「シミュラークルとして機能しきれない微妙に外れた作品」を出し続けることになるし、痒いところになかなか手が届かないもどかしさを感じるアーティストである。

青臭いことを承知で書かせてもらうが、俺がスリルを感じることが出来る音楽というのはデータベースを活用してる部分とその衝動によって作られた部分の比が後者に傾いている音楽である。言い換えれば「機能性を追及するシミュラークル」も大好きだが、強い思い入れを持てるのは「大きな物語幻想を感じさせてくれる作品」なのである。音楽から感じ取れる強い衝動性は俺にとって大きな物語へのアクセスするために必要不可欠なものだ。そしてイングヴェイの存在、作品には質は伴っていなくとも今でも強くそれがあるし、だから今でも冷めることなく彼の音楽を好きでいられるんだと思う。

ってのはね。本当にイングヴェイがそうかってことが問題ではなくて、単に俺が「イングヴェイを好きな自分を肯定したい」ってことだけなんすよね。この文章は多分来週読み返したらグッっと恥ずかしい文章なんだろうな!来週の俺、頑張れ。

まあ「だから新作のPERPETUAL FLAMEもそういうのが感じられる素晴らしい作品だし、大好きだよ」ということなんですけど、それだけで終わるのも悔しいのでアルバム聞きながらまた続き書きます。(続く)

投稿者 trouble : 00:18 | コメント (269)

2008年08月17日

BIRTH OF THE SUN / RISING FORCE

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BIRTH OF THE SUN / RISING FORCE

Powerline Recordsから突如リリースされたイングヴェイのアマチュア時代の音源。しかも当事者Marcel Jacobがリミックス&リマスターを手がけるというそりゃイングヴェイはブチ切れて当然、な1枚。発売当時はビックリしたもんです。

イングヴェイのブートLPの中でも入手困難かつ中身の価値が高いと言われていた通称「白ジャケブート」に収録されていた4曲にSpeed and Action(イングヴェイ自身がリリースしたTHE GENESISではPlug In Lucifer's Mindというタイトル)、Voodoo Nightsを加えた6曲入り。今から15年ほど前まではこの音源は82年にスウェーデンのCBSのためにレコーディングしたものでは?と言われていたが、マルセルのライナーによればBIRTH OF THE SUNに収録されている音源は80年に録音されていたものらしい。ちなみにCBSのためにレコーディングした3曲というのは、Soldier Without Faith, You're Gonna Break Them All, Horiszonsの3曲とのこと(GOLD WAX誌のスパーク・ジャガー氏の記事より)。

さらに余談を重ねると、イングヴェイのアマチュア時代の音源としてはこの他にBLACK STARというブートLPが有名で、そちらもなかなか音質がいい上にMerlin's Castle、Dying Man, Suite Opus:3すべてBIRTH OF THE SUNとは別音源が使われている(Black Star, Magic Mirror, As Above, So Below, Anguish & Fearも収録)。と言っても今LPが聞けないのでそれが「別録音」かそれとも「別編集」かは確認でけん。裏ジャケには80年から81年に録音されたものと書かれているんだけど、詳細はわからん。レコードプレイヤー出したら聞き比べてみよう。

ともかく、BIRTH OF THE SUNのレコーディングメンバーはイングヴェイがヴォーカル&ギター、Marcel Jacobがベース、Zepp Urgardがドラムの3人編成。プロデューサーもいない状況だったのでヴォーカルとギターのオーバーダブ以外はほぼライブで録音せざるを得なかったらしい。HEAVY LOADのRagne Wahlquistが所有するストックホルムのThunderload Studiosでレコーディング。

POWERHOUSEでの録音の2年後だが、イングヴェイのギターは「ホントこいつ学校とか行かずにギターばっか弾いてたんだろうなあ」という勢いで進化しており、ほぼ現在の「ネオクラシカルスタイル」を完成させていると言っていい。ペンタトニック以上にハーモニックマイナーを使った速弾きが印象的。曲自体の方向性はPOWERHOUSE時代とほぼ変わらないダークな北欧ヘヴィメタルだが、全体的にレベルがアップしているというか「完全にプロの作品」になっている。地下室でドロドロと閉じこもっていたかのようなPOWERHOUSEより随分と垢抜けた。

個人的にはZepp Urgardのドラミングが気持ちいい。EUROPEに在籍していたトニー・レノに共通する雰囲気が好き。ていうかイングヴェイ17歳、マルセルとZeppが16歳のときにこんだけの作品てすげーな。POWERHOUSEには稚拙さがあったけど、こっちはあんまないもん。イングヴェイのギターはもちろんそれを支える二人が16歳ってのが信じられん。

マルセルのライナーによれば、「ろくなシンガーが回りにいなかったからしょうがなく」歌ったイングヴェイのヴォーカルはやはりきっついもんで、テープの回転数間違えたかのような低音でモッタリ歌っている。Merlin's CaslteはRAINBOWのStargazerを稚拙にした感じの歌詞でファンタジックだが、Birth Of The Sun、Dying Manはその後のイングヴェイの「てめーらは俺を倒せないぜ」的強がりソングの原型のような歌詞。

イングヴェイのマヌケなヴォーカルのおかげで北欧ならでは田舎っぽさ満点で、聞いてて楽しい。Zepp Urgardはその後ポルノ男優になったということですが、どなたか見たことある人はいませんか?

投稿者 trouble : 22:24 | コメント (53)

Yngiw Malmsteen's POWERHOUSE

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イングヴェイの新作発売予定日がまた延期になってしまった。今月末に発売されるメタリオンは「完成したアルバムを聞いてのインタビュー」という触れ込みだったけど、果たして大丈夫なんだろうか。録音された素材の音の悪さにミックスのロイ・Zがアタマを抱えているとか、ロイ・Zがミックスした「まともな音のアルバム」に納得のいかないイングヴェイが「悪い音のアルバム」に作り直しているんじゃないかとか不安は尽きません。

そんな不安を紛らわすために彼の過去の作品を改めて聞きなおしていこうと思い立ち、まずはこのアルバムから。Hit 'n Run Recordingsというレーベルから突如リリースされたアルバム。裏ジャケにはThe very first recordings by a 15 year old Yngwie Malmsteenと謳われているとおり、イングヴェイが1976年に結成したというPOWERHOUSEのアルバム。非常に怪しい商品ではあるが、収録されているHuntedはその後Music For Nation盤のINSPIRATIONのボーナスディスクに「15歳時にレコーディングした曲」として収録されているのと同じ。イングヴェイのマネージメントも「許可なくリリースされたブートレグ同然の商品」と言ってるので限りなくグレーな商品ではあるが、中身に関しては間違いなく本物である。

イングヴェイの15歳当時といえば学校の廊下をバイクで走るというスクールウォーズのオープニングのようなエピソードをかまして退学するとかそういう生活だったらしいが、それでも母親はイングヴェイの音楽的才能を尊重し、音楽三昧の生活を許していたらしい。バイクで廊下を走るのは音楽的才能の尊重とはまたちょっと違う気がしないでもないが、とにかくそんな恵まれた環境でひたすらギタープレイに没頭していたようだ。

ではそんな問題児が当時どのような音楽を作っていたのかということだが、さすが天才と言わざるを得ない音楽だ。おばあちゃんちの2trackのレコーディング機材で録音したらしいこのアルバムで、すでに独特のネオクラシカルメタルとしてかなりのレベルを達成している。1曲目のVoodoo NightsのリフはODYSSEY収録のRising Forceのリフだし、後にMotherless Childで使われるパーツも組み込まれているなど、その後のイングヴェイの名曲の源泉が随所にちりばめられている。アマチュア時代の曲の中でも名曲の誉れ高いMerlin's Castleはこの時点ですでにほぼ完成。Rising Forceのキメパートもすでに組み込まれている。曲名に関しては、正しいかどうかは微妙。Last JourneyとViking Battle(Suite)はトラック分けされて2曲として収録されているが、この2曲でSuite Opus:3とする可能性もある。実際マルセル・ヤコブがリリースしたBIRTH OF THE SUN、イングヴェイがリリースしたTHE GENESISでは1曲扱いだ。

テクニックはまだまだ未完成で所謂「速弾き」を感じさせるところは少ない。まだまだ「リッチー・ブラックモア的なファストプレイ」で、ハーモニック・マイナーよりもペンタトニックを多用している印象。ただ、チョーキングやヴィヴラートはすでに一級品で、15歳が演奏してるとはなかなか想像し得ない。リズム隊は誰が演奏しているかは不明でドラムに関しては稚拙と思われる箇所は多いが、音楽の雰囲気を損なうものではない。

恵まれているっつってもレコーディング機材はチープだっただろうし78年に自主制作した作品なわけで音質は劣悪。ただ、その劣悪さがまた独特のヘヴィネスや邪悪さの源にもなっていて、クラシックを基盤としたメタルというお行儀の良さではなく、北欧暗黒ドゥームメタルと言った趣がある。CANDLEMASSやKRUXのリーフ・エドリングと親友っつーのがこのヘンで納得できたりもする。後にODYSSEYに収録される美しい小曲Memories(このアルバムではLast Journey)のような曲もなぜか静かというよりも陰鬱な雰囲気が漂い、GOD SPEED YOU! BLACK EMPERORを想起させたりも。続くViking Battle(Suite)(後のKrakatau)のドゥームっぷりはかなりのもの。ちなみにこの曲20分もあります。トータルでは9曲で77分以上。長尺な曲が多い。

1978年すなわち昭和53年、ガンダムすらまだ放映されていない時代にスウェーデンでこんだけヘヴィなことをやっていたアーティストはそう多くはないはず。15歳という年齢もあいまってイングヴェイの言うとおり現地では「相当な変わり者」として見られていたんだろうなあと思う。ヴォーカルナシのインスト曲を9曲収録したこのアルバムは、天才イングヴェイ・マルムスティーンの貴重な黎明期を知ることができると資料であると同時に、スウェーデンのヘヴィロックのルーツとしても非常に価値のある作品である。

なーんてスウェーデンのヘヴィロックに詳しくないのに勝手にそっちに話を広げちゃいました!いやでもイングヴェイの歴代の作品の中でも一番ヘヴィなアルバムって感じがするよこれ。

投稿者 trouble : 20:11 | コメント (23)

2005年12月15日

YNGWIE MALMSTEEN at 日本青年館

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っつーことで二日目です。日本青年館て千駄ヶ谷にあるのね。相変わらずファッキン寒い中行ってまいりました。

昨日の厚生年金会館は珍しくソールドアウトだったけど今日は当日券も出ていたみたい。でもとりあえず1階は完全に埋まってました。2階はどうだったんかな。

今日の席は9列目真ん中やや左よりということで昨日とは裏腹にバランスよく聞こえるであろう席。まあイングヴェイのライブにバランスなんて求めてないけど。イングヴェイのライブで俺が求めてるバランスの良い音というのは「とにかくギターの音がデカイこと」です。

1曲目はやはりRising Force。てかアレ?席のせいかもしれないけどギターの音が小さい!なんじゃこりゃ!いや普通のバンドのバランスなんですけど、昨日マーシャル直の素晴らしい音のシャワーを浴びた後では物足りないー。と超盲目的なワガママを抑えつつ。

まあそんなことはともかく、今日のイングヴェイは調子いいみたい。いつもRising Forceの2弦スウィープのパートはきちんと弾けるようになるまで数秒かかるんだけど、今回は一音目からピシっと決まってる。どうしたんだろう。その後の掛け合いもなんか恐ろしく丁寧に弾いてるのかキレのあるプレイ。

ゴニヂバドギョー!!(「こんにちは、東京」)のダミ声挨拶を挟み、今日の2曲目はNever Dieではなく、Revolution。Never Dieより2曲目に合ってる感じがする。

続いてLocked & Loadedが嵐のようにプレイされ、いつものイングヴェイタイムへ。ドゥギー言うところのLesson1の時間が始まる。多少うんざりしながらも今日のイングヴェイは調子いいし、ファビョンはすげーことになるかも!とワクワクしながら観てたらアダージョの途中からイングヴェイが怒り始めた。ステージ前方中央を指差して何度もローディーに何かを怒鳴っている。でもこのローディー、イングヴェイが何言ってるのかわからないのかぼへーっと突っ立ってるだけ。このローディー、ダボっとしたスウェットを着た物凄く鈍重な感じの人で、曲の途中ドゥギーが歌ってる前を思いっきりノソノソ歩いて通ってイングベのマイクスタンドにピックをつけたりすげー邪魔。つか要領悪そう。

イングヴェイはそんなローディーに業を煮やしたのか何度もローディーに向かって「テメークビにすんぞ!」とばかりに首切りポーズを連発。最後にはアダージョ演奏途中にも関わらずステージ袖に消え、(弾きながら)ローディーに怒鳴りまくる。それでもイングヴェイの不満は解消されず、この後も何度か首切りポーズ連発してました。スモークが出なかったことにキレてたとかいう話もあるけどそれであんなにキレるかなあ。なんだったんだろ。

もちろんお客さんの多くは「うげーすげー怒ってんだけど」とビビって、というかドン引きしてましたが、こういう光景はイングヴェイのライブでは良くみられる上に、これこそがイングヴェイ!って感じで俺は大好き(今日の盲目ファンっぷりその1)。でも実際やつが怒ってるときってアドレナリンが出るからかプレイが猛烈にアグレッシヴでかっこよくなる。今日はただでさえ調子がいいのにそういうノリなので、Far Beyond The Sunは凄かったです。ここ数年この曲の半分ぐらいはまともに弾かずに「ウジャーウジャー」とやってることが多かったし昨日なんか弾いてる時間よりストラップに挟まった髪の毛を直す事の方にご執心だったぐらいなんだけど、今日は明らかにいつもと違う。ヤケクソ感満載の弾きまくりで神プレイ連発。すげーわ。感情移入云々とか、時代性云々とか関係なく、単純に聴いてて観ててかっこいい。

そんなわけで今日のイングヴェイすげー!これで選曲もちらっと変わってくれたら最高!と思ってたんですが、その後は昨日Revolutionあった位置にNever Dieが移動したぐらいで昨日と同じ流れ。期待していたCracking The WhipもBogey Manもナシ。まあ2番でドゥギーのリズムがズレてもExileはやっぱ爆走でかっこよかったし、そのままのスピードでなだれ込んだNever Dieは昨日よりもよかった。

で、ギターソロももちろん相変わらずだったんだけど、今日は調子よかったことと、なぜかイングヴェイは急ぎまくってて(途中時計とか見てた)ディレイでギューンとやるパートをすげーアッサリ終わらせてた分疲れなかったな。You Don't Rememberも掛け合いナシでアッサリ終わらせてたし。

本編に大きなヒネリがなかった分今日はアンコールで来るのかな!と思ったらこれも昨日と同じ。すげーガッカリ。こうなると「勢い良く連続してプレイしている」ってのも「やっつけでやってる」ようにも見えてきたりして。

でも今日のサプライズはこのあとにあった。ステージ袖でギターを取替え、なんと!!ギタークラッシュ!!!うわーいらねー!!!そんなことやるんだったら3曲余計にやってくれよ・・・と呆然としながら観てました。急いでた理由はこれやるためかよ。アホアホバカバカウンコタレ。イングヴェイはギターを3つに割ってご丁寧に投入。派手に奪い合いが起こってたけど手切りそうで怖いよな。

ということで、プレイに関しては猛烈にかっこよかったけれどライブの満足度としては2日目だしあまり高くないライブでした。まあでも前半の飛ばしっぷりだけで俺は元取った気にはなったしそもそも今回の来日公演は期待値がものすごく低かっただけに意外と楽しめた瞬間が多かったので嬉しくはあった。やっぱ2回じゃ足んないなあ。もっと観たい。決して文句なく楽しめるショウをやってくれるわけないということがわかっていても、それでもライブのイングヴェイは魅力的だし、何度でも観たい。という盲目ファンぷりをアピールして終わりにすることにします。

そういやメンバー紹介での、ミックは「ドラムはできないしギターは弦が多すぎた。だからベースをやってるミック・セルヴィーノ!」みたいなこと言われてて笑った。

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2005年12月14日

YNGWIE MALMSTEEN at 東京厚生年金会館

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ドゥギー・ホワイトが嫌いなのはどうしようもないにしても、欧州ツアーの様子や音源なんかを聞くにつれて気分はかなり盛り上がってきてました。巷の評判はともかくUNLEASH THE FURYは好きなアルバムだし(11曲にしぼると名盤)。

今回は2列目イングヴェイの真正面という超ナイスポジションをゲット。この位置だとおそらくマーシャルの壁から吐き出されるギターサウンドにバンドの音はかき消されるだろうけれど、それがあたくしの望みです。ギターの音がデカイことはそれだけで素晴らしいことなのです。

イングヴェイのマイクスタンドにはインディアンのお守り?アクセサリー?みたいな羽のついたわっかがブラさがってる。なんとなくバンドのセッティングはステージに向かって左側に寄っており、イングヴェイのマイクスタンドは通常の位置より真ん中寄り。イングヴェイのマイクスタンドから右側がすごく空いているように見える。

ってことで開演時間を10分ほど過ぎたところで例によって静寂を打ち破るように速弾きのフレーズが切り込んでくる。客電が付いたままなので観客は「え?何?」って感じでしばらくは呆然としていたが、客電が落ち、ジミヘンのフレーズに導かれてRising Forceの「ドーン」というキーボードが聞こえてくると大歓声が起こる。予想通りマーシャルからのギターの音がデカいんだけど、予想してたよりは控え目。ヴォーカルは遠くで聞こえるって感じだけど。でもやっぱバッキングでウジャーウジャーと好き勝手にかき鳴らすギターがしっかり聞こえてすげーかっこいい。黒シャツ、黒の革パンツで文字通り飛び回るイングヴェイは確かに前回よりかなり痩せたように見える。

Rising Forceからは間髪入れずにNever Die。やっぱりドゥギーはサビになるとかなり苦しそうだけど、意外と聞き苦しくない。ただ、アクションも服装もかーなーりーダサい。頑張ってはいるんだろうけど。ギターソロ後はもうイングヴェイはリフを弾く気はまったくなく、ギターを投げたり掲げたりしながらグイーングイーンやってるだけでした。そうそう。まともに弾かなくていいからそうやって汚い音出しまくっててくれるのが好きなんです(盲目)。そしてさらにもう一発スピードチューンLocked & Loaded。重さのあるリフがかっこいいので新譜の中でも特に好きな曲だ。ただ、イングヴェイが言うと思ってた「ファイヤア!!」がなかったのが残念。ギターソロは雑ではあるけれどきちんとキレはある。この曲も怒涛のように終わり、アタマ3曲はあっという間に終わってしまった。バンドの演奏はタイトで、パトリックのドラムはオカズにはあまり魅力を感じないが安定感は抜群。

ここでようやくドゥギーがMC。「今夜はRISING FORCEとしての100回目のライブだ!」とか言ってるけど正直どこから数え始めたのかわからんのであんまりピンとこない。イングヴェイ自身はまったく意識してなさそう。んでもってここからが1回目の「いつもと一緒タイム」。毎度おなじみのヴァイオリン奏法やってから、パガニーニ。そしてアダージョ。そしてFar Beyond The Sun。まあ正直ハイハイって感じなんだけど、なんだかんだでライブで観ると興奮はする。ただ、イントロで一瞬ブレイクするところのドラムパートがすっげーダッサくなっててガッカリした。タンカタンカタン、って感じでおもちゃのタイコみたいなフレーズなんだもん。んでもってようやくここでキーボーディストのプレイをまともに聞くことが出来たんだけど、ニット帽かぶった小太りのオッサンっつールックスの割りにそこそこ面白いプレイをしていた・・・ような気がする。結局名前もわかんなかったんだけど。

エンディングではアメリカ国歌をプレイ。ブラジルで9/11のテロ後にプレイしたときにはブーイングの嵐を受け、その中で何度も弾き倒したっつー話があったけど、イングヴェイは政治的なことなんかきっと考えずに、ただ「ジミヘンだぜー」って感じで弾いただけなんだろうな。世界情勢が微妙なときでもそういうデリカシーのないことをやっちゃうイングヴェイが好きでした(盲目2)。86年のツアーのようにそこからFireになだれ込むなんてことはもちろん無く、ドゥギーが出てきて「今夜のレッスン1だ」とか言って今度はアコースティックギターでのソロタイム。例によってPrelude To Aprilだのバディネリをペケペケポキポキと弾き倒して、Dreaming。前回のツアーでのDreamingはなんかドゥギーが微妙にオリジナルのメロとは違うメロを歌っててそれがすごく気持ち悪かったんですが、今回は丁寧に歌っててなかなかいい。バンドが入ってきてからはドゥギーの歌はイングヴェイのアドリブにかきけされてました。こういう裏で弾くイングヴェイのフレーズがいいのよねー(盲目3)。

キーボードの音もフェイドアウトして一瞬の静寂が訪れた・・・という瞬間を狙ってイングヴェイがDemon Driverのリフで切り込んでくる。この流れはかなり燃えた。肘90度で前のめり、て感じ。ドゥギーの声域にも合っているし、場内もかなり盛り上がった(と思う)。続いて演奏されたWinds Of Warはイントロのドゥギーの手拍子がバンドのリズムと合ってなくて気持ち悪く、客もどういうリズムで手拍子していいのかわからなくなってて切なかった。しかしながらスピードチューンの多い今日のライブで初のヘヴィチューンということもあってかその重さが凄くかっこよかった。アルバム以上にドラマチック。

続くBaroque & RollもMCナシで間髪入れずにスタート。イングヴェイのライブにしてはすごくいいテンポ。イングヴェイもこの曲のプレイはなかなか。インストだけどアップテンポだからあまりダレなかったと思う。んでもってExileも続けてプレイされる。なんか曲のつなぎ方はヤケクソって感じ。

今回のツアーの目玉はこのExileだったと思う。なんつってもスピードがCDの倍はあるんじゃないかっつー超高速ヴァージョン。これはヤバかった。ギターソロの入りの部分、高音チョーキングがフェイドインしてくるところは「2005年かっこいい瞬間大賞1位候補」なんだけど、一応きちんとそこも再現してくれてたのが嬉しかった。

んでもって結局次のRevolutionも怒涛の流れでプレイ。この曲もCDで聞いたときは特にいいと思わなかったんだけどライブで聞いたら燃えた。曲全体としては「メロがいい曲だ」っていう印象ないんだけど、ところどころにグッくるメロが配されているというか。ATTACK!!とUNLEASH THE FURYにはそういうタイプの曲が多い。最初は物足りなさを感じてたんだけど、最近は逆に全編メロメロ志向に逃げずにそういう感じで「時々出てくる」ってとこが気持ちよくなってきた。気がする(盲目4)。

ってことでここまでの流れはイングヴェイのライブにしてはというか、普通に考えてもおかしいだろっつー感じの突っ走りっぷり。ヤバかった。元々イングヴェイのライブっていうのは「そういうもの」として諦めておかないといけないところが沢山あるライブだと思うんだけど、今回のここまでの流れはそういうのをあまり気にせずにその勢いに見も心も持っていかれたというか、正直珍しく興奮した。普通のライブだったらこういうのが当たり前なのかもしれないけど、こういう勢いをイングヴェイのライブで感じれたというのが嬉しい。

という俺の慎ましやかな喜びもここまで。ドゥギーの大仰だけどなんて言ってるのか全然わからないMCに導かれての「メインギターソロタイム」。Trilogyは今日は結構丁寧に弾いてた気が。昔B!の藤木が「2弦スウィープのところを3弦スウィープに変えて弾いてたことにガッカリした」と言っていたけれど、難易度はともかくとして俺は3弦スウィープになってるほうが好きだったりします。でも今日はしっかり2弦スウィープでした。お久しぶりのKrakatauを挟んでイングヴェイ一人遊びタイム(もうディレイ奏法は飽きた)。でも時間は結構短めだったような気がする。んでもって予想通りのCherokee Warrior。残念ながらイントロの「フンガー」「ユノウトキンバウ、ハハハ」の意味不明パートはなし。どうでもいいけどCDのこの曲のイントロ変だよね。なんでイングヴェイご機嫌なんだろ。誰としゃべっているんだろう。そういう意味不明っぷりがステキだ(盲目5)。

実はこの曲よりも俺はRed Houseのほうが好きなのであまり嬉しくはなかったんですが、かといって嫌いなわけでもなく。ただ単に「いつもと同じか」「このあとYou Don't Rememberやって本編終わりなんだろうな。アンコールでDon't Let It Endやってくれるかな。くんねーだろうな。どうせヒロシマぐらいだろうな」ということを考えつつ冷め冷めムードで見守ってました。

でもこの後コンチェルトの曲を挟んだ分いつもと同じ構成の長ったらしいソロタイムには変わりないものの、いつもより「1人遊びタイム」が少ないように感じたし意外とすっきり終わった気がする。さすがにぶっ続けでイングヴェイ弾き倒してきたのでソロタイムが終わるとドラムソロで休憩。でもこのドラムソロも意外と短いんだよな。2分ちょいぐらい。すぐにイングヴェイが戻ってくる。で、予想通りYou Don't Rememberが始まる。この曲もドゥギーちょっとキツいなあ。曲の途中にDemon's Eyeを挟む。全然好きじゃない曲だけどライブで聞いたら意外とそのグルーヴ感が気持ちよかった。この曲ではドゥギーがマイクスタンドを操ってデビカバみたいなこともやってたんだけど、これがもう様になってないこと萩原流行のカウボーイルックの如し。もうひどい有様ですよ。かっこいいってのとはかけ離れてた。まあ観てておもろいし愛嬌があるってことでいいか・・・ドゥギーカワユス、カワユスドゥギー・・・カツラが安っぽいよ・・・。

アンコールではまた「長いアコギソロ~Black Star」っつーウンザリな流れかな・・・と思ってたんだけど、今回はいきなりCrown Of Thorns。イングヴェイ的お手軽ネオクラ曲の悪いとこが詰まったような曲で、やっぱ全然好きじゃないんだよなあ。

んでもってアンコール2曲目はHiroshima Mon Amour。やっぱこれかあ。これ南海もやってるからすでにマンネリになってる気もするんだけど。Starcarr Laneやってほしい。で、この曲のドゥギーはオリジナルの歌メロをかなり忠実に歌って頑張っていたんだけど、ファルセットを多用しなくていけないこの曲ではそのファルセットのヘナチョコっぷりが逆に際立って聞いてて気持ち悪かった。

ラストはI'll See The Light, Tonightすでにやっつけ感すら漂う演奏だけど、それなりに場内は盛り上がっておりました。

ダレる時間が今までのイングヴェイのライブと比べて圧倒的に少なかったし、アンコールも俺好みではない選曲だっただけで勢いはあった。まあ後半は俺は完全に冷めてしまったんだけど、前半に感じた興奮は今までのイングヴェイのライブでは感じたことがなかった類のものだったし楽しみました。明日はCrown Of Thorns、Winds Of WarをCracking The Whip、Bogey Manをやってくれるんじゃないかと期待。

投稿者 trouble : 23:17 | コメント (0) | トラックバック

2005年12月08日

YNGWIEのライブ・雑記

えーと、12月14日のイングヴェイのライブチケットが1枚余っております。13列目、ほぼ真ん中という好ポジションなんですが、誰か定価で買ってくれませんかしら?よろぴく。

で、そのイングヴェイのライブに先駆けてBURRN!ではインタビューが。まあ写真だけだとやっぱ痩せたのかどうかはわかんないな。

結構インタビュー中には興味深い発言も多かったです。「SLIPKNOT、SYSTEM OF A DOWN、AVENGED SEVENFOLD等、クールなものばかりだ」ってのにはシビれた。ほんとに聴いてるんだろうか。なんか北欧のメロデス系のバンドもチェックしてるんかな、っつー発言もあるし。イングヴェイってクラシックがどうのとか言ってる割には「俺はヘヴィメタルをやりたい!」っていうこだわりが凄く強い人だよね。もうちっときちんとサウンドプロダクションとかきっちりアイディアを提示してくれる人がいるならそれこそそういう北欧メロデスの影響受けた剛健なサウンドにしそう。ROB ROCKのこないだのアルバムのサウンドとか聞かせてやりたいなあ。

んでもって同じように超アグレッシヴ志向でありながら技術(と予算?)不足でダメーなサウンドになっちゃったWAR TO END ALL WARSについて「時間があるときにリミックスするつもり」と発言してるのがめちゃめちゃ嬉しい。このアルバム好きなんだよね、ほんと。音さえよければ名盤だとマジで思ってます。まあつもりとか言っておいて結局このまましないで終わりそうな気もするので期待しないで待っていよう。

ライブについては欧州でプレイされてたDon't Let It Endが外されたのがツライ。代わりにセットに入ってるのが新曲ならまだしも、Bedroom Eyesだからなあ。いやBedroom Eyes嫌いじゃないんだけど、Don't Let It Endはそれ1曲のためにチケ代払ってもいいぐらい好きなんですあたし。ライブだとはるかにダイナミズムがあるし、この曲はトレードで手に入れた音源聴く限りはドゥギーもそれなりに歌えてるからすっげー楽しみにしてたんだけどなあ。

ただ、新作からはきちんと「聴きたい曲」をプレイしているのでそれなりに期待してます。ぶっちゃけヘタに過去の曲入れてドゥギーのダメっぷりが際立つぐらいなら前作のAttack!!とかRise Upを組み込んで全編アグレッシヴなムードで通して欲しい。

でもやっぱりセットの流れはいつものイングヴェイって感じみたいで「ながーいソロタイムが終わったらYou Don't Rememberやって終わり」って感じらしい。ここはなんとかしてほしいなあ。ソロタイムのあと1曲で終わるってなんかイヤだ。3曲ぐらいはやってほしい。

投稿者 trouble : 22:16 | コメント (0) | トラックバック

2005年06月04日

お。

悪意がこっちに向いたぞー!何か気に入らないことでもあったのかしら。

ってことでHammersmith Apolloのセットリスト。

Rising Force
Never Die
Masquerade
Revolution
Far Beyond the Sun
As above, So Below
Dreaming
Fugue
Red House
Trilogy
Rise Up
Don't Let it End
Demon Driver
Fugue
Baroque and Roll
I am a Viking
Trilogy
Seventh Sign
You Don't Remember, I'll Never Forget
Black Star
I'll See the Light Tonight

あっちでは新譜発売前ということもあってのこのセットリストなんでしょうけど、As Above, So BelowとDon't Let It Endて!!後者はめっちゃ好きな曲なので、例えドゥギーであっても聴きたい!歌えなそうだけど。Demon Driverは本当にやったのかな。他んとこの文章読んでみるとキメのとこだけじゃねーかって気もするんだけど。

新作の曲も聴きたいけどこの雰囲気のままのライブも観たいなあ。

投稿者 trouble : 19:10 | コメント (63) | トラックバック

2005年02月24日

Unleash The Fury / YNGWIE MALMSTEEN'S RISING FORCE

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Unleash The Fury / YNGWIE MALMSTEEN'S RISING FORCE

長文です。超長文。

どうも「イングヴェイはクラシックの影響を受けていて高尚だ!」とか「イングヴェイの魅力はクラシックに影響を受けた美しいメロディーだ!」とか言いたがる耳の腐った人が多いんですが、そういうこと言ってる奴は信用してはいけません。

イングヴェイの「クラシカル」っていうのにみんなどんだけ気品とかを感じてるかはわからんけど、俺が聞く限り彼のクラシックは本当の意味でのクラシック感覚というよりは、田舎の金持ちが「これがロレックスだべ!」「シャネルってのは高級なんだべ!」「本当の金持ちはゲージツを学ばないとな!」ってアピールしているようなのに近い気がするんだよね。いやイングヴェイは本気で好きなんだろうけどさ、その根っこにある人格的なとこにそういう下品さがあるというか。

とは言うものの、最初からイングヴェイが下品全開だったかというと、そういうわけでもない。20代の頃の彼の音楽には、中学生が権威に向かって自分の力を誇示しようとするような甘ったれたトゲトゲしさと、その裏側にある思春期的ナイーヴフィーリングが随分と表れていて、それが彼の音楽を北欧的ダークでアグレッシヴなヘヴィメタルの中に繊細な美しさを共存させるという「ネオクラシカルヘヴィメタル」たらしめていた。

今聞き返すと20代の頃の彼の作品は本当にナイーヴで彼自身の自己顕示欲と繊細なパーソナリティが強く表れており、ROCKIN' ON的な視点でも十分に語ることができるだけの文系ロック感覚があったと思う。もちろんそれに留まらないメタメタしいアグレッションも満載だったけど。

しかし、この若者ならではのナイーヴさを維持し続けるのは難しい。イングヴェイもそのナイーヴさを美しさと繊細に昇華させていたのは20代の間までだった。30歳を過ぎた頃からそのナイーヴさは大人の世界で身に着けた傲慢さに置き換わり、それと同時にナイーヴな感性から生み出されていた美しさと繊細さは傲慢さから放出される下品な雰囲気と野太いグルーヴに取って代わった。

よくイングヴェイの作品を語る際、交通事故前と交通事故後、もしくはポリドール時代とそれ以降というように分けることがあるが、俺にとってイングヴェイが変わったのは30歳っていうのが大きな分岐点になっていると思う。最近の作品に否定的な人は押しなべてそのナイーヴだった頃のイングヴェイを求めているんだと思うけど、それはぶっちゃけ40の男に「なんでお前ヒゲ生えてんだよ生やすんじゃねーよ!」と難癖付けてるようなもんで、何をいまさらって感じ。

で、何が言いたいかっていうとイングヴェイの魅力っていうのは下品なカッコよさにあるわけであって、クラシカルなフィーリングってのは後付けの装飾にすぎないってこと。

今回のアルバムは、イングヴェイ自身が初めてそのことを自覚して表現したような感じがある。今までは自分でもどっちが自分の魅力か決めあぐねているところがあって、そのせいで最近の作品にはやや中途半端なもどかしさを感じるものが多かった。特にATTACK!!はそんな気がする。でもUNLEASH THE FURYには「俺の魅力はこういうヘヴィで下品なグルーヴだろ!これがロックなんだよバーカ」っつーステートメントが込められているような感じがして個人的には痛快だった。

もちろん歌メロの弱さに関してはいかんともしがたいところがあるしギターソロのコード進行っつーか展開はマンネリを超えて「そういう展開にすると決めてある」ぐらいワンパターン。音質だって例によって悪い。このアルバム聴いたあとに聴く他のバンドのどのアルバムもまず「うわ、音いいな!」って思うぐらいだし。しかし、今回はそういうのってどうでもよくね?って思えるだけの勢いとエネルギーがあると思うんだよね。リフの音はファットで、ドラムもバタバタやかましい。ベースは大人げないし、手癖だらけであってもギターソロはピロピロっていうのとはまた違う鋭さで切り込んでくる。音の汚さも今回は別にマイナスに作用してないと思う。曲数にしてはやっぱ省けばもっと締まっただろうなとは思うしCrown Of Thorns, Beauty & A Beast, Revelation, The Huntあたりはカットしてもよかったかもしれない。まあもっといらないのはクラシックのカヴァーなんだけど、この恒例のカヴァーがあるとイングヴェイの大阪のブランドおばはんみたいな下品さが強調されるから残しておこう。でも、意外と冗長さを感じなくね?

今までのイングヴェイの作品で「曲がいい」って思えた瞬間は何度もあったけど、「カッコイイ」って思えたアルバムはあまりない。そういう意味では完成度はともかくとしてイングヴェイ史上もっともカッコイイアルバムが今作であると思う。Locked & Loaded, Cracking The Whip(ノイズがかっちょいい)あたりの「美しいメロよりもカッコよさが重要だ!」みたいなのはかなりいい。まあそれだけにこのヴォーカルのショボさがもったいないんだけどさ。全曲イングヴェイがダミ声で歌ったほうが良かったんじゃねーかな。

あとね、そもそもSEVENTH SIGN以降のイングヴェイは「ネオクラシカル」ではないわけで、だからこそ「ネオクラシカル」という視点でフォロワーの完成度と比較するのは90年代初期ならまだしも、今となっては完全に無意味だと思うんだわ。イングヴェイは「クラシカル」という装飾を用いての「ロック」作品を作る中で、そのフォロワーたちとはまったく違う次元のカッコよさを追求しているわけだし今回そのカッコよさという点ではかなり実現できていると思う。音楽に機能性しか求めない人にはそういう感覚はおそらく理解できないと思うけど。まあ表面的なキレイキレイ音楽を聴きたいならひたすらママに選んでもらって聞いてればいいと思うし、どっちにしてもお上品な音楽で表現できる美なんて麻生久美子のアゴのラインの美しさと比べたらウンコみたいなもんだ。こうなったら音楽に何を求めようが人の勝手だみたいな意見は無視だぜ!いぇーい!

そういうわけで、俺はこのアルバム好き。オタクっぽいフレーズの積み重ねでオタク向けの機能性オンリーのネオクラしか作れないフォロワーたちの中でイングヴェイのように「かっこいい」と思える音楽を作ったアーティストなんかいないわけで、そもそもの格の違いをまざまざと見せ付けたアルバムだと思うよ。いや別にフォロワーと比べてる人に対してこうして理論武装したりするなんてのも無意味なんだけどさ。理論武装しなきゃ聞けないアルバムでもなくて、単純に熱くて下品でかっこいいアルバム。

と、書いておきながら実はこのUnleash The Furyがそこまで素晴らしい作品だとも思ってないんだけど、どうも「最近のイングヴェイのかっこいいとこ」をきちんと理解してる人って少ないよなあ、というもどかしさで長々と書いてきたわけです。ここ数年思ってたんだけど、イングヴェイが比較される対象はザック・ワイルドとかMORTORHEADのレミーみたいなキャラのアーティストだと思うんだけどどうだろう。音楽性はまったく違うが表現しようとしていたロックのカッコよさについてはこの両者のベクトルに近いものがあると思うんだよな。

ということで発売後3日間聞きまくっている最中の感想でした。今後また変わったら「YNGWIE」カテゴリーでちょろちょろ追加していこうと思います。

投稿者 trouble : 18:16 | コメント (72) | トラックバック

2005年02月22日

ファーストインプレッション

買ってきました。Unleash The Fury。いくらAttack!!に免疫が出来たとはいえ、最近のイングヴェイに期待しすぎるとなあ、と思って聞く前から「絶対いいはずない」と思って聴きました。

あれ。

いい。

妙にクリーンに整理されていたAttack!!よりも今回は単純にヘヴィでかっこいい。飽くまで今までの作品と比較してなんだけどアグレッションがすげー高い。予想通りパトリック・ヨハンソンのドラムがかなり貢献してるんだけどイングヴェイのギターも超下品な感じで最高。ソロはやけにキレが良くてピロピロって感じじゃない鋭さがあるし、何よりリフの下品さがたまらん。最近のイングヴェイの本質が非常によく表れていると思う。ザック・ワイルドとかのヘヴィネスとかに魅力を感じる人のほうが今作を素直にかっこいいって言えるんじゃないかって気がする。下手すりゃJUDAS PRIESTの新作よりも「メタルとしてのかっこよさ」があるんじゃないの?(まだ聴いてないくせに言ってみる)いやそりゃ言い過ぎか。「ロック!」だとは思うけど「メタル!」って感じでもないもんな。

お美しくて気品あふれる高尚なクラシックメタルをご希望の「にわかイングヴェイファン」にはなんのこっちゃな作品かもしれないけれど、「イングヴェイの本質は下品で、どうしようもなくロックなところ」だときちんとわかっている俺みたいなきちんとした耳を持っているイングヴェイファンにはこの作品の魅力が伝わるんじゃないかしら。俺の前で「俺が世界で一番イングヴェイを理解している」って言ってた二人はどうなのかしら。世界一イングヴェイを理解している三人、って「世界三大七不思議」みたいでいいね。

Let The Good Times Rollの歌メロは93年に録音されたイングヴェイ史上最高に速いEvilの歌メロを転用してるね。とネタメモ。

イングヴェイについてはかなりキモーい長文を書きかけているのでそれと併せてこのUnleash The Furyのレビューにしようと思ってます。それを書き終えるまでに「やっぱつまんないな」と思ったりしませんように。

なんか使われる写真のイングヴェイは全部「チュー」って感じの口になってるのでアルバムタイトルは「ファースト★キス」とかのほうがよかったと思う。

投稿者 trouble : 19:19 | コメント (5) | トラックバック

2005年02月16日

You've unleashed the fucking fury!!

いやいや新作のタイトルはどうやら本当にあのテープの中の名セリフが由来みたいっすね。

あのテープっていうのは88年にイングヴェイご一行が来日公演のためにアメリカから日本への飛行機に乗っているとき、しこたま酔っ払ったイングヴェイが他の乗客とトラブルになり、口汚く罵ったりしてる様子をバンドのメンバーがこっそり録音し、数年前にネット上に流したという笑えるテープ。

まあこういうの録音するのはヨハンソン兄弟のどっちかだろうなあって気はするんですが、本物だったのね。捨てずにとっておいてよかったぜ!とダメなコレクター根性。いや今でも普通に色んなとこにアップされてるんだけど。

というわけで新作発売が間近に迫ってきた今、ATTACK!!を聴きなおしてます。発売当時はもうダメだこりゃあ!って感じで投げちゃってたこのアルバムなんですが、ようやく免疫が出てきたようでイイって思えるようになってきたかも。新作の曲をラジオで何曲か聴いたときも思ったけど、イングヴェイって最近は「明確なサビ」ってのがあんま好きじゃないみたいだよね。サビはタイトル連呼なだけだったりさ。Attack!!あたりはわざとわかりやすいメロを避けてる気もするし。最近の彼はそういう歌モノとしての完成度よりも突進感やヘヴィネスを追求してるわけで、そう思って聴いてるとATTACK!!も意外と悪くない。Rise Up, Attack!!, Ship Of Foolsあたりは好きになってきたよ。速い曲はパトリック・ヨハンソンのドラムとブリブリした弦楽器隊の疾走感が気持ちいい。いやAttack!!はすげーハマったかも。何そんな急いでるんですか?っていう性急さがかっこいい。

そうやってATTACK!!を復習して無理やり好きになりつつ新譜のリリースに備えるという盲目ファン全開のヲタ遊びの中で2002年のツアー音源をいくつか聴いてみたんだけど、こちらもツアー前半だった川崎・東京公演こそダメダメなものの、広島、大阪あたりはバンドにまとまりが出てきてかなり聞きごたえがある(ソロタイム飛ばせば)。パトリック・ヨハンソンの重さ・キレ、疾走感のすべてを兼ね備えた理想的なドラミングに引っ張られた演奏は鳥肌モノだ。大阪公演はイングヴェイのギターもアホみたいに音がデカくて下品でかっこいいし。ラウドなことは美しきかな。

やっべマジ楽しみになってきたかも。歌メロの美しさとかクラシカルな高尚さとかどうでもいいから下品なの一発かましてほしいぜ。

投稿者 trouble : 20:50 | コメント (184) | トラックバック