2007年04月12日

ゆれる

映画観たいなーと思っていたんだけど男一人でハッピーフィートとか観に行く気分にもなれなかったので久々に目黒まで行ってオダギリジョー主演の「ゆれる」を見てきました。不動前に住んでたのに目黒シネマに来たのってずっと昔に「運動靴と赤い金魚」と「リトルヴォイス」の2本立てを見に来て以来。

うーん。キツかった。ストーリーについて言うなら、兄がいい人なのか結構サイコなのかわからないし、弟が嘘の証言をした意図も、本当にそう思っていたのか嘘をついてたのかよくわからん。最後に本当に自分が見た光景を思い出したってこと?あとは法廷シーンのやり取りや演技があんまりすぎるし(これは「それでも僕はやってない」を見た後だからかな)。

まあそういうとこはおいとくにしても女性監督ならではの男兄弟への感覚的誤解があるような気もするし、見苦しいロマンチシズムとナルシズムみたいのがとにかく鼻についちゃうというか。キレてしまった兄の後ろでホースが水を撒き散らすシーンとか寒風に吹かれて揺れるブランコとか引きの固定カメラの前を軽トラックが横切っていくシーンとか、なんかどれも「こういうシーンどう?あたしのセンスどうよ!」みたいのが押し付けがましく感じちゃって。この映画評判いいみたいだけこういう目線に対して抵抗がないってことはきっとその人もそういうナルシズムに耽溺してんだろうな。って評判いい映画にこういうこと書く俺こそが歪んだ自己肯定感とチンケなナルシズムに埋没してるんだと思うんですけども。ていうかこうやって人の感覚に文句つけたあとに「いやそういうのは俺のほうなんですけど」みたいなセルフフォローが俺の得意なバカの一つ覚えです。

これ観るの女性だったらまたちょっと印象違うんかなあ?性差を意識しすぎ?

小説を薦めてくれた人によれば、そっちには藪の中的なとこもあるらしいし素直にストーリーを楽しめそうなんでそっちを読んでみよう。

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2006年10月05日

悪魔とダニエル・ジョンストン

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サムサッカーズとどっち観るか迷ったんだけど、サムのほうはなんかいろんな面で狙ってる感が強そうだったんで前から興味があったダニエル・ジョンストンについてのドキュメント映画をチョイス。

http://www.akuma-daniel.com/

前から興味があったと言っても「”好きなアーティスト”として名前を挙げておくと通に一目置かれる精神障害持ってるローファイの親玉」っつーことぐらいしか知らなかったんですが、そんな俺にこの映画はすげーインパクトがありました。

彼の今までの人生と当時の音楽シーンに与えたインパクトを彼に関わった人たちにインタビューしていくパートはもちろんなんだけど、すごいのはそのインタビューの中で語られるエピソードの一場面一場面がテープなり映像なりにきちんと記録されていること。ダニエルは音楽だけではなくて映像記録はもちろん、テープレターよろしく様々なことを録音していたらしい。ものすげー録音マニア。 宅録マニアというより自録マニア。

10代のころの厳格なキリスト教信者の母親から投げつけられた嘆きと非難から躁状態のときに自由の女神の階段で落書きして逮捕されたときの警官の発言まで、とにかく大量に自分を記録している。関係者のインタビューだけじゃなくてその記録を惜しげもなく使ってのドキュメントなのでリアリティがすごいし、ダニエル・ジョンストンという人の存在感がものすげー伝わってくる。

MTVに飛び入り出演したところから一気に注目度がアップし、SONIC YOUTHらとのコラボまで実現してさあ大ブレイク?というところで一気に病状が悪化したり、カート・コバーンがTシャツを着たりインディ・ミュージシャンがこぞってレスペクトするミュージシャンとしてダニエルの名前を挙げたことからエレクトラから契約の話が舞い込むもやはり妄想(エレクトラと契約したらメタリカに殺される)によってオジャンになったりライブが大成功したと思ったら帰りにオヤジが操縦する飛行機の操縦桿奪って飛行機墜落させたりとか(涙ながらにこのときのことを回想するお父さんが痛々しい)この映画の中で描かれるエピソードの数々はものすげーものばかりなんだけど、やはりこのダニエル・ジョンストンというアーティストがすごいのはその武勇伝ばかりではなく、作り出す音楽、映像、絵に猛烈に人を惹きつける何かを持っているから。

ヘナヘナな歌と超ローファイな演奏にも関わらず、その歌詞とメロディーはこちらの心を揺さぶってくるし、独特のタッチと世界観を持つ絵も「ただの変な絵」では片付けられない。

まあそこらへんはそのエピソードとともに流れてくるからこちらの心に響きやすいんであって実際音だけ聞いてたらどうなんかなってとこはベタロックファンの俺としてはあるし、ゲージツとしてどうのとか言う前に単純にやっぱあっち側の人だっつーたたずまいのインパクトもでかいんだけど、とにかく「表現すること」と「心のバランス」というこの二つを猛烈に考えさせてくれる素晴らしいドキュメントだと思う。オススメっすよ。知らない人にこそ見て欲しい。 あとは精神障害者を抱えた家族というテーマについても、映画で多く描かれているわけではないけれど考えさせられるところがあったなあ。

ただ、前半の8mm映像は全部手ブレが激しくて、こういうのに弱い俺は猛烈に酔いました。うげー。

そしてダニエルはブラガのハンズィにそっくりであります。

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2006年08月28日

ブライアン・ジョーンズ ストーンズから消えた男 

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観てまいりました。ストーンズにはまったく興味ないしブライアン・ジョーンズに関しては「ウィレム・デフォーに似てる人」ぐらいしか知らなかったんだけども。

ブライアンに使用人(家の建築?)として雇われたフランク・ソログッドが死に際に告白した内容をベースに当時のマネージャーであるトム・キーロックに協力してもらってブライアン・ジョーンズの死とそのロックライフを映画化したといった感じ。

前半は映画関係なく眠くてまともに観れてなかったんですが、ストーンズのかっこよさとか破天荒さが描かれているわけでもブライアンの音楽的貢献が描かれていたり彼の存在が美化されているわけでもなく、徹頭徹尾ブライアンのダメ人間っぷりが描かれています。インドにバンドで行ったときにキース・リチャーズと女のことでトラブって一人インドに置いてけぼりにされたエピソードとか本当なのかしら。まあ要は麻薬と女です。アニタ役のモネット・メイザーのロケッティなおっぱいがいい感じでした。

ストーンズの音楽よりも印象に残ったのは、劇中に流れるBOB DYLANのBalladd Of A Thin Man。おまえの知らないところで何かが起こってるんだぞ、Mr.Jones、という歌詞を聴いてボブ・ディランの大ファンだった当時のブライアンはかなり情緒不安定になったといういわくつきの曲なんですが、この曲がミックとキースに解雇を言い渡されるという重要な場面ですげー効果的に使われてました。かっちょよかった。

ちなみに、というかここからが本題。アヴァンギャルドな音楽といえばのTzadikレーベルからリリースされているRadical Jewish Caltureシリーズ、最新作はJamie Saftによるボブ・ディランのカバー集なんですが、このBallad Of A Thin Manも収録されています。で、俺がわざわざそれを書くと言うことでもうバレてるかもしれないですが、この曲でヴォーカルをとっているのがマイク・パットンなんです。

どこでも叫んでないし、ワキャワキャ言ってないし、最初っから最後までマジ歌唱。PEEPING TOMを聞いて「普通に歌われるだけだとなんか物足りない」と思ったのが嘘のよう。音節の一つ一つの「音」にこだわりを感じる低音での語るような歌唱、凄まじいドラマ性を感じさせる歌い上げパートなど、ファンなら一聴の価値あり。1曲だけなんだけどね、パットンが歌ってるのは。

他の曲は原曲知らんのでなんとも言えないんですがJamie Saftのピアノ、Greg Cohenのコントラバス、Ben Perowskyのドラムスによるジャズアレンジでディランナンバーが演奏されてます。

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Trouble / The Jamie Saft Trio Plays Bob Dylan

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2006年08月14日

ゲド戦記

ペド戦記で検索すると614件もヒットするよ。「心オナニーに例えよう」だと285件。みんな同じこと考えるよな。くっそ。

さっきちらっとアップしたとおり行ってきました。いやほんと出来心で。まあなんつーか想像以上に酷い代物で、見終わった後に誰かと語り合いたくなること請け合いので映画です。

いやしょせんジブリ映画なんてさ、その痛々しい自然と共存していきましょうの押し付けがましい思想を高潔な少女に託すファミリー向けペド映画なわけで、酷いっつーのは前提だよね。改まってゲド戦記は酷い!とか言うのはメタリカのライブに今更ケチをつけるのと同じなのでほんとそもそも観に行くなって話なのはわかってるんです。

でもね、ほんとこのゲド戦記はすげーんですよ。酷いを凄いに昇華しちゃってんの。まあそういう見方自体がヤらしいのもわかってます。全部わかってます、のオンパレードなんだけど書かずにいれないの。マジ最後まで釘付けになりました。心オナニーに例えよう、ということであれば、「こんなオナニー気持ちいいわけないよな」と思って試してみたら、確かにオナニーとしては機能しないんだけど、それがマリオ無限増殖の裏技だった、みたいな感じ。

「世界の均衡が崩れている、その原因を探す」というゲドさんの旅の目的はいつの間にかどっかいっちゃって、気がついたら「命とは限りあるからこそ素晴らしいのだ」っていう「ウンコは臭いけど、生きていくにはひねりださなくてはいけないのだ」みたいなどうでもいいメッセージを繰り返す映画に変わってる。まあそれだけならほんと観る必要ないんだけど、そのメッセージがすべてもんのすげー陳腐なセリフと突っ込みどころ満載の描写で描かれるもんだから、いつの間にか観ながら「次はどうなる」的なワクワク感をもたらし、見終わった後はとにかく「すげーもん見た!」という爽快感が残る。

んでもってね、こういうことするのもほんと痛いとは思うんだけど、意味わからんところがいっぱいあったので羅列させてください。ごめんなさい。

続き物の3話だからストーリーの説明がしっかりなされてない、とかいうのは野暮なツッコミで、凄い映画ってのはそういう説明不足があっても観る者を驚嘆させることができるのです。アレンが親父殺す意味がわからない、とかウサギとクモはどういう組織でなにやってんのあそこで、とかそういうのはどうでもいいの。

・狼はあの状況ならアレン襲う前に馬食うだろ。
・テルーはアレンを毛嫌いしてたはずなのにアレンがテルーの歌を聴いて涙したら急に仲良しに。なんだそりゃ。
・ていうかかくまわれてるテルーはそもそも街で何してたんだろ。人狩に犯されそうになったことを聞かされて「あの子はなにも言わないからねえ」とのんきに応えるテナ。
・ゲドがうかつすぎ。お出かけしてる間に人質とられるし、勇ましく乗り込んだはいいけど「ああ、魔法が使えない」であっさり捕まる。あの展開はかっこよすぎる。こんな簡単に捕まったら市場で魔法で顔変えて追跡かわした意味ねーよ。
・クモにそそのかされてあっさり寝返ったアレン、その場面でゲドにちょっと説教されてすぐまた涙。
・テルー、あっさりクモの城に潜入成功。ゲドとテナの処刑の情報を立ち聞きでしっかりゲット。アレンの部屋にもあっさりたどりつく。魔法使いは意外とホームセキュリティに関心がない。
・そしてたどり着いたアレンの部屋で「本当に大切なものってなんだろう?」というアレンに「限りある命だから素晴らしいのよ!」とウンコの大切さを熱弁。アレンあっさりその言葉に打たれて立ち上がる。この展開もグッとくる。
・ペドとテナがつかまってるところにアレン勇ましく乗り込み、「二人を自由にしろ!」ってすごむ。するわけない。
・アレンとクモが戦いをはじめ、ウサギなんか逃げ出しかかってるのになぜかゲドは城のフチに立ちっぱなし。何してんだこのダイケンジン。
・クモがテルー連れて行った意味がわからない。ていうか足場崩すならちゃんと崩せ。
・「永遠のぉ、いのちぃー」とクモがおかしくなっていく様は、制作側の「なんで俺こんなん作ってるんだろ」という投げやりっぷりが感じられてすてき。
・テルー死んだと思ったら数秒で生き返る。しかも竜になる。
・「影」という存在でアレンの抱える内面の苦悩、不安を表現したいんだろうけど、ただの意味不明。影結局テルーを抱きしめて興奮させて消えてそのまんまだし。

あー、羅列したら全然面白くないや。でもね、こういうのが見事なテンポで繰り出されてくるもんだから、引き込まれるんだよ。そのセリフ回し、セリフそのものも凄いものばかりで。ここらへんは監督の技量なんだろうなと思う。父親の築いた資産を使ってこういう逆説的に面白い映画を作ってジブリ映画の凄さを表現しちゃう息子って天才だ。

もちろんね、忙しい中観に行く必要はないんだけどね、俺見たいに日々自分の存在価値を自分に問うては打ちひしがれ、消えてしまいたくなるニートは行くべき。「まだまだがんばらなきゃ」と前向きになるとともに、道を歩く人々に優しいまなざしを向けられる余裕ができるようになるから。

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2006年07月05日

メタル・ヘッドバンガーズ・ジャーニー

otak.JPG

ずーっと放置しっぱなしだったんで、久々に。

局地的に話題のこの映画、メタル・ヘッドとしては気になる映画ですので行ってまいりました。

この映画、「メタルはなぜ忌み嫌われるのか」というテーマはおもろいんだけど、「内部の人間による考察」の悪い面が出てしまっているというか。シメなんて「メタルを聞く喜びをわからない人間には理解できまい」みたいなこと言っててさ。そういう結論にたどり着いちゃうところが嫌われる理由の一番のとこだろ、みたいな。

ロッキンオンにこの映画のレビューが載ってて鈴木喜之っつー人が述べていることを引用してみます。

「私も好きなメタル・バンドは数多くいるが、特にメタルというジャンルそのものを偏愛してはいない。一方で彼(サム・ダン)は単体のバンドのみならずジャンルとしてのヘヴィ・メタルに深く思い入れを持っている。そこでさらに他の音楽の愛好家と美妙に違うムードが生じるのは、なぜかメタル・ファンというのはコンプレックスを内在させる傾向が強いからだ。本作も「どうしてメタルは毛嫌いされるのか?」という問いかけが出発点になっている。私なりの考えを言うと、それは枠組み(様式)にこだわり、帰属する”集団”の意味合いを強調したがる特質を持つことで、自ら呼び寄せている状況ではないか、ということだ。実は彼らは『社会から(抹殺されない程度に)疎ましく思われたい』のだと思う。パンクはもっと個人主義的で、他者からどう見られるかは最重要事項ではなく、その意味ではメタラーのほうが社会との関わりを大事にしながら自己主張してるのかもしれないね」

ほんとはメタル(というかメタル・ファン)が大嫌いなんだけど、とりあえずやわらかーい物言いで言ってみました、みたいなとこがいいですね。要約すると「様式や枠組みと言った形式的なことにこだわり、集団に所属するということをアイデンティティにしたがるくせに飽くまでマジョリティではなく、マイノリティに属しているんですよと選民意識を持ちたがる人たちだから嫌われるのだ」と言いたいんだと思う。まあこれは「ロックファンがメタルを嫌う理由」であり、世間の大部分はメタルが様式にこだわるとかアタマが固いとかそういう音楽だとは知らないよな。

ただ、やはりこの強すぎる帰属欲求、ジャンルの優位性を主張したがるというのが周囲から違和感を持って見られることの大きな理由ではあると思う。

映画の中でもこの帰属欲求に触れられてはいるものの、飽くまで「ファンとしての帰属することの喜び」を感じることができる音楽だからこそメタルは素晴らしいという観点のみで、その強い帰属欲求に駆られた人がその集団に所属することをアイデンティティとして主張するときの、周囲の人々の受け取り方についてはあまり掘り下げられてはいない。

その対象となる集団が人数も多く、構成員の個々の持つ力も大きければ周囲の人々は脅威を感じるが、集団の規模が大きくなく、構成員の個々に力を感じなければ嘲笑の的になる。どちらにせよ好意的に周囲の人に受け止められることは少ないと思う。別にメタルはオウムではないけれど、疎外感が転じてある集団への強すぎる帰属欲求につながったときに醸し出されるムードには共通点があるというか。そこらへんをきちんと見ないことには「なぜメタルが嫌われるのか」というテーマを扱うことはできないと思う。

やっぱ集団の構成員がそういうのをきちんと見ることは難しいのか、それゆえこの映画のテーマである「なぜメタルは嫌われるのか」というところはまったく追求できていなかったと思う。

ただ、サム・ダンがそこに気づくチャンスは、この映画にも提示されていた。それはブラックメタルバンドへの取材時である。この取材をサム・ダンは「僕には彼らの考えが理解できない」とシメるのだが、自分達が「なぜ嫌われているのか」を追求したいのであれば、なぜ「さらに嫌われている」人たちを外から見たときの違和感を分析せずに軽く流してしまったのであろうか。立派な学者さんの研究としてはあまりにも情けない。強すぎる信念と排他性を目の当たりにしたときの人間の感じる違和感というところをもっと掘り下げて欲しかったなあ。

まあ結局「メタルっていいでしょ」的なことが言いたいだけの映画なんだよな。別にそれでもいいんだけど、メタラー以外にその魅力を訴える力はない感じ。メタラーがメタルが扱われてるから、好きなアーティストが出てるから、っていう視点で見て楽しむだけのドキュメントでした。

上に書いたようなことを踏まえた上でさらにメタルの魅力を分析する、というところまでは求めないけれど、どうせなら深い洞察力と分析力を持つ、マリリン・マンソンの意見も聞いてみたかった。

一番印象的だったのは序盤にかかったLAMB OF GODのカッコよさだなあ。あ、あとGahhl先生のGackt、もしくはYoshikiバリの貫禄だ。

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2005年07月25日

STAR WARS EPISODE Ⅲ

よーやく行ってまいりました。「結局三部作は不必要」とか言ってる人がいたし、実際ⅠとⅡはもう勘弁してくれってぐらいクソだと思ってたんですが、このエピソードⅢを観て、全部帳消し。ジャージャー・ビンクスだとかドロイド軍との戦いみたいなウンコも全部許してやる、と思えるぐらいおもろかったです。

まあ分離主義者とかそこらへんの政治的な動きはさっぱり覚えてなくて、「そもそもなんの戦争なんだっけ」みたいなムードで観始めたんですが、そこらへんは途中からまったく気にすることもなく。

最後まで観終わって言えることは、この新3部作は旧3部作への印象を大きく変えるだけのインパクトがあったということ。この新3部作を文章だけで終わらせてたら旧3部作までを通じての「アナキン・スカイウォーカーの苦しみの生涯」は完成することがなかったと思う。単に旧3部作の設定を説明するためだけの新3部作ではなく、旧3部作を観た観客の感情移入ポイントを一気に違うところに持っていかせたってのはすげーよな、ほんと。宇宙戦争っつー「いかにくだらないかを逆説的に笑うしかない映画」を作ったスピルバーグとこのルーカスの手腕、公開時期がかぶっただけについ比べちゃう。

他のジェダイが死ぬとこはアッサリしすぎだったしやっぱりもう少し血みどろで生臭くあって欲しかったってとこは残念だったけど、クリスチャン・ヘイデンらの演技や演出もなかなかグーで。ラストに向かっての気持ちの盛り上がりはかなりのもんでした。CMで流れてたYou were the chosen one!のとこでグッときちまったぜ。とにかく、このエピソードⅢを観ることでその後の「すでに観終わっている」旧3部作への思い入れがぐっとアップするってのはすげーと思うよ。

と、観終わって興奮してる状態でだーっと書いたんですが、いくつか気になったことを言うと。

シディオスにああまで言ってもらったからジェダイを裏切ったってのに「いやオマエの怒りがすごすぎてパドメ死んじゃったよ」って言われたら普通はシディオスぶっ殺すんじゃねーかと思うんだけど。シディオスはアナキンを引きずり込むぐらいなんだからもう少し威厳つーかカリスマっぽい雰囲気あってもいいんじゃねーかと思う。ちょい軽すぎだよな。こんだけ威厳がないとこいつにたぶらかされてアナキンが暗黒面に落ちちゃうってのがどうもスッキリいかない。

あと、チャンバラーのシーンな。中国とかの剣術アクションなんかを目指してるんだろうけど、なんかやっぱギコチないっつーか、観てて「そんな余計な動きすっからほら足元がら空きじゃんか!」とかツッコミどころ満載になってました。CG相手だったり動けるスペースが限られているからってのもあるんだろうけどHEROとかあそこらへんで観られるような「美しさ」「華麗さ」まではいってないんだよね。

まあそんなとこを気にしつつもやっぱ一番ツッコミ入れたくなるのはヨーダ。この新3部作を通じて解明されることがなかった謎は「なんで杖持ってんだ」これに尽きる。

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2005年03月13日

やっべ。

超観たい。

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2004年10月01日

えびボクサー

俺は中学校で働く以外にも、毎週金曜日某区内の保健所で精神障害者デイケアのグループワーカーをやっています。デイケアというのは、地域の精神障害者の方々が(各人に参加目的は違うので一概には言えないけれど)退院後の地域生活の中で社会復帰のための通過段階として利用するものなんですが、俺はその中でグループの統率役みたいな感じで一緒に色々やって遊んでいるわけです。以前のHPで誇らしげに写真を載せてたワルえもんなんかはその中で作ったもの。

毎週プログラムは違ってて、創作活動のときもあれば外出して公的なサービス機関を見学しに行ったり、花見に行ったりなんてこともあるんですが、今日のプログラムはビデオ鑑賞。ビデオはなぜかえびボクサー。普段このビデオ鑑賞プログラムで選ばれるのはジブリものだったり寅さん、もしくはディズニーものだったりするわけで、こういう映画が選ばれるのは珍しい。そういうわけで一抹の不安を抱えながら観たんですが、やっぱり「こういうとこで見るもんじゃねーな」という感じ。

映画の内容自体くだらないだろうというのは前提としてあるから、ある意味そのくだらなさを楽しめないと「なんじゃこりゃー」になると思うんだけど、そういう感覚って映画好きの人たちの持ち合わせてるもんであって、正直こういうプログラムでのニーズは「単純に楽しめる」映画なのよね。そういう意味ではかなり辛かったです。個人的にはバカバカしさはともかく、こういうイギリス労働者階級映画独特の雰囲気って好きなんですけどね。っていうか映画の内容云々というよりもなんでこの映画を選んでしまったかっていうプロセスの問題よね、結局。

とりあえず途中からは「このあとどうやってフォローしよう。フィードバック引き出しにくい映画だなー」とかそういうことばっか考えちゃいました。まあこういうの観るのもメンバーさんにとってもたまにはいいんかな、とポジティブに。楽しめた、っていう人はやっぱり極少数でしたけど。

それにしてももっとえびボクサーはもっとガンガン戦うのかと思ったよ。あんま戦わないのね。

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2004年09月10日

LIVE FOREVER

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ブリットポップの勃興から終焉までを描いたドキュメンタリー映画で、リアム&ノエル、デーモン・アルバーン、ジャーヴィス・コッカーなどの当事者達のインタビューを織り交ぜながらその時代を追っていく・・・ということだったんだけど、純粋な音楽映画ではなくて、保守党から労働党への政権移行の時期に音楽を中心とした若者文化がどのようなムードで、政権交代とどのように絡んでいたのか、というところが中心。ファッションデザイナーやクラブ、トレインスポッティングなんかの話も多いしブリットポップがどうのってわけじゃなくてもっと広くイギリスの若者音楽文化と政治的変化についてのドキュメント。

本当のところはどうだったかということは日本に住んでいる俺にはよくわからないけれど、そういう「変化」への希求の中にああいう音楽が生まれ、盛り上がっていったっていう話は単純に面白かった。1時間半弱ですごくあっさりした内容だけどね。

なんだかかわいそうになってくるデーモン・アルバーン、ブレアに心酔しちゃった話のあたりからなんかトゲがなくなっちゃうノエルを尻目に、リアム・ギャラガーぶっちぎりの一人勝ち。

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2004年08月23日

16歳の合衆国

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見てきました。ガラガラだった。

恋人の弟である障害児を殺してしまった少年の話。前半はその少年がいかに「感じない」かについて描かれてたりもするのでアスペルガーを題材にしてんのかよ、なんて安直な!とか思ったんですけど実際はその逆で「見えすぎること」「感じすぎること」と、「言葉の空虚さ」「物語ることの重要さ」みたいのが扱われているように感じた。

いろいろ考え込んで世の中の善というものは悪が存在するから初めて実感できるものであると思ってしまったり、世界をネガティブな側面からしか捉えられなくなることは誰にでもあることだと思う。ただ、そこでとどまるか、そこを通過点とするかには大きな隔たりがある。「どうでもいいじゃんな、んなこと」って思える人間のほうがおそらく社会には適応しやすいんだろうけど、そういう風にはなりたくない、と思ってるピーター・パンな俺としては彼が殻に閉じこもることになったプロセスというのは非常に共感しやすかった。開き直ったり、投げやりになること以外でそこから抜け出すっていうのは難しいよね。どうやってみんな抜け出してるんだろう。あ、映画観て主人公に自分を投影しちゃうのってナルシスティックでキモいな。えへえへ。

リーランドがライアンに感じたような気持ちは、この仕事をしていると感じざるを得ないことがよくある。ただ、そこで他者がそこから解放させようとかその人の代わりに自分がジャッジを下すというのはややエゴイスティックすぎるというか暴走するシャア・アズナブル的な感じだよね。いや別にリーランドは自分の行為を正当化しようとしてないけど。

物事が起きてしまった後にいくら言葉を並べたって変わらないんだという感覚を持ちながら、パールとの対話の中で自分の中の物語を作っていき、自分の中の何かを変えていくリーランドの様子を見ていると「言葉は人に気持ちを伝えるためではなくて、自分を振り返るためのもの」であることを強く実感させられる。「理由なんてない」と言いつつも結局理由を導き出していくことになるような展開だけど、最終的に彼が見出したのは理由ではなくて「自分」という感覚だったんだろうと思う。カウンセリングのプロセスとおんなじだった。

「理由なんてない」というところに焦点を当てようとしているからか、ポラード家の家族システムの歪みについて語られてなかったりフィッツジェラルド家の夫婦関係もやや曖昧に描かれているところはまあしょうがないにせよ、ラストはちょっと残念。あれじゃあアレンはリーランドをああするために無理やり少年院に入れられた感じだよな。

音楽も印象的で、この声ってJEREMY ENIGKだよなーと思いながら聞いてたらやっぱりそうだった。他にもPIXIESとかインディー・ロックが多数使われていたんだけどすげーハマってた。リーランドが少年院に入るシーンとエンドロールで使われてた曲は是非もう一度聞きなおしたい。あれはヤバかった。サントラ出てないのかなあ。

みたいな感じで色んなことを考えさせてくれる映画で、観終わったあとに5時間ぐらい酒にまみれて話をしてしまった。結末はともかくとして、ウジウジ系を愛する人にはオススメの映画ですよ。映画館出ると歌舞伎町っていうのも味わい深くてよかったです。

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