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2008年01月29日

Fortress / PROTEST THE HERO

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Fortress / PROTEST THE HERO

一昨年リリースされた1stアルバムはまだ彼らが高校生だったころに制作されたものだったというヤングバンドの2年ぶりの2nd。

「あれもこれも全部やって自分たちのアイディアの豊富さと楽器のテクをアピールしたいんだ!」っつー自己顕示欲求がうまく表現衝動に結びついていた前作と比べるとやや自分たちの強みを自覚した上での自信のようなものが感じられる音になっているけれど、おとなしくなったとかそういうことはまったくない。自覚した上でさらにテクニカルに、さらに忙しなく、さらにメロディアスにパワーアップした感じ。

相変わらず全力疾走で突っ走ったりぶつかったりテクニカルになったりの忙しない展開の中、唐突にエモというよりもすでにミュージカルの、それもエンディングで歌われるような仰々しいメロが挿入される。楽曲内での場面展開の落差は大きく、起伏に富みまくっているんだけど、その目まぐるしい忙しなさはアルバム通して同じスピードなもんだから楽曲ごとの区別がつくようになるまでにかなりの時間がかかるし、何よりアルバムの印象が「ゴチャゴチャしてる間に終わった」みたいな感じだったりもする。

凄まじい竜巻に巻き込まれて何がなんだかわかんなくなってたんだけど目の前を大好物のハンバーグや好きなアイドルが全裸でM字開脚して通り過ぎたり、ケンカして仲直りできないまま死んでしまった親友がいたりもしたんだけど気がついたら竜巻の外に放り出されていた。なんかエモーショナルな出来事もその中では経験したんだけど「どうだった?」と聴かれると「なんだかよくわからん」みたいな。うわーこういう例えしちゃう俺ってカオティック!やべーすげー目パチパチしたくなるよ、頬まで動くぐらい全力で!ってそれは顔チック。

実際はそんなにカオティックなわけではなく悪い意味でカナダのバンドらしい小奇麗さを感じたりもするんだけど(偏見?)、そこらへんはスクリームも歌い上げも素晴らしいヴォーカルの表現力とドラムの突貫力で十分カバーできているし、わかりにくいと言ってもやっぱこの焦燥感は魅力的。メロパートも「とりあえず入れてみました」っつー感じじゃないスケールの大きさだし。ヘタにしっかりメリハリをつけて楽曲ごとの個性を出していこう、みたいな方向に行くより衝動にまかせて詰め込みまくる作風の方が今は功を奏していると思う。いやいいっすよ。前作よりさらに好きだ。俺も衝動にまかせて思ったことを書きまくり、その合間に「彼らの音楽が僕に救いをくれた。生きていく、その気持ちはこのアルバムとともにある」とか「今日の朝、飼っていた金魚が死んだ。去年の同じ日に、父が死んだ。来年は僕の番なのかと思う」みたいな痛エモフレーズを挟んでいこう。

曲の区別がつきにくいと言いつつも1曲目のBloodmeatは前作のBlindfolds Asideと同じく、テクニカルで忙しない展開に大仰なメロっつー彼らの魅力が凝縮された名曲(曲の作り自体は全部そういう曲ばっかですけどね)。去年のパンクスプリングで演奏されたときは劣悪な音響とバンドがアンサンブルとして機能してない感じで何やってるのかまったくわからんかったけど、こうして聴くと前作を受けての期待を見事に満たしてくれる曲だ。ダッダッダラッ!の後のグヴォォゥ!!ッゥゥゥァァ・・・が好きだ。

他の曲も聴けば聴くほど良くなってきた。後はライブでどんだけアンサンブルとしての成長が見られるか、楽しみ。

投稿者 trouble : 20:36 | コメント (20)

2008年01月18日

NIGHTWISH at 恵比寿リキッドルーム

当日券も売り切れになった完全ソールドアウトだったらしい。ちなみに「ロッカー行くのがめんどいから荷物持って待ってて」ではなく、「ロッカーもう空いてないらしいから荷物持って待ってて」と言ったんです。パシリにするわけないじゃん!

場内にはいかにもフィンランド人な風貌の方々に混じってお仕事前のぺそたんが暗闇でもしっかりわかるバッチシメイクでおられました。お年玉ください。

で、ライブは新ヴォーカルのアネット(年齢不詳のBJORK顔、でもノリは80年代のアイドル歌手っぽい。肌の質感、張りは明らかにオバサンのソレでした。だが、そこがいい)のお披露目的な意味合いが強いのか、ミキシングもすっげーヴォーカルが前に出る音作り。アメリカツアーの音源聞く限りではその歌唱力にやや不安があったんだけど、今回のライブでは「あれ、結構歌えるじゃん」って感じ。Dark Chest Of Wonderとか頑張ってました。

もちろん技術的にも存在感もターヤには叶うべくもないんだけど、ターヤの声って平坦でインパクトはあれどあまり魅力的には感じることがなかったので、隣のお姉さん的超無個性な声質であっても楽曲のポップス的な魅力がグッと増すアネットの声の方が俺は好きかもしれん。まあ親しみやすさより神々しさを求める人が多いのもわかるしGhost Love Scoreはもう聞けないだろうなっつーのは残念だけど。昔の曲やるとファンがコピバンやってるみたいだしね。

まあ総体的には前述したように期待してなかった分楽しめたんだけど、やっぱフィンランドのバンドってギターがショボい。なんでフィンランドのバンドってギターのセンスがないんだろ。SONATAにしてもCHILDREN OF BODOMにしてもただのピロピロギターだし。俺はヴォーカルよりそっちの方が気になっちゃいました。

投稿者 trouble : 23:18 | コメント (1)

2008年01月17日

MUM at 渋谷DUO

4年ぐらい前のフジで観てフォークトロニカに乗る凶悪なロリボイスにやられてCDまで買ってた割には最近の動向はまったく知らず、ただ「あ、来日するんだ。なら行ってみるか」みたいな感じで行ってみた。

前座のTEXAS PANDAは残響から音源出してるボレロ系ポストロックでベースとギターの二人の女性がヴォーカルも兼ねる。時にブーストしたギターも聞けるいかにもな美メロ紡ぎタイプなんだけど、なんつーかすべてがありがちすぎというか、この手の音ってイマイチだと今一番あちゃーって感じに聞こえる音楽性じゃん?まさにそのありがちっぷりばかりが際立ってしまう感じでちょっとキツかったなあ。ただ、ベースのおねえさんの体つきというか、ちょっと猫背でオッパイが下めのポジショニング(下向きという意味ではない)というのはナイスでした。往年のウィノナ的なあのユルダルバディと言いますか。ちなみにハリセンボンのハルカさんまで行くとちょっと姿勢悪すぎです。

で、お目当てのMUM。まず、ヴォーカルが変わってる。スーパーロリボイスでとがったアゴで、PIXIESを俺の隣で見ていたあのかわいい女の子がいない。家に帰って調べてみたらすっかりメンバーチェンジしてやんの。

音楽性も、そのロリボイスが時に不気味さすら感じさせてくれた北欧の寒々しいフォークトロニカ・エレクトロニカからかなりポップな方向性にシフトチェンジしててこれもショック。なんかBELLE AND SEBASTIANみたいな感じになってんの。

カフェ好きな女の子たちがカワイイ!って楽しそうに聞くようなほのぼの音楽は決してつまらなくはないんだけどちょっと俺にはキツかった。新メンバーの子たちも楽しそうで微笑ましくはあるんだけど。前のヴォーカルの子は今何やってるんだろう。

投稿者 trouble : 12:15 | コメント (1)