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2006年11月22日

65daysofstatic at 代官山ユニット

昨日のTHE MARS VOLTAが素晴らしかったのと、一昨日のリキッドでのライブが「条件付きで素晴らしい」みたいな中途半端なモノだったのでホントはやっぱ今日はTHE MARS VOLTAを見に行っちゃおうか迷ったりしてたんですが、代官山のほうが近いし、というへたれな理由で65を見に来ました。

始まる前は一昨日のデキから言って「サマソニが奇跡なだけで本当は一昨日ぐらいが平均的な出来なんじゃね?」とか思ってたんですが、結論から言うと「一昨日はいったいなんだったの?」ってぐらい良かった!

ギターの音量自体はリキッドほど不満ではないもののやはりMOGWAIの後だけにやや物足りなさを感じたりもしたんですが、しかししかし。今日はバンド全体の「爆発力」がケタ違いでした。どうも一昨日は機材にかなりトラブルがあっただけじゃなくてギターは自分達のものを使えない状況だったらしい。ライブ始まってもトラブルにイラつく様子も見られたりしてたんだけど、今日はそのへん大丈夫だったみたいでメンバーのテンションが段違いだった気がする。全員がケイレンしてました。でも日本の観客の静かさには戸惑ったのか「ちみたちはオラたちが出会った中で一番しずかだべ」とかMCしておりました。こういうバンドて暴れたくなる曲がないわけじゃないけど、暴れるよりもぼーっと音に溺れるほうが気持ちいい。海外ではまたノリが違うんかな。こないだ出た日本企画アルバムに付いてきたDVDを見る限りヨーロッパの観客も別にそんな暴れてるようには見えなかったんだけど。

まあともかく、映像がトラブったり音がプツっと一瞬切れたりと決して完璧ではなかったものの演奏が一昨日より全然よくて最初から最後までドップリ音楽に浸りきってしまいました(それでもサマソニほどインパクトを感じなかったのは4度目のライブだからしょうがない?)。一昨日は音が広がらずに内側に向かってしまった感じというか今ひとつスケールの大きさを感じることが出来なかったんだけど、今日は楽曲が展開する中で爆発的に世界が広がっていく感じがしてめっちゃよかったす。一昨日はやっぱサウンド面の問題が大きかったのかなあ?

で、一昨日「なぜ?」と思っていたサンプリング上のノイズだけど、今日はなかった。やっぱあれもトラブルだったんかね。あのせいで静かなパートが静かになりきれず、非常に歯がゆかった。

あとはセットリストも順番を変えてきてた。まずInstall A Beak(以下略)の後にFix The Sky a Littleを持ってきてたんだけど絶望と悲しみを感じさせるこの曲の演奏が素晴らしかった。で、一昨日イマイチだなあと感じたAwait Rescueが今日はめっちゃかっこよく聞こえた。爆発力と加速力が凄かった。それと同じようにThe Cat Is A Landmine(冷戦下で核戦争起きました、みたいなストーリー性のある映像がよく意味わからん)や65 Doesn't Understand Youも一昨日とは比べ物にならない迫力でたまらんかった。

んでもって「終わりベタ」と書いた一昨日とは違って本編ラストをRetreat! Retreat!とRadio Protectorで締め、アンコールをAren't We All Runnning?。このAren't We All Runningがまた素晴らしかった!一昨日は最後の盛り上がり前の部分でギターからノイズが出てダイナミズムが薄くなっちゃったりしたんだけど今日は完璧。終末の訪れを感じるラストの盛り上がりがかっちょよかった。

今日もまた70分程度のライブだったんだけど、この締めであれば納得しよう!って感じの説得力でした。

ってかこのライブレポで何回「一昨日は」って書いてるかね。別に一昨日も無理やり楽しかったって言うつもりもなく書いてたんだけど、こうして本領発揮のライブを観たことでなんとなく感じてた不満がいっぱいあったことに気づきました。いやでも一昨日と違うとこが全部「良かった」って方向に向いてたもんだからさあ。つい比べまくりになってしまった。

とにかく、やっぱこのバンド好きだなあってことを実感させてくれるライブで大満足だったよ。

投稿者 trouble : 22:47 | コメント (1) | トラックバック

2006年11月21日

THE MARS VOLTA at ZEPP TOKYO

ライブ3連荘の二日目。今日は定時きっかりに仕事をあがらないと間に合わないので、朝から「今日は5時で帰っちゃいますからね!」とアピールし、適当に仕事を切り上げ、4時55分に部屋を出て5時きっかりに靴を履いて出発。

「この電車を逃すと到着が30分遅れる」ってすでに首都圏じゃねーよなと思いつつ、なんとか予定の電車に乗って18時30分に会場に。来日のたびに会場の規模を大きくして今回はZEPP2DAYS。しかも平日。すげー人気なんだなーと思って入ってみたら、ガラガラ。一段高くなっている後方ブロックは閉鎖されているんだけどそれでもフロアは人が少ない。ぎゅっとつめたら半分ぐらいしかいないんじゃん?

まあでもこのバンドのファンて背が高い男が多くてあんまギュウギュウになると最後までセドが放り投げたマイクスタンドしか見えなかった、てことになりそうなのでこんぐらいの入りがちょうどいい。ってそういう「僕はおちびさんなのでこのほうがいい」っていうことを毎回ライブレポで書いてるね。もうやめてやる!

7時を20分ほど過ぎたところでようやく場内暗転。いつものようにマカロニウェスタンなSEが流れ、メンバーがぞろぞろ出てくる。いやこりゃまた人数多いわー。総勢8人。去年のフジんときもすでにこんぐらいの人数いたけどZEPPで見るとその大所帯っぷりがまた強調されてる感じがする。

で、ライブがスタートしたわけですが、新作ほとんど聞いてないのでどの曲やったとかそういうのは全然わからんです。つーか何度もライブを体感してるうちに彼らのスタジオ録音にあまりもう関心がなくなってしまったというか、ライブでの強烈なエネルギーをCDにはあまりうまく封じ込められてない気がするんですよね、と例によってイヤーな選民意識。聞き込んでからえらそうなこと言えこのジジイめ。

そんな前準備もない状態で臨んだライブなんですが、ヤバかった。もう何度も鳥肌です。実はCDへの興味が失われてたのに引っ張られてヴォルタ熱もちょっと下がってたんですが、ライブ観るとやっぱひれ伏しちゃうわ。実質バンマスと言ってもよかったドラムのジョンが脱退したってことで果たしてどうなっちゃうかと思ってたんですが、新ドラムも鬼!ジョンの穴を埋めてあまりある存在感だったなあ。手数とアタックの強さだけじゃなくて「血」が生み出すかのようなそのグルーヴというかラテンの情熱的リズムがめっちゃかっこよかった。

去年のフジも8人編成だったわけだけど、そのときと比べてバンドの進化っぷりも著しい。フジんときはまだこの人数がうまく機能してないような感じもしたんだけど、今回はもうこの編成だからこその凄みがビシバシ伝わってきた。特に管楽器とパーカッションをとっかえひっかえプレイするあいつ(名前知らない)の貢献度はものすげーな。ヒステリックなサキソフォンとオマーのギターの掛け合い、ユニゾンが生み出す狂気のエネルギーが凄かった。オマー弟のパーカッションもいまやなくてはならない存在だし、アイキーのキーボードは言わずもがな。なんつー情報量の多いバンドなんだべ。

もう至る所からいろんな音が飛び込んできて、それらはまとまってるようには感じないんだけど、なんか脳の中で自然にまとめられてる気がする。変な言い方だけど、インプットの際はバラバラに入ってくるのにいつの間にか一つにまとまって興奮という形でアウトプットされるっつーか。意味わかんねーな。

セドも楽器陣がひたすらインプロやってる合間に怪鳥音と何をしでかすかわからん危険な動きで会場のムードを盛り上げてた。歌、うまくなってるよねこの人。

オマーがバンマスとなってリズムチェンジや展開をコントロールし、それに見事にバンドがついてくる。彼らの場合ジャムとは言え構成は結構細かく決まってるんだけど、インプロのエネルギーが見事にその構成で爆発に導かれる様は圧巻の一言。こうしてライブ観ると改めてこのバンドの唯一無二の凄まじさを思い知らされる。どんな音楽か説明がすげー難しくてラテンプログレインプロハードコア?みたいな意味不明な表現しかできんのだけど、なんかこういうの目の当たりにしちゃうとこのバンドのやってることと他の人たちがやってることを「音楽」っつー同じくくりの中で語っていいのかどうかわかんなくなっちゃうわ。

1時間45分で4曲。2曲目は40分ぐらいやってたんじゃねーかな。いつ終わるともしれない長いジャムだったけど、この長さがあった分後半2曲はそれぞれ15分ずつぐらいあったはずなのにものすげー密度が濃く感じた。

いややっぱこれ明日も観たいわ。一回じゃ足りん。

投稿者 trouble : 22:54 | コメント (1) | トラックバック

2006年11月20日

65daysofstatic at 恵比寿リキッドルーム

サマソニでビックリしてタワレコのイベントで惚れ込んだUK出身のポストロックバンド、65daysofstaticのライブに行ってきました。開演前のアナウンスで「シックスファイブデイズオブスタティック」て言ってたので「シックスティファイブじゃなかったのか!」と今更気づいたんですが、daysが付いてるのにシックスファイブって変だよなあ、とか「ろくじゅうごにちかんの、ざつおん」て言ってたんだからやっぱシックスティファイブじゃねーの?と一人開演前にやるせない気持ちになってましたがそんな話はどうでもいいですよね。数字を使うバンド名はこういうとこでめんどいからやです。にーにーまるボルトとかさむよんじゅういちとか。

前座は日本のte'というバンド。どうせまた大学生がやってて普段は下北とかでライブやってるベタなポストロックなんじゃねーのー?と思ってて実際そうだったんですが、これがなかなかかっこよい。ポストロックといっても静かなタイプじゃなくて轟音と手数の多いドラムでカタルシス得られるパートを畳み掛けてくる感じのバンド。ジョニー・グリーンウッドとかMOGWAIの影響が大きいんだろうけどわかりやすかったしバンドもすごいマジメに練習してきたんだろうなあという演奏が素晴らしい。よかったです。でも最後の曲だけなんかつまらんかったな。

で、65daysofstaticのライブ。オープニングはサマソニ、タワレコと同じくDrove Through Ghosts To Get Hereから始まり、そのままI Swallowed Hard, Like I Understandになだれ込むという流れ。今回はドラムの後ろにスクリーンがあり、そこにPVやイメージ映像が流されている。

この2曲の流れは大好きなんだけどもte'の演奏が素晴らしかったことと、te'に比べてギターの音圧が足りないこと、全体の音量が小さいことからちょっと肩透かしのサウンド。正直「あれー?こんなだったっけ?」と思ってしまった。ただ、3曲目ぐらいから徐々にサウンドは持ち直したし、やはりリズム隊がものすげーのでそっちにガンガン引っ張られて興奮した。やっぱあのドラムかっちょよすぎ。ビートの一つ一つが硬く強く太い。

で、このバンドの場合そのギターのとがりをカバーするために(というのは俺の勝手な思い込みですが)サンプリングなんかを使っているんですが、今回はなんかそのサンプリングにノイズがずーっとかぶってた。ピアノサウンド実際にキーボードを演奏してるときも含めて必ずノイズがからまってたんだけど、これってわざとなんだろうか。サマソニとタワレコんときはなかったんだけど。あんまいいアイディアだとは思えないし特定の曲で使うならともかく全部で聞こえたからやっぱPAの調子が悪かったんかなあ。とりあえず明後日の代官山ユニット公演ではノイズがなくなってることを願う。

ってことで演奏というかサウンドにはやや不満が残ったし、全体的に振り返ってもサマソニやタワレコんときほどのインパクトは感じられなかったんだけど、やっぱそれでも素晴らしいバンドだなと思えました。リズム隊の演奏を聴くだけでもチケ代の元は十分取れるけど、やっぱ音楽が素晴らしい。小難しく理屈っぽいことを積み重ねた音じゃなくて、かなり衝動性が高いところが非常に好みであります。CDで聴くとかなり打ち込み主体な感じでいかにもポストロック的美メロ、って感じが強いんだけどライブではそのかっちょいいリズムがほぼ人力でかまされててそれに引っ張られて世界観も美メロというより激情、という感じになってるのもたまらん。

本編ラスト2曲がRetreat! Retreat!とAren't We All Running?っつー俺の大好きな曲連発だったってのも燃えました。前者はどこか祝祭的な雰囲気を感じるアゲアゲな曲で、後者はむしろ悲しみのあまり絶叫するような悲壮感が伴う曲。後者はタワレコではやらんかったのでめっさ嬉しかった。

で、ここで終わってたら短いけど「短かったけどやっぱすげえ!!」で終われた気がするんだけど、アンコールがなんか地味な曲だったので尻切れトンボみたいな感じでもあったなあ。te'も65daysofstaticも終わりベタですね。

ちなみにMCで"We are シックスティファイブdaysofstatic"て言ってました。すっきりした。

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2006年11月12日

MOGWAI at 恵比寿リキッドルーム

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昨日のライブがあまりにも素晴らしかったもんだから別に今日は行かなくてもいいか?とか思ってしまったんですが、命とプライドをかけて行ってきました。いや普通に気軽に行きました。会場に着くとすでにソールドアウトらしい。こりゃいい場所キープしないとおちびちゃんな僕はまったくバンドを目にすることなくライブが終わってしまう!という毎度の危機感を元に、一段高くなってるポジションをキープ。

前座のRATATATATATATATは昨日よりは盛り上がってたけど、さすがに二日続けて聞くとバンドの音より眠気のほうが非常に魅力的なパワーを発してくるので立ったままなんどもカクンとなりました。

二日間あったらゴッソリ曲を入れ替えてくるのが定番ですが、やはり昨日とは打って変わったセットリスト。序盤はまずオープニングがYes! I Am A Long Way From HomeとかだったりHelicon2が入ったりとま俺としてはそんなにウレシイ変化ではなかったんだけど、それよりもやっぱ昨日の音と比べるとギターの尖り具合がかなり弱いというか、そういうところで物足りなさを感じてしまったりする。だから昨日のレポートに比べるとやはりテンションも下がり気味なのです。

とは言えYou Don't Know Jesusとかやられるとやっぱ盛り上がってくるんですけどね。そしてやはし中盤以降は凄かった。まあ音響の面でイマイチなところがあるので突き抜けてすげーってとこまではいかなかったんだけど、Killing All FliesとかSummerとかRatts Of The Capitalとか、なんか昨日の表選曲に対して裏選曲、みたいな感じでよかったです。この日だけ観たらなんか物足りなさを感じただろうけど昨日見た後だけにこれはこれでよかったっつーヲタクっぽい満足感。

で、今日は本編ラストがWe're No Here。エンディングでノイズちょといじってたけどさすがにここで延々とはやらず、「ああ、今日はあれナシか、よかった」と安堵。

アンコール一発目はジダン映画のサントラからBlack Spider。キレイだけど特筆すべきこともないような感じの曲だったな。で、今日はラストがMogwai Fear Satanかしら?とか思ってたらはじまったのはMy Father My King!ユダヤメロディーが反復しながら徐々にどす黒いエネルギーを増していくこの曲、長いけどスゴイ。終わったときにはなんか放心状態になってしまう感じ。

で、これで終わりかー昨日聞けなかった曲いっぱい聴けてよかったな!と思ったら始まっちゃったよいじりタイム。YTMタワーはなかったんだけど昨日以上にストロボ強くてさ。さすがに老いた体には堪えました。多分お客さんの6割は「もういいよ」と思ったに違いない。

帰りは死ぬほど寒かった。吉祥寺の味源で味噌ラーメンを食べて、帰りました。

投稿者 trouble : 23:04 | コメント (1) | トラックバック

2006年11月11日

MOGWAI at 新木場スタジオコースト

mogwai3.jpg

17時まで東村山で仕事をして、速攻退勤&電車に乗って新木場まで駆けつけました。遠かったー。

急いで入場しようとすると、「僕らに送ってくれるなら、携帯で撮影してもいいよ」みたいな貼り紙。だから持ち物チェックとかもなかったんかなーと思いつつ場内へ。PA横の階段をキープ。観やすくていいよねここ。

前座あんのかな、あったら疲れるな、とか思いながら待ってたんですが7時きっかりに暗転して出てきたのはやはり前座。ニューヨーク出身のRATATATと言うバンドでした。ギターとベースのデュオがシンプルなリズムとちょっとしたメロディーが打ち込まれたバックトラックの上で演奏するという形態。歌ナシのインストデュオでした。

こういうのはややもすると痛い感じになりがちなんだけど、意外と楽しめた。主旋律は音楽性に似合わぬオーバーアクションが印象的なジョン・フルシャンテっぽいヘタウマムードなギタリストが奏でるんだけどこれが非常にアメリカっぽいベタさというかわかりやすさにあふれてて小難しさが薄い。ちょっと変わったことをやってるようでいて、後味はパワーポップを聞いた後のような感じ。無理やり表現するとRAPTUREとKILLERSを足して2で割って(いや3かな)インストにしました、みたいな雰囲気。

楽しめたと言いつつ途中何度か意識失いそうになったんだけどさ。

40分強のRATATATのステージが終わると場内にさらに人が流れ込んでくる。場内がギッチギチになってる感じ。こんなに人が入ってるコーストは初めて見たよ。

モグは8時からかなーと思っているとちょうど8時ぐらいに場内暗転。いつものステージセッティングかな・・・と思っていたらスチュアートが右端。メンバー全員が定位置について聞こえてきたのはいきなりX'mas Step!ということで場内はいきなり大歓声。

PA横の階段とこで観てたんだけど、音がよくて左右に振られた2本のギターの絡みもしっかり聞こえる。ステュアートの轟音ギターはステージに向かって右側のスピーカーから出てたけどあの真正面にいたら結構耳ヤバくなりそうだ。代官山とフジはそんなに音響が良かったわけじゃなかったけど今日は音量、音質ともにかなりよくて曲の素晴らしさが際立つ。

どこか坂本龍一っぽい雰囲気のピアノが印象的なFriend Of The Nightに続いてTravel Is Dangerous。ステージ後方にはYの字にMとTを絡めたシンボリックな照明タワーがあって(Mogwai Young Team?)そこから強烈なストロボが焚かれる。ちなみに開演前の注意放送では「ストロボが強烈なので各自体調管理に気をつけて」みたいなこと言ってた。Tracyではその静かな響きに会場は鼻水すすることすら憚られる静寂。音楽に聞き入りながらも、ここでオナラをしたら周りの人はどう俺を見るだろう、とか考えたりもしてたんですが、実行には移せず。曲がエンディングを迎えてもみんな静かに聞き入りすぎてたのでみんな声を上げたり拍手するタイミングがつかめない。ステュが苦笑しながら「サンクス」つって合図してました。

その次のAcid FoodやI Know You Are But What Am I?という流れでやや場内マッタリムード。ここらで立ったまま意識を失った人も多いんじゃないでしょうか。でもこの辺も全然つまらなかったってことは全然なくて音の絡みとシンプルだけど印象的なドラムフレーズがすげー気持ちよかった。特に後者はすげー好きな曲で、その世界に溶けてました。すごい静かで、きれいで、シンプルなんだけどそこでBGMにはならない何かが凝縮されているのがMOGWAIならではというか音圧関係なく「ロック」足らしめている所以なんだろうか。スネアの響きが良かったなあ。Hunted By A Freakでようやく場内の活気が戻ったかなと思ってたら最後の音をそのまま引き継いでMogwai Fear Satan!!この流れヤバい!場内のぉぉおおお!っつー盛り上がり雰囲気に俺もおもっくそ引っ張られました。音の鋭さも久々というかここ数年はやや抑え気味だった気がするんだけど今日はギターサウンドがしっかり突き刺さってこっちの感覚をしっかり痺れさせてくれる。あの静寂パートのあとの爆発は凄かった。初めてMOGWAIのライブ観た2003年フジ以来のインパクトだった気がする。

なーんてシタリ顔で思っていたらこっから先も凄かった。前半のゆったりMOGWAIから一転しての轟音MOGWAIの連発。Glasgow Mega-Snakeここでキタ!1月のユニット、フジよりもはるかにタイトな演奏に聞こえた。こういうバンドだとやっぱ会場の音響って重要だ。轟音が増すに連れてストロボの頻度もガンガン高まる。ステュのアタマもフラッシュ。倒れた人いなかったかしら。ある意味轟音MOGWAIのベタなとこを思いっきりコンパクトにまとめた感じのこの曲の即効性はやっぱすごい。たたみかけはまだ終わらない。ここでIthicaが来ちゃいます。ビビビビジジジガガガギギギ・・・とギターサウンドで体と脳が痺れていく感覚はたまらなく気持ちよい。

轟音連発のあとのCODYでのあの拙いヴォーカルとメロディーは、最高にしみる。今までそんな好きな曲だったわけじゃないけど、これは効いた。

そして本編ラストは2Rights Make 1Wrong。ミラーボールまで回っちゃうベタな大団円だけど、やっぱこの曲は死ぬほど感動的だ。後半のプップップッという打ち込みのリズムの音は、いつか口で出せるようになりたい。というか一人で練習してたら結構近い音出せるようになった。聞きたい人は今度会ったとき忘れずリクエストするように。

俺だけじゃなくてみんな今日のライブの素晴らしさには圧倒されたようで、アリーナでの足踏みの音が場内に響き渡る。

アンコール一発目はドイツのあのバンドに捧げたというワケはもちろんないHelicon1。なんか今日のセットリスト大盤振る舞いっていうかすげーなーとひとまずイントロではアタマで感嘆し、徐々に引き込まれてその演奏に体で感動。反復の中で徐々に世界が広がっていく。ディレイの響きが僕の中に宇宙をもたらします。そこでは、すべてのものが無限で、永遠なのです。そんな電波めいた体験すらできる。

と電波祭りに陥ってる俺を最後にぶちのめすのが新作からの轟音祭りチューンその2であるWe're No Here。こちらもグラスゴー目が脛イクと同じくベタな感じではあるんだけども、そのベタな絶望メロ、圧力がライブで体感するとCDの93489倍すごい。絶望メタルです。

なんかもう今回のライブはここ最近のライブで感じたもどかしさというか物足りなさが一掃された素晴らしいライブだったと思う。音も、演奏も、照明も、いや照明はストロボがしつこすぎたけど、もうほんとにすべて良かったです。大満足。

ただ、このラストの曲が終わった後の「エフェクター&機材いじり轟音コラージュタイム」はなかなかキツかったです。レディヘもカオスパッドとか使って延々とノイズいじりするけど、ああいうのってやってる方は楽しいもんなんだろうか?それともバンドからオーディエンスへの挑戦なのだろうか?そんな謎を残して彼らはステージから去っていった。

投稿者 trouble : 23:35 | コメント (24) | トラックバック