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2007年04月26日

The Destruction Of Small Ideas / 65daysofstatic

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The Destruction Of Small Ideas / 65daysofstatic

なんかポストロック界のBIG IN JAPANになるんじゃないかっつー雰囲気になってまいりましたが、新作が出ました。

MOGWAI meets APHEX TWINていう表現が一人歩きしてしまったけれど、今作に対してそういう表現はさすがに出てこなそう。依然としてサンプリングを多用しつつもバンドの生々しさを前面に押し出した感がある。前作まではダンサブルという表現が可能なリズムの煽情力が高い曲もあったが今回はそういう雰囲気の曲があまりない。辛うじてトランスっぽいサンプリングが印象的な The Distant & Mechanised Glow Of Eastern European Dance Parties(なげーよ)にそういう側面があるぐらい。

だからパッと聴くと肉体性に訴えかけるという意味では地味になったように感じるかもしれない。しかし、ダンサブルな攻撃性を抑え目にすることでジックリ風景を描写した分得たものも大きいというか、1st2ndに比べてこの3rdでは曲の出来のムラが小さくなっただけじゃなくて各楽曲のドラマ性がさらに高まり、聴き手をその世界に引きずり込む力がさらに強まったと思う。全体的にぐっと底上げされた感じがする。中盤からドラマチックに加速するDon't Go Down To Sorrowは素晴らしいし、These Things You Can't Unlearnに代表されるような、曇天の暗い空の下で空爆を受けて街が破壊されていく際の諦めと悲しみに満ちた嘆きのBGMというか、破壊的かつ絶望的な状況下での絶叫を描いたかのような曲が素晴らしい。ラスト2曲のWhite Peak/Dark PeakからThe Conspiracy Of Seedsの流れもかなりカタストロフってていい。後者には絶叫と歌が入ってるんだけどどちらも妙に素朴で迫力がなくて、それが逆に生々しさを感じさせる。

様式化してしまったボレロ型ポストロックとはちょっと違うというか、特に焦らしもタメもなく躊躇無く激情を叩きつけてくるので即効性が高く、ポストロック云々というよりも暗黒プログレメタル的とも言えるかも。その即効性の高さからクチうるさ方には子ども向けと思われるかもしれないけれど、俺はやっぱこういうわかりやすさ好きだな。子ども向けバンザイ、LORDIバンザイ!

それだけに、今回残念なのがこの音像。なんかこじんまりとしちゃってる感じがするんだよなあ。デモテープを128kbpsのMP3にしたような音だ。もっとスケールの大きさを感じられるプロダクションでやって欲しかった。特にドラム。なんかボスボスした音にも違和感あるし。音楽そのものの説得力はさらに高まっているだけに、すごくもったいなく感じてしまう。なんでこんな音なんだべ。

まあライブで聴くとそのモヤモヤは払拭されるので(と言いつつこのバンドのライブって結構ムラが大きい)早く再来日して欲しい。前回聴けなかったWax FuturesとThe Conspiracy Of Seedsを生で聴きたい。

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2007年04月19日

VICIOUS RUMORS & RIOT at 渋谷クラブスカトロ

EUROPEは現役バンドとしての気迫を感じられるライブだけど、さすがに今日のライブはオッサンオバサン向けのノスタルジー満点だろう、とすっかりナメ腐った気持ちでクアトロへ。いやあこちらもEUROPEに負けず劣らず年齢層が高いぜ。とか書いて若ぶってる俺も、確実に「オッサン側」ですよね。

■RIOT
新作を出したVICIOUS RUMORSはともかく、こっちはもう完全にロートルの集金ライブだろう・・・と思って観てたんですが、ダメだ、やっぱ燃えてまう。俺はTHUNDERSTEEL以降NIGHTBREAKERまでしかきちんと聞き込んでなくて、その前は有名曲だけ、その後は流し聴き程度しかしてこなかったのでファンてほどでもないし、ネイティヴ・インディアンのアルバム(タイトル忘れた)んときの来日公演はチケット取ってたのに川崎まで行くのがめんどくさくてパスしちゃったというダメリスナー。

んでライブ自体もやっぱノスタルジーライブなんだけど、やっぱこれはこれで盛り上がってしまいました。今回のライブで一番の貢献はやっぱヴォーカルとして参加してたマイク・ティレリかしら。4人のヴォーカリストが歌ってたそれぞれの曲を広い音域と安定感ある歌唱で痒いところに手が届く歌を聞かせてくれました。ウマイじゃなくて「お上手」って雰囲気のソツのなさなんだけど、ソツなく歌えるってのもそもそも凄いよね。ただ、シャツはピッタリしててキモイし姿勢が良すぎてかっこ悪かったですけど。

昭和の薫り漂うRIOTの代表曲をズラりと並べたセットリストもこのヴォーカルだからできたって感じよね。Johnny's Backとか燃えました。

ドラムのバタバタさはあまり気にならないというか、バタバタしてても音がデカかったので満足。んでもってマイク・フリンツのギター。流麗なソロでの小技がぐっと来る。昨日のジョン・ノーラムに続いて2バンド続けてのレスポール祭でした。あ、でもマーク・リアリはまったく印象に残らんかったな。いたっけ?

■VICIOUS RUMORS
一方VICIOUS RUMORSは、音楽そのものが昭和とか時代性にしばられないエヴァーグリーンなメタル色だし破壊力がきっちりあって痛快でした。ドラムはスネアの音が妙に作り物っぽくて最後までイヤだったんだけど音圧は十分だしカッコよかった。ラリー・ハウはいい年だろうにすごいな。バックコーラスもかなり歌ってたし。

ただ、場内の猛烈な盛り上がりとは裏腹になんか俺んなかでは選曲がビミョーに外れた感じ。Out Of The ShadowsとかEnd Of The Earthが聞きたいってのは贅沢なんだろうけど、その全体的な不満足感は音像としてカッコよくとも曲があんま好きになれなかった新作からの曲はやっぱライブでもイマイチだった、ってのも大きいか。演奏はいいと思ったけど。あと、ヴォーカルも高い声は出るけど苦手とするメロディーラインがかなり多そうだったし俺はあんま好きになれないなあ。

まあそうは言ってもDigital DictatorだとかYou Only Live Twiceみたいな名曲をいまだにパワフルでカッコいい演奏で聴けるってのはたまらなかったです。

投稿者 trouble : 23:25 | コメント (0) | トラックバック

2007年04月17日

EUROPE at 新宿厚生年金会館 初日

ノスタル自慰してきました。

と書いてみたけれど、前回のツアーと同じく、いや前回以上に現役感バリバリのかっちょいいライブでした。この手の再結成バンドはどうしても全盛期の曲中心のライブ+最近の曲1曲とかみたいな構成になりがちなんだけど、EUROPEはそういう意識での再結成ではないってのは前回のツアーで証明済み。で、今回も新作から5曲もやってました。前作からも3曲。別に新しい曲やるからいいってわけじゃないんだけど、過去の曲をリピートすることが目的じゃなくて今の自分たちが歌いたい歌を作りたいからバンドをやっている、てのが感じられるバンドのほうがやっぱよくね?ボクリン青すぎ?前のツアーんときにも感じたけど過去の栄光にとらわれず、きちんと前進突破しようっていう気合があるってのがいい。

で、そういうアティテュードに関する能書きは置いといてライブなんですが、正直アタマではずっこけた。音小せえーそしてドラムが全然響いてこなーい。オープニングのLove Is Not The Enemy好きな曲なのに!としばし呆然。場所のせい?会場の音響のせい?

結局音圧は最後まで物足りなかったんですが、とりあえず2曲目に大好きなAlways The Pretenderが演奏されちゃったもんで出音よりもその音楽の素晴らしさにガッツリ引き込まれてしまいました。BON JOVIんとこのジョンは40過ぎても相変わらず野暮ったくてダサいパフォーマンスだけど、ここんちのジョーイは40過ぎても相変わらず王子様て感じ。アクションの一つ一つが完成されてんだよな。女子(平均年齢35歳オーヴァー)の心を掴む腰フリ、コブシを振り上げるタイミング、ポーズ、すべてが決まってます。多少M字退行してるとは言え。

んでもって今日凄かったのは各所で言われてる通りジョン・ノーラムのギター。ヘヴィなリフもカッコいいんだけど、ソロがパネェ(←すぐ若者言葉を使いたがるかわいい俺)。前回のツアーでは弾ききれてなかったSuperstitiousの速いパッセージも正確に弾いていたし、何よりそのビブラートとチョーキングがかもし出す粘っこい色気がもう絶品。音聴いてると思わず「あーぅ」と腰砕けちゃうんすよ。3曲目ぐらいからヅラである前半分の髪の毛と後ろ半分の地毛のコントラストがハッキリしてくるんだけどそんなことお構い無しにまさに「ギターを顔で弾くとはこういうこと」とばかりに18歳未満には見せられない顔でギターを弾きまくる。いやあ素晴らしすぎです。

新曲以外の選曲は前回もやったお決まりの曲ばかりで正直Yesterday's News以降はもう少しヒネって欲しかったけども、場内の盛り上がりはかなりのもの。ここらへんを求めてきてる人もやっぱ多いんだろうな。でも、前回のツアーと比べて明らかに新作からの曲に対する反応はよかったし、ようやくバンドの現役でありたいっていう強い気持ちがファンの間にも浸透してきた感じがしてオッサンは嬉しかったですよ。 ていうかそういうのを受け入れられる人だけが残ったってだけか。

ちなみに今俺がEUROPEで一番好きな曲はStart From The Darkだったりするんですが、この曲はやっぱライブで聴くと威力あんなあ。この曲に限らず再結成後の曲はどれもライブでいい。Always The Pretenderもそうだし、Forever Travelin'のほのかな哀愁も素晴らしかった。新作はやっぱいいアルバムだよなあ。Devil Sings The Bluesも聴きてーな。

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2007年04月12日

ゆれる

映画観たいなーと思っていたんだけど男一人でハッピーフィートとか観に行く気分にもなれなかったので久々に目黒まで行ってオダギリジョー主演の「ゆれる」を見てきました。不動前に住んでたのに目黒シネマに来たのってずっと昔に「運動靴と赤い金魚」と「リトルヴォイス」の2本立てを見に来て以来。

うーん。キツかった。ストーリーについて言うなら、兄がいい人なのか結構サイコなのかわからないし、弟が嘘の証言をした意図も、本当にそう思っていたのか嘘をついてたのかよくわからん。最後に本当に自分が見た光景を思い出したってこと?あとは法廷シーンのやり取りや演技があんまりすぎるし(これは「それでも僕はやってない」を見た後だからかな)。

まあそういうとこはおいとくにしても女性監督ならではの男兄弟への感覚的誤解があるような気もするし、見苦しいロマンチシズムとナルシズムみたいのがとにかく鼻についちゃうというか。キレてしまった兄の後ろでホースが水を撒き散らすシーンとか寒風に吹かれて揺れるブランコとか引きの固定カメラの前を軽トラックが横切っていくシーンとか、なんかどれも「こういうシーンどう?あたしのセンスどうよ!」みたいのが押し付けがましく感じちゃって。この映画評判いいみたいだけこういう目線に対して抵抗がないってことはきっとその人もそういうナルシズムに耽溺してんだろうな。って評判いい映画にこういうこと書く俺こそが歪んだ自己肯定感とチンケなナルシズムに埋没してるんだと思うんですけども。ていうかこうやって人の感覚に文句つけたあとに「いやそういうのは俺のほうなんですけど」みたいなセルフフォローが俺の得意なバカの一つ覚えです。

これ観るの女性だったらまたちょっと印象違うんかなあ?性差を意識しすぎ?

小説を薦めてくれた人によれば、そっちには藪の中的なとこもあるらしいし素直にストーリーを楽しめそうなんでそっちを読んでみよう。

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2007年04月11日

LORDI at 渋谷O-EAST

行ってきたよ。付き合いで。こういうのを好きな人がイヤな気分になるような感想が書けるライブだといいなあ!という意気込みで。

いや邪悪じゃねえとか悪ノリが足りねえとかってそりゃそうなんだけどさ、そもそもこのバンドて音楽も含めてディズニーの1アトラクション的な「ファミリーでもご安心して楽しめます」っつー予定調和ファンタジー安全世界での高品質商品なわけで、そこに過激さとか悪意を求めるのはサザエさんにはレイプシーンがないからダメとかさだまさしはデス声がないからダメとかそういうもんだと思うんですよ。デス声なくてもダークだけどな、さだまさし。

ギターソロはすべて指一本で弾けそうなフレーズばかりなのにそれをたどたどしく弾くということでスリルが満点だったり、高校生が練習してるみたいなドラムによって思春期的な甘酸っぱさを演出したり。そのあたりとってもイモゥショナルなハードコアでした!

という演奏面での揚げ足取り的なとこは正直あまり気にならなかったというか、ソロでは気になるんだけどバンド全体のサウンドとなると非常に生真面目なまとまりがあった。演出が欧州でのショウに比べてショボいとかあったけど、十分にエンターテイメント性の高い、立派なパフォーマンスだったと思います。

そういう意味では今日のライブってのはバンドが提供していることと観客が求めていることが一致しててヒジョーに盛り上がったライブでした。かいじょうにはろるでぃのめんばーになれちゃうようなぶるーたるなるっくすのおばさんがいっぱいいました!あれはこすぷれだったのかな?それともおともだち?ちょーりあるだった!

でもまあ結局、俺個人としては「だからこういうの嫌いなんだよね」っつー確認にしかならなかったりして。そういうのわかってて行ったんだから予定調和は俺の方なんですけどね。あまりに楽しくて立ったまま寝ちゃった。いやあいくらよく出来てるつってもそこで表現されてるものが何かっつー話だからさ。莫大な予算と最先端テクノロジーを使ってその世界観の中で最高のものを作った!って言われてもそれがアンパンマンだったら見せられてもキツいんです。ほんとろっくだね!かげきだね!見せられたんじゃなくて自分で観に行ったんだろ俺は!そこがいい!かわいい!なーんてバカにしつつもフェスで沢山バンド観る中で途中これが出たら楽しめちゃったりしそう。

LORDIは完結した世界観の中で「こんなもんでしょ」なレベルの音楽なりパフォーマンスを再生産してるに過ぎないってとこにもケチつけたくなっちゃうけど、別にそれはそれでいいんだよね。「ママとボクが一緒に楽しめる」とか皮肉っぽいフレーズをアタマにつけたってそれはそれで立派な商品になりうるエンターテイメントなんだから。でも、いい大人がああいうの見て喜んで「見た目の割には曲がいい!」とかっつって真剣にその音楽的内容を賞賛してるの見るとさ、笑えるっつーかお前らそんなに普段の生活に疲弊してんのかと。ここまで低年齢向けのエンターテイメントじゃないと楽しめないぐらい退行してしまうような過酷な生活送っているのかと言いたくなってしまいます。

いや-でもやっぱみんな大変なんだよ。俺みたいに苦労を知らず、ダラダラ二酸化炭素を吐き出すだけの生活を送っている人間が「お前らそんなに疲れてんの?」とか言うなんて思い上がるにもほどがある!ひびがんばっている、いっしょうけんめいなひとたちが、ろるでぃのらいぶにはあつまるんだ!だからこどもにみせてもだいじょうぶな、ぴゅあならいぶになるんだ!それはすばらしいことなんだ!

とか書いてて気づいた。安心安心書いてたけど、こういう俺みたいなちょっとシタリ顔したい年頃の自称ロックファンの「俺は本当のロックわかってるぜ優越感」を発動させるのがLORDIの狙いなんだ。悪意に満ちたバンドには悪意は生まれない。むしろ、悪意皆無なバンドのほうがこういう幼稚な悪意を生み出すきっかけになる。やつらはそれを狙ってるんだ。やべー猛烈に危険なバンドじゃん。ブルータルで過激じゃん。

なんてくだらない文章なんでしょう。すいませんでした。

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2007年04月04日

Take To The Skies / ENTER SHIKARI

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Take To The Skies / ENTER SHIKARI

アルバムが発売されるかなり前からスカパーの音楽チャンネルではヘヴィローテーションで、俺もそのビデオを観て興味を持ったクチです。レイヴ meets メタルっつーサウンドで騒がれていますが実際はメタルというよりもスクリーモ。そこにアイノリのBGMみたいなピコピコキラキラしたシンセサウンドが乗る。

もともと「こういうのとこういうのをわかりやすく混ぜちゃおう」っつー音楽は大好きなのでビデオで最初に見たSorry You're Not A Winner、Anything Can Happen In The Next Half An hourあたりには一発で煽られました。ただ、こうしてアルバムとして聞いてみると上記2曲以外はどうにも中途半端な印象がぬぐえないというか、もともとスクリーモとしてイマイチな楽曲に無理やりトランスサウンド乗せることでちょっと面白くはなったけれども結局基盤がまだできてないんじゃな、みたいなさ。歌詞も含めて「これやったら新しいんじゃねーの?」とアタマで考えてやってはみたもののそれが実を結ぶにはまだ時間がかかるかな・・・と言う感じでPROTEST THE HEROとはちょっと逆の印象。なんかイギリスのバンドらしい「アタマ先行になって肉体がついてきませんでした」みたいな雰囲気。

また、ケガ人続出なほど過激に盛り上がるライブについてもアルバムについてくるDVDだけ観るかぎりは演奏ショボいしあまりその凄さは伝わってこない。

でもまだ1stだからな。今後もっと経験が反映されて、自分たちの強みをうまく使えるようになったら急にすげーアルバム作っちゃうかもしれない。とりあえずサマソニでライブは観てみたいし今後に期待はしたいです。

投稿者 trouble : 21:18 | コメント (38) | トラックバック

2007年04月03日

Kezia / PROTEST THE HERO

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Kezia / PROTEST THE HERO

一昨日のパンクスプリングではやや不完全燃焼なライブだったんだけど、やっぱアルバムはいいなあ、と思ったのできちんと感想をアップします。

海外でのリリースは昨年、レコーディングは一昨年とかなり時間が経ってから日本盤がリリース。夏ぐらいにタワレコでちらっと試聴して「気になるバンドリスト」に入れてあったんだけどビビリの僕はネット上で評判がいいことを知った秋になってようやく購入、しかもしばらくほったらかしにしといてきちんと聴いたのは11月も末ぐらいっつー正しきオブジェメタラー。で、年末年始に自分のヲタ心と自己顕示欲と向き合う行為である「2006年のベスト選び」でいろいろ聞き返してようやく「うわこれ好きかも」となったのでした。

そのベストにチョイスしたとき「MARS VOLTAとINTO ETERNITYが衝突してスクリーモ風味の強いテクニカルでちょっとケオティックなハードコアメタルやってますみたいなサウンド」て書いたんだけど、他にもSYSTEM OF A DOWNとかDILLINGER ESCAPE PLANだとか果てはDREAM THEATERまで様々なバンドが例えに使われてるのもうなずけるごった煮サウンド。でもまあそういう変態系なサウンドを標榜しているバンドは今の時代いっぱいあって別に珍しくなくなってきてる。そんな中で俺がこのバンドに惹かれたのは歌メロの魅力によるところが大きい。

最初はどちらかというと若さにあふれたツッコミ気味の勢いでバタバタとめまぐるしく変わる展開とピロピロとしたギターや突進力のあるドラムのインパクトなどによるメタル的重量感・スピード感の融合っつーどちらかと言えば激烈なパートの印象に押し流されがちなんだけども、その情報過多とも言える音楽のところどころに織り込まれたメロディーが非常に俺好みってとこがたまらなく魅力的なんだよなあ。

この手のバンドの中では(っていうほど色んなの聴いてるわけじゃないんだけど)結構典型的なスクリーモ声による歌メロのキャッチーさ、叙情性と激パートからメロウなパートへの場面転換における煽情力が際立ってると思う。そのへんが一番如実に表れているのがビデオクリップにもなった6曲目のBlindfolds Asideだと思う。緊張感あふれるパートから強引に救いを感じさせるギターソロに展開するところなんかも僕のハートにドンズバです。

全体的にはアタマで考えて「ここでこういう展開するなんてすげーだろ!」と言いたくて仕方のないってところも確かにあって、沢山の要素を詰め込みすぎて「俺たちはすべての音楽に対してオープンなんだ」っつー気負いが押し付けがましく感じられることもある。インタビューやライブでのMCなんかを聴いてもかなりそういうこと意識してるような雰囲気だし。ただ、このアルバムの音の印象は「だからアタマでっかちなだけ」にはなってなくて、その意気込みの過剰さがうまく表現衝動と結びついているように聞こえる。そのへんも素直にこのバンド好きだなあって思える所以かもしれない。

このアルバムを制作したときはまだ高校生ぐらいだったという彼らにとってはまだ「自分はこんなこともできる」ということをすべて出さないと気がすまなかったんだろうし実際それは実を結んでると思うけれど、今後彼らが人間的成長の過程の中で「そんなに力まなくていいんだ」と学ぶことでどのような変化を遂げていくかも楽しみ。いや、やっぱいつまでもこの過剰な表現衝動をもち続けていて欲しいってのが本音かも。という「それはオマエが勝手にそう思ってるだけだろ的ロキノン・スヌーザポエティックミュージシャン内面妄想と私小説化」ジメ。

投稿者 trouble : 21:40 | コメント (215) | トラックバック

Good Morning Revival / GOOD CHARLOTTE

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Good Morning Revival / GOOD CHARLOTTE

2ndの頃の彼らのイメージもあってどうにも聞かず嫌いしてたバンドなんですが、スカパーでKeep Your Hands Off My Girlを観たらニューウェーヴ、ゴスっぽいのがなんか妙に気持ちよく、さらにThe Riverがアップテンポで哀愁漂うメロが印象的な好きなタイプの曲だったんで今更聞いてみようという気が起きて、新作を買っちゃいました。

で。ちょっとパンキッシュな彼らのサウンドが好きだった人たちには今作はイマイチ受けが悪いのかもしれないんですが、このバンドに思い入れなんぞカケラもなく、パンクよりも哀メロポップロックを愛する僕りんにはど真ん中のサウンドでした。クラブでDJ活動してるっつー影響なのかパンクっぽいビートというよりももう少し踊りやすいリズムというかでキーボードによる味付けも随所に効果的に使われててナイス。

昨年のPINKとか今年のFALL OUT BOYとか、ロックだとかパンクだとか関係なく、とにかくポップアルバムとして完成度が高い作品だったと思うんですが、今作もまさにそんな感じ。とにかく曲のよさに尽きる。特に前半のテンションの高さはすげえ。ビデオクリップになった2曲だけじゃなくて他の曲もどれも職人芸と言いたくなるような出来のよさ。

MiseryのイントロはLINKIN PARKっぽいしTHE KILLERSの2ndよりもTHE KILLERSらしいDance Floor Anthemとかt.a.t.u.みたいなVictims Of Love、トドメはまんまCOLDPLAYなWhere Would Be Nowと、ここ数年の(ビミョーに古いのも混ざってますけど)ポップシーンおいしいどころドリ集大成て感じですが、そんなネタを含めていいアルバムだなあと思います。とことん商品として質の高い作品で、逆に言えばロックとしての存在感は非常に希薄かもしれないけども、ここまでしっかり作りこまれているのであればそこに文句つけるよりも、素直に楽しめるアルバムとして大事にしたいなと思います。

投稿者 trouble : 21:15 | コメント (344) | トラックバック

2007年04月01日

パンクス・プディング

パンクのパの字も知らない僕がパンクスプリングに行ってきました。

話題のマキシマム・ザ・ホルモンから観ようと思って頑張って早起きして会場入りするとすでに超コミコミ。さすがソールドアウトなだけある。しかもヤングばっか。ラウドパークと10歳ぐらい平均年齢が違う気がする。

マキシマム・ザ・ホルモン
まだ3番手だってのに凄いヒトの入りでその人気っぷりにびつくり。オープニング2曲はなんかSYSTEM OF A DOWNの劣化コピーみたいな曲でつまんねーなーと思ってたんだけど3曲目が絶望ビリーだったかな?このへんから盛り上がってきた。

最初は女子ドラムっつーことでライブはキツいんじゃないの?と思ったんだけど実際見たらあんま気にならなかったな。フリーそのまんまなパフォーマンスの割に音の存在感は薄めなベースのほうが気になったかも。音楽的にはわかりやすいミクスチャーロックをベースにSYSTEM OF A DOWNをブレンドしてところどころ歌謡曲のフレイヴァーをまぶした感じなんだけど、その歌謡曲っぽいメロを激しいパートとうまく織り交ぜて使ってる曲が良かったなあ。女子ヴォーカルのメロとかがキッチュかつポップで。

つーかやっぱノレる曲が多いと楽しいんだよな。こういうと誤解されるかもだけど、オレンジレンジのライブをサマソニで観たときのような楽しさでした。盛り上がる曲があるバンドは強いって意味で。

ただ、あのお笑いのノリと若者の一体感というんですか、マスゲーム的なのをみんなで喜んで楽しそうにやってるっていうのはやっぱ観ててキツいんですけど。それはバンドがとかファンがということではなくて単純に僕が汚れた大人だからですね。

あと気になったのはギターの人がマイクの先をガン見してたんですけど一体ナニが書いてあったんだろう。

DEAD TO ME
なんだかパンクだったのでゴハン食べに行きました。

THE SUMMER OBSESSION
勝手に胸キュンエモだと思い込んでいたのに超普通のメロディックパンクだったのでガッカリしました。演奏も普通にうまかったんだけどまったく引っかかることなく終わってしまった。

THE RED JUMPSUIT APPARATUS
スカパーでよくビデオがかかっててそれがいい曲なんで期待してたんだけど演奏がちょっと・・・。ヴォーカルは存在感もあるし何よりスクリームしたときの声がいい感じではあったんだけども。とちょっと不満の残るパフォーマンスではあったんですが、ドラムスが上半身裸に黒の短パン、それだけなら普通なんだけどなぜか黒い靴下をしっかり履いてたのがものすげーインパクトでした。しかもデヴ・ヒゲ。今日のベストインパクト賞。

この後クサメタル帝王と談笑してたんだけど次に出たバンドが意外としっかりした音だったので前の方に行ってチラ見。

9mm
なんか急遽穴を埋めるために出演したバンドらしいんですが、これが歌謡ロックっぽい楽曲ながら演奏がめっちゃガッチリしててギターはガリガリしてるし今日一番出音が良かった気がする。

THE TOY DOLLS
明るく楽しくてムリ。一番良かったのはイントロとアウトロのFinal Countdownのカバー。隣にいた人が「若手中心のお笑い番組に大御所が出てきてる感じなのが痛い」って言ってたけど同感。往年の一発ギャグを披露する大御所とそれに対して「うぉ、さすがやー!」とヨイショする若手芸人というか。って書くのは単に俺が明るく楽しい音楽が苦手な暗くてジメっとした人間だからだと思います。

PROTEST THE HERO
信者ギュウギュウのクレイジーケンバンド(ベタ)をちらっと見てからグリーンステージへ。今日一番のお目当てがこのPROTEST THE HEROだったんだけどDVDに入ってたライブを観てもイマイチつかめず、期待と不安をこの豊満な胸に抱いて待っておりました。それにしても横山ケンとDROPKICK MURPHYSの裏っつーこともあって人すくねー。やっぱなんかパンクスプリングて感じのバンドじゃないもんな。楽でいいけど。

メンバーは楽器持ってスタンバってるのになかなかDJタイムが終わらず5分ほど焦らされてスタート。いきなりBlindfolds Asideからスタートしたんでビックリしたんだけど、それ以上にビックリしたのが音の悪さ。なんつーかもうカオティックなグジャグジャっぷり。グジャグジャキンキンな音塊の中からバスドラのキックだけが聞こえるという感じ。

ただ、時折聞き取れるフレーズからするとステージ上の皆さんはそれぞれ大暴れしつつもきちんとプレイは出来ているような感じ。ただ、「演奏できている」けれど「バンドアンサンブルとして機能しているか」はこの音響の中では伝わってこなかった。

そんな中ヴォーカルはあんだけ暴れつつもかなりしっかりと歌えてる。で、このヴォーカルがかなりアジテーターというか日本人とコミュニケイトする気がまったく見られない早口で自虐ネタっぽいことをまくし立ててギャハハーハーと笑ったりエモがどうのとかアジったりして今後が楽しみです。

結局その後も音は改善せず。ちょっと残念なライブだったなあ。新曲はKEZIAのスタイルの延長上で一瞬パットンとD.E.P.のコラボEPの曲みたいな感じのとこもあったけどサビ(?)はかなりメロディックでなかなか良さげだったのでアルバム自体は期待できそう。

ELLEGARDEN
ヤングに大人気のバンド。クサメタル帝王婦人からファンが痛いっつー話を聴いてたので楽しみにしてました。俺はもちろんギュウギュウのとこからははるかに離れて隣のステージに近い場所にいたんだけど、ライブが始まった途端15人ぐらいの女子中学生か高校生ぐらいのグループの女の子が円陣を組んで振り付けを開始!疾走パートになるとみんなが床に寝っころがって手足をバタバタやるというパフォーマンスを!!

ジーンのザクがガンダムに撃破されたのを目の当たりにしたデニムの気持ちはこんな感じだったんじゃないでしょうかって感じのインパクト。これがエルレファンの威力なのか!

おじさんも一緒に混じりたくてウズウズしまくりだったんですけど隣にKID Aたんがいたからいけませんでした。ああ、僕も転がりたかったよゥ!!

STERIOGRAM
そんなわけで15分ほどエルレファンを鑑賞してから再びグリーンステージに移動してSTERIOGRAM。このバンドって新作出したけどなんとなくiPODのあの曲の一発屋っつーイメージがあって(いや新作のビデオの曲とか良かったと思うけど)どんぐらいお客さん入るのかと思ったけど意外と人気あんのね。盛り上がるし。まあ確かに他の曲もそこそこいいもんな。

JIMMY EAT WORLD
でもなんか疲れてきたのかあんま長い時間観てられなくて速めにJIMMY EAT WORLDのために移動。したらちょうどエルレが終わったとこで思いっきりその退場の群れとぶつかったんだけど、その彼らの表情からもライブの素晴らしさがわかりました!いやあいいよね!

で、ひっそりJEWなんですけど、いつもの黒シャツ黒パンツの格好で貫禄のライブ。演奏は誠実にタイトだしBleed AmericanからA Praise Chorusへの流れでスタートしたセットリストもここ2作からのおいしい曲を演奏してくれて大満足です。WorkとFutures(なぜかデス声使ってた)に感激しちゃいました。今日出たメインステージ二つの面子の中では音楽的に一番おとなしめで音量も他のバンドに比べたら小さかったんだけどそれでも一番ぐっと来るライブでした。ホントいいバンドだなあ。

新曲を1曲披露してたけどいつものJEW節て感じ。新作も安心して待てそうです。なんか今日観れて良かったって思えたのはJEWだけだなあ。それにしても40分て短すぎ。NEW FOUND GLORYのほうが日本では人気あんのかなあ。

NEW FOUND GLORY
最近の彼らのアルバムは聞いてないけど、以前サマソニで観たとき盛り上がるけどなんか演奏はイマイチだなあと思ってた彼らなんですが、やっぱその印象は特に変わらず。ツアーをこなしてるだけあってパフォーマンスは目を惹くものの、音には惹かれないというか。

そんなわけで前半観たとこで会場を後にしました。NOFXは前に冬ソニかなんかで観てなんとも思わなかったので電車が混む前に退散。

つーことでなんだか充実感の薄いライブでしたがもともとPROTEST THE HEROとJIMMY EAT WORLDを目当てにこのイベントに参加してる自体ちょっとちげーよな。

投稿者 trouble : 23:25 | コメント (3) | トラックバック